「クセノンガス封入タイプのバルブとは?」
2001.04.16 クルマ生活Q&A その他「クセノンガス封入タイプのバルブとは?」
私のクルマは比較的ヘッドライトが暗いような気がするので、今度クセノンガス封入タイプのランプに換えてみようかと考えていますが、これには何か制約や条件などがあるのでしょうか? デメリットなどないのでしょうか?(千葉県・DTさん)
お答えします。おそらく質問者はバルブの交換のことをおっしゃっているのだと思いますが、それはお薦めできません。
クセノンガス封入タイプのバルブとは、HID(ハイインテンシティ・ディスチャージドランプ)などとも呼称されており、ハロゲンガスの2倍の温度まで上げることで倍ちかい明るさ(カンデラ)を発光する仕組みになっています。
ヘッドランプは本来の明るさにあったレンズカットや反射鏡の形状をしているので、極度に明るい光源を装着すると本来の光軸がかなり変わってしまいます。そのため、フィラメントタイプのヘッドランプにHIDを装着すると、光軸調整をしても光線をカットすることが出来ず、結果、先行車に迷惑をかけることも考えられます。
ヘッドランプが暗くて困っているのなら、ライトバルブを新品に交換するなどして様子をみてはいかがでしょうか。掃除も有効です。

松本 英雄
自動車テクノロジーライター。1992年~97年に当時のチームいすゞ(いすゞ自動車のワークスラリーチーム)テクニカル部門のアドバイザーとして、パリ・ダカール参加用車両の開発、製作にたずさわる。著書に『カー機能障害は治る』『通のツール箱』『クルマが長持ちする7つの習慣』(二玄社)がある。