豪華絢爛! ルマン・クラシック2008開催
2008.08.04 自動車ニュース豪華絢爛! ルマン・クラシック2008開催
欧州ではここ数年クラシックカーやヒストリックカーのイベントが流行している。そのなかでも際立って華やかなのが、「ルマン・クラシック」だ。伝統の「ルマン24時間レース」の復刻版として2002年に誕生し、2年ごとに開催。第4回を迎えた今年は7月11から13日まで行われた。
■貴重な名車が400台!
日本でも「ルマン・クラシック・ジャパン」が2005年から隔年開催されている。しかし、本場フランスのサルトサーキットで行われるイベントは、やはり規模が違う。
今年のイベントには、第1回大会の1923年から1979年の、ルマン24時間に参戦した車両や同型車400台が大集結した。
古くは「ベントレー4.5L Le Mans」(1929年)や「ブガッティ35」(1926年)といった戦前モデルから、50年代初頭に活躍した「ジャガーCタイプ/同Dタイプ」や「ロータスXI」(1956年)、60年代後半に4連覇を達成した「フォードGT40」、「フェラーリ512BB」のルマン仕様(1979年)など、全69メーカーが勢ぞろい。前後左右どこを見ても眺めても、まるで夢かと思うほど。名車中の名車ばかりだ。
■全開あるのみ
さらに、実際コース上を激走する姿を見れば、思わず驚きと感嘆の声が上がってしまうというもの。年代ごと6クラスに分かれたレースでは、ヒストリックカーとは思えないほど“攻めの走り”が繰り広げられた。
順位は年代と排気量によって係数(ハンディ)計算されるため、トップを走っているからといって優勝できるとは限らない。そのため、上位を狙うチームはスロットルを緩めることができないのだ。
1962〜1965年のクラス4では、「プジョー」の現役ワークスドライバー、ステファン・サラザンを含む3台の「フォードGT40」と「フェラーリ250」が激戦を繰り広げた。その内容たるや、観客の方がクラッシュや接触を心配してしまうほどだった。
実際、犠牲になってしまう名車もちらほら。「フェラーリ250GT ブレッドバン」(1961年)は、最終の第3レースでコースアウトして右サイドを破損……ピットインしたオーナー兼ドライバーの顔と目は真っ赤っ赤で、スタッフたちの顔も引きつっていた。
■年々高まる人気
コース上も見どころ満載だが、パドックも侮れない。アルファ・ロメオ、BMW、フェラーリ、ジャガー、ランボルギーニ、ランチア、マセラッティ、パナール……と150ものクラブがブランドごとに集合。その総数は6500台にも及び、敷地内を埋め尽くした。特に圧巻だったのが「ポルシェ・クラブ」だ。今年誕生60周年記念を迎えたルマン24時間の常連メーカーらしく、1メーカーだけで1000台に膨れ上がった。
なかでも1977年に総合Vを遂げた「ポルシェ936」は、クラス6(1972〜1979年)で優勝したマシン。記念の年に華を添えた。ドライバーは、当時ジャッキー・イクスとハーレイ・ヘイウッドと組んでいたユルゲン・バルト本人。まさに時間をワープしたかのようだ。
バルト選手以外にも、1873、74年と「マトラ・シムカ」で優勝しているアンリ・ペスカロロとジェラール・ラルース、1964年に「フェラーリ275」で総合優勝したジャン・ギシェ、1978年に「A442」でアルピーヌに初の栄冠をもたらせたジャン=ピエール・ジョソーなど、往年の名ドライバーも登場した。
また、TVシリーズや映画でお馴染み『Mr.ビーン』こと、英俳優のローワン・アトキンソンは「ジャガー・Dタイプ」で参戦。フェラーリF1の現役ドライバーであるフェリッペ・マッサがルマン式スタートのフラッグを振り、ジャン・トッドはパドックを散策。意外な有名人にひょいと出会える楽しみもある。
そんなルマンクラシックのエントリー希望者は増えており、2004年の第2回からは選考式に。伝説のサルトサーキットを疾走したいという夢は、回を追うごとに狭き門になっている。初回2万人だった観客動員数も、ついに8万1200人を記録。今後、その人気にますます拍車がかかりそうだ。
(文と写真=野口友莉/YUYU)
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