『CG』連載が一冊の本に――矢貫隆『いのちの夢』
2004.12.30 クルマで登山『CG』連載が一冊の本に――矢貫隆『いのちの夢』
「webCGクルマで登山」でお馴染みの矢貫隆さんが一冊の本を出しました。
以前『CG』に連載された「命の夢」に加筆・修正を加えできた『いのちの夢〜難病の子どもたちが願ったこと』(草思社刊/1200円+税)。難病に苦しむ子供たちの夢を叶える「メイク・ア・ウィッシュ・オブ・ジャパン」の活動をとおしたノンフィクションストーリーです。
■生きる力をもってもらうため
『CG』誌2003年11月号から2004年3月号にわたって続いた「命の夢」には、自動車雑誌には珍しく、クルマの話題がほとんどありませんでした。
それでも連載がスタートしたのには、「メイク・ア・ウィッシュ・オブ・ジャパン(MAWJ)」の活動に深く共感した人たちの熱意があったから。矢貫さんも、そんなMAWJに興味を持ち、そして支持するにいたったうちのひとりでした。
ようやく人生の一歩を踏み出そうという小さな子供たちに、余命が告げられるという現実。その厳しい宣告を受け止めながら、子供たちの夢を何とか叶えてあげようとする家族や支援者……。
ある子は憧れのウルトラマンに会うことができ、ある子はハワイでイルカと泳ぐ機会に恵まれ、またある子はホテルの一日社長を体験することができた。
夢を叶えた子供たちには、奇跡的に回復する子もいれば、しかし不幸にも亡くなってしまう子もいました。
矢貫さんの文章は、冷静な視点から淡々と書かれているように見えます。けど、そこに冷徹さは一切なく、逆にとてもあたたかさを感じるのです。
あとがきには、MAWJの事務局長の方の言葉が綴られています。
「私たちは“最後の夢”をかなえるお手伝いをしているのではない。生きる力をもってもらうための夢の実現に協力しているのです」
文面から伝わるあたたかさは、厳しい現実と直面する小さな命へ希望を与えたいという想いからくるのではないか。
そんなことをいうと、見かけはコワイけどシャイで情熱的な矢貫さんはきっと照れて笑うだろうけど、僕はそういう感想を持ちました。
そんな熱い想いが胸にグッと突き刺さるような一冊、自動車好きにもそうでない人にも読んでもらいたい一冊です。
(文=webCG 有吉)
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有吉 正大
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