ホンダ、NSX開発中止! 「ハイブリッドに注力します」 〜2008年年末社長会見から
2008.12.17 自動車ニュースホンダ、NSX開発中止! 「ハイブリッドに注力します」 〜2008年年末社長会見から
本田技研工業は2008年12月17日、東京の青山本社で記者会見を開き、今後の業績および事業の見通しを報告した。
■アキュラもNSXも「やめた!」
世界的金融危機により、会社を取り巻く状況が急速に悪化しているというホンダ。つい10月28日に発表したばかりの「平成21年3月期連結業績予想」も修正を余儀なくされ、売上高は−10.3%(11兆6000億円→10兆4000億円)、営業利益は−67.3%(5500億円→1800億円)となることが告げられた。
これからの販売台数も期待はできず、2010年に予定していた寄居新工場の稼動を1年以上延期するなど、投資計画にも見直しがはかられる。
さらに、先に発表されたF1撤退に続き、2010年を目処に予定していた「アキュラ」ブランドの国内導入についても取りやめを決定。市販車では、大排気量のV10エンジンを搭載する「NSXの後継モデル」の開発計画も中止することが正式に発表された。
■やっぱり「環境」がキー
あれもこれも止める一方で、ホンダは今後、主に低燃費商品の開発に経営資源を集中する。具体的には、ハイブリッドモデルとさらなるコンパクトモデルだ。
2009年春に200万円を切る(!)価格で「インサイト」を発売するのを皮切りに、翌2010年にはコンセプトカー「CR-Z」をベースとした新型ハイブリッドスポーツカーを投入。今後さらに、中・大型車にまでハイブリッドを拡大する予定だという。
フィットより小さなコンパクトカーの開発は、2〜3年後の発売を目指して計画中。原材料費の影響に対応するとともに、これから自動車の普及が見込まれる国々にアピールする。
なお、航空機事業(ホンダジェット)とロボット事業(アシモ)については、いまのところ開発計画に変更はないとのこと。
差し迫った状況ではありながら、「政府に支援を要請したりはしない」「我々は、それ以前に自分たちでやれることがあると思っています」と、福井威夫社長は力強いコメントで記者会見を締めくくった。
(webCG 関)