ルノー・日産、電気自動車の普及に意欲
2008.01.30 自動車ニュースルノー・日産、電気自動車の普及に意欲
ルノー・日産のカルロス・ゴーンCEOは、2012年までに両ブランドの電気自動車を販売する意向を明らかにした。
■まずは中東から
仏ルノーおよび日産自動車は、電気自動車を開発、量産し、2011年にイスラエルで販売することで同国政府と合意。2007年1月21日に発表した。
イスラエルでは、1日当たりの走行距離が70km以下というユーザーが90%を占めており、現時点では連続走行距離が短い電気自動車でも対応可能だという。
新たに開発される電気自動車は、リチウムイオン電池を搭載するもので、動力性能は1.6リッターのガソリンエンジン車と同等。日産は、電機メーカー「NEC」との合併会社でバッテリーパックを開発、量産を目指す。
交通インフラのグローバル化を目指す米プロジェクト・ベター・プレイス社も同プロジェクトに参加。同国に50万台の充電スタンドを設置し、ネットワークを整える。イスラエル政府は、電気自動車の購入者に対して税制上の優遇措置を施す予定だ。
■バッテリーメーカーになる!?
この発表の2日後、ルノー・日産のカルロス・ゴーン最高経営責任者(CEO)は、仏日刊紙「Le Parisien(ル・パリジャン)」に、フランスでも電気自動車を市販化する意向を明かした。
既に存在するプラットフォームを転用し、車重はより軽く、街中でバッテリーが充電可能な都市利用を想定したクルマを開発。来年には実車の走行テストをスタートする予定だ。
「ルノー車(欧州で生産)と日産車(アジアで生産)、あわせて2モデルを予定している。2012年までに販売したい」とゴーンCEO。「都市向けを考えているが、市場としては世界中で1000万台ある」と、販売対象地域もフランス国内に留まらない。
また、「ゼロエミッションの電気自動車は、時間が経つにつれ、ガソリンの代替燃料(バイオやハイブリッド)車よりアドバンテージをもつ」「我々はバッテリー製造業者になるのだ」と力を込めた。
ちなみに、ルノー・日産の新テクノロジーにかける開発費用は、年間10億ユーロ(約1600億円)に上るという。
■フランスの行政も歓迎
価格については、少なくともフランスでは、「ガソリンエンジン車以下」を想定しているとのことだ。
フランス政府は今年1月1日から、新車購入の際に車両の二酸化炭素(CO2)排出量による課税奨励金制度を導入(2年ごとに改定)。CO2排出量が161g/km以上の車両に対し、排出量が大きくなるにつれて「Malus(=悪)」として200〜2600ユーロ(約3〜40万円)の税金が課せられる。一方、130g〜100g/kmだと「Bonus(=善)」として200〜1000ユーロ(約3万〜16万円)の特別手当が受けられることになった。
60g/km以下は5000ユーロ(約80万円)もの手当が設定されている。現在これに該当するのは電気自動車のみ。つまり、電気自動車は新制度の恩恵を受けることで、価格面での魅力もアピールできるわけだ。
パリ市も電気自動車導入を視野に入れた新交通サービス案を打ち出したばかり。近い将来、パリ市内で“クリーンカー”が急増する可能性は十分ありそうだ。
(文=野口友莉/YUYU/写真=ルノー)
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