第251回:「トヨタbB」お台場インプレッション断言!これは“チョイ悪大阪カー”だ!?
2006.01.31 小沢コージの勢いまかせ!第251回:「トヨタbB」お台場インプレッション断言!これは“チョイ悪大阪カー”だ!?
■なにわっぽいのは、ダイハツのせい!?
正直、あなどってました。新型「トヨタbB」。だって前よりデザインぶっ飛んでるじゃない。さらにイロモノ化してると思ってたわけよ。ところがどっこい乗ってみると予想外にいい!
まずはデザイン。写真で見た時は“鬼瓦”みたいで「こんなのクルマじゃない!」とか思ってたけど、実物は面がわりと滑らかで質感高く、なによりサイズ感がいい。
数字でいうと旧型より約15cmも短く、相当小さいはずなのにデザインが工夫されているからそうは見えない。リアビューにしろ、テールランプが小さく、位置も低めでミニバン風にも見えたりする。前後バランスはノーズが短いおかげで旧型よりはるかによく、間延びした感じがしない。つまり意外と“凝縮感”があるのだ。
室内も外観からは想像できないくらい広い。旧型比でいうと、室内長はわずか5cm縮まっただけで、室内幅は逆に約5cmも広がっており、オオゲサに言うと「頭の悪いクルマ」に乗ってる気がしないのだ。
タネあかしをしちゃうと、旧型は「ヴィッツ」ベースで作られてたのに、新型は「トヨタ・パッソ/ダイハツ・ブーン」がベース。車格がワンランク下になることで、スペース効率は逆に高まってるというワケ。
つまり、ギョーカイ事情にちょっと詳しい人ならわかると思うけど、今回のbBはトヨタ主導ではなく、ダイハツ主導。極端にいえば“ダイハツ車”なのだ。そこかしこに軽自動車のノウハウがつぎ込まれており、前とは全く別のクルマになってます。
で、そう思うとこの“ワル”っぽさも妙に板について見えてくるのよね。だって見れば見るほど“なにわっぽい”じゃない、このカタチ。白黒タテジマかヒョウ柄模様の“阪神タイガース仕様”が早く見たいぜって感じ。
■もっとインパクトが欲しかった
一方、パッソベースと聞いて恐れていたのが乗り味。実際、パッソは軽自動車の1〜2割増しのしっかり感って感じで、ステアリングフィールとかがイマイチだったけど果たしてそれはどうか? 結果からいうと“まあまあ”でした。
聞けばフロア等の基本設計は一緒だが、一部鉄板の厚さやブッシュサイズなどが増していて、走りの軽っぽい部分は減ってる。独特の“プルプル感”が少ないと言いますか。特にコーナリング中はパッソ&ブーンには付いてないスタビライザーが効いてて、ロール少なめでスポーティ。
でもねぇ。個人的にはステアリングフィール軽すぎ。せっかく全体のムダが減り、ほどよい屋根の低さから、初代ミニにも似た心地いい“コモリ感”が味わえるようになったのに、走りはフツー。もっとキビキビ、遊園地のコーヒーカップのようなハンドリングが味わえたらいいのに。個人的な趣味ですけどね。
ところで新型のもう一つのウリである“まったり感”。つまり停車時に8cm座面を下げられるシートや、クラブっぽいイルミネーション、9スピーカーのオーディオシステムはどうかっていうと、特によかったのは「まったりシート」。コイツはイヤらしい意味ではなく、ハンドルから体を離してくつろぐことができ、車内で新聞読む時などもいいような気がした。
しかしイルミネーションは、走行中はドライバーの妨げになるからあんまりハデに光らせられないし、iPodをラインで繋げる9スピーカーオーディオにしても、音はいいけど、コイツが1.5リッターエンジンの最高グレードの「Qバージョン」にしか付けられないのは肩すかし。
だってさ。“走るミュージックプレーヤー”なんでしょ? だったら全車標準にしてよ。その方がよっぽどインパクトあるじゃない。でもまあ、そこんところが現実に即したトヨタ流なんでしょうね。実際、bBを“iPodの走る版”として買う人なんか少ないわけだし。結局はクルマだからさ。
でもまあ、ホント、クルマとして十分によくできてる新型bB。ますますトヨタあなどれじって感じ。もしかして今年は年間純利益2兆円!? ってのも納得だよね。
(文と写真=小沢コージ/2006年2月)

小沢 コージ
神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 YouTubeチャンネル『小沢コージのKozziTV』
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