第10回:『日産、イギリスでの広告 その1』
2007.09.01 広告のススメ第10回:『日産、イギリスでの広告 その1』
今回は、1999年から2000年に英国で製作された先代「プリメーラ」(欧州名:アルメーラ)の、日本の広告にはない一ひねりあるコピーをお楽しみください。
NISSANが変わった、広告も変わった
広告年鑑『Graphis Advertising Annual 2001』を見て、ハッとした。巻頭にNISSANの広告が掲載されていたからである。しかも、国内の日産の広告では見られないグラフィックデザインと、日本人の発想にはないコピーがあったからだ。
1999年7月、カルロス・ゴーン氏が最高執行責任者に就任して、日産は会社自体が大きく変わった。事業の発展、市場のプレゼンスを高めるだけでなく、社員の気持ちを把握し、今日のアグレッシブな会社へと変身したのはご承知と思うが、広告も大きく様変わりしたのである。
1999 年から2000年にかけてロンドンで制作された、日産「アルメーラ」と「プリメーラ」のキャンペーンは、従来の広告の殻にこもらず、デザインはアートの方向へと領域を広げ、美しく、かつダイナミックである。コピーも大変レトリカル、かつ率直に他社と比較しながら商品特性を述べる。
このような広告は日本では、必ずしも快く受け入れられない風潮もある。しかしヨーロッパでは、このような新しさと強さを受け入れる土壌があるのだ。プリメーラはヨーロッパにおいて、フォルクスワーゲンやローバーの同クラス車をライバルとするため、広く世の中を見据え、かつチャレンジ精神溢れる広告である。
1)GUESS WHICH IRONICALLY NAMED CAR YOU CAN’T FIT A SET OF GOLF CLUBS INTO.
ゴルフクラブが収納できない、皮肉な名前のついたクルマはどれでしょう?
Boot space. Unfortunately that’s one in the bunker for a certain German hatchback. Divots. No need to fold down any seats or remove the parcel shelf in a new Almera though. It’s got a whole 355 liters or luggage space. Enough to comfortably accommodate objects as big or awkward as a set of golf clubs. So, however much you struggle on the fairways, at least you’ll have an easy time in the club car park. The new Almera. Good news for drivers everywhere(and woods, irons and putters).
トランクルーム。残念ながら、あるドイツ製ハッチバックモデルのそれは、ダメな代物です。めんどくさいのである。新しいアルメーラなら、もう座席をたたんだり、シェルフを取り外したりする必要はありません。355リッターある収納スペースで、ゴルフクラブセットのように大きくて収まりにくい物でも、ラクに収納することができます。
フェアウェーで手こずることがあっても、少なくともカントリークラブの駐車場では、手こずらなくてすむでしょう。新登場のアルメーラ。世界中のドライバーにとっての(そして、ウッドやアイアン、パターにとっても)、グッドニュースです。

金子 秀之
早稲田大学商学部卒業。資生堂のアートディレクターとして前田美波里のサマーキャンペーンを担当。1973年博報堂のクリエイティブ・ディレクターとして、サントリーの「ブランディ水で割ったらアメリカン」キャンペーンを手がける。1993年(有)クエスターを設立。広告製作及び海外広告の紹介をして現在にいたる。
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