第84回:フォルクスワーゲン・トゥアレグの広告(その3)
2007.09.01 広告のススメ第84回:フォルクスワーゲン・トゥアレグの広告(その3)
立派な建物のエントランス。階段に、トゥアレグを後ろ向きに登らせて、荷物を積んでいるところらしいが……、よくもまぁ、登れたものだ。
これは「45度の登坂能力」を表現したものだが、さらに、荷物をたくさん積めることもアピールする。
「Strange,honey,in the cat the cabinet didn't look that big at all.」
ねぇ、不思議ね。あの食器棚をクルマに積んだら、ちっとも大きく見えなかったわ」
今回紹介した3点の広告は、誇張やシャレが適度で、SUVがもつ自由なイメージも感じられる、快く見られる内容である。これは、車名のトゥアレグに関係しているのかもしれない。
トゥアレグの名はもともと、北アフリカ、サハラ地方に住むイスラム遊牧民のことを指す。男が顔を隠し、女性が顔を露出する文化をもつ、ミステリアスな民族だ。 VW初のSUVであるトゥアレグが、従来のVW車とは一風変わっているので、この名前をつけたのか? と思い、問い合わせたところ、
「その通りです。トゥアレグはミステリアスなクルマで、ネーミングの本質は、遊牧民の歴史のなかにあります。遊牧生活をいとなむ彼ら(トゥアレグ族)は、いくつかの国へ拡がって、平和に、自由と真実をモットーに生きてきました。本当の自由を獲得したということで、クルマのトゥアレグの名称に結びついたのです」と、コメントをいただいた。
Der Touareg/Germany
アートディレクター:Ralf Nolting
コピーライター:Ralf Heuel、Patricia Patzold
フォトグラファー:Edo Fraterman
エージェンシー:Grabarz&Partners/Hamburg
(文=金子秀之/2004年3月6日)

金子 秀之
早稲田大学商学部卒業。資生堂のアートディレクターとして前田美波里のサマーキャンペーンを担当。1973年博報堂のクリエイティブ・ディレクターとして、サントリーの「ブランディ水で割ったらアメリカン」キャンペーンを手がける。1993年(有)クエスターを設立。広告製作及び海外広告の紹介をして現在にいたる。
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