マツダRX-7Type RZ(5MT)【ブリーフテスト】
マツダRX-7 Type RZ(5MT) 2000.11.13 試乗記 ……399.8万円 総合評価……★★★★★23年分の想い
親会社のフォードがその存続を認めるかどうかが自動車雑誌のニュース欄を賑わわせるほど世界の技術トレンドから離れてしまった(決して悪い意味でなく)、世界唯一のヴァンケルユニットことロータリーエンジンを搭載したスポーツカー、RX-7。「RZ」は、2000年10月18日に発表された175台限定車。
レギュラーモデルと違うのは、2シーター化、レカロと共同開発したフルバケットシート、BBS製17インチ鍛造ホイール、ハードタイプのビルシュタインダンパー、赤いステッチの入ったナルディ製専用ステアリングホイール、そして専用の白い車体色など。
これまでも、RX-7は十分に速かったし、スポーティだった。だが、興を削ぐエキゾーストノイズや、スパルタン過ぎて街乗りでは「ビシッ! ビシッ!」と脳天を突くような乗り心地がマイナス点だった。
ところがRZでは、それらの欠点がほとんどすべて改善されている。実用性の犠牲分を取り戻し、そのうえスポーティな走りに磨きがかかった。デビューから9年経ったRX-7は、「Type RZ」で完成したのではないか。日本でいま最もピュアなスポーツカーかもしれない。「バリューフォアマネー」。カタログの「過去23年にわたるRX-7への想いのすべてを込めた」とのコピーは伊達じゃない。
【概要】 どんなクルマ?
(シリーズ概要)
「FD」こと3代目RX-7(サバンナクーペを入れれば4代目)は、1991年10月16日に、グラマラスな3ナンバーボディをまとって「アンフィニRX-7」として登場した。いわずとしれた、世界唯一のロータリースポーツである。アイデンティティの源、「13B」型ヴァンケルユニットは、基本的には先代からのキャリーオーバー。654cc×2の水冷直列2ローターを、大小2つのタービンで過給する、いわゆる「シーケンシャルツインターボ」だ。
(グレード概要)
RX-7の基本グレードは3つ。5MTのほか4ATモデルも用意される、比較的ソフトな性格の「RB」、スポーティな「R」、スパルタンな「RS」である(R、RSとも5MTのみ)。テスト車の「RZ」は、175台の限定モデル。「スノーホワイトパールマイカ」の専用車体色、BBS17インチホイール、ハードチューンのビルシュタインダンパー、赤いレカロのフルバケットシートほか、助手席にアルミ製フットレストボードなどが備わる。
【車内&荷室空間】 乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★
全般的に内装のデザインセンスが古い。登場が1991年だから致し方のないところであるが、ホワイトメーターなどは流行遅れなうえに見にくい代物だ。エアコンも全グレードがマニュアルと少し淋しい。
(前席)……★★★★
レカロ製の、クッションが薄く、角度調節すらできないフルバケットシート。しかし不思議に不快ではない。コーナリング中にカラダをしっかりと支えてくれる一方、上体の自由度が大きいからか。フルバケットを意識させられるのは乗り降りの際くらい。
なお、後席は軽量化のために取り払われた。かわりに、ストレージBOXなるフタ付きの荷物入れが備わり、その上にもアタッシェケースとハンドバッグなどを置けるくらいの空間が確保された。
(荷室)……★
天地は低く、大きなガラスハッチ付きのトランクなので、大きな荷物は入らない。でも、RX-7は「ピュアスポーツ」である。不満を感じるヒトはいないだろう。
【ドライブフィール】 運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★★
オーソドックスなレシプロエンジンとは、回転の上昇と下降の様子、パワーとトルクの出方、サウンド、振動の少なさなどが大きく異なる。以前は、「好き」か「嫌い」かが評価の大前提となるエンジンだったが、今回のリファインでその前提は不要になった。滑らかでレスポンシブルなフィーリングは、ほかのクルマでは得られない。トランスミッションは、可もなく不可もなし。もう1速足して、6速にして欲しい。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★★★
以前は、路面の凹凸から受けるショックを激しく跳ね返し、それがそのままドライバーに伝わってきたが、今は違う。路面とタイヤが接した瞬間のショックを、サスペンションがよく吸収するようになった。そこからグッと踏張り、それ以上沈まない。スポーツカーとしては、むしろ快適な乗り心地。
もともとハンドリングは洗練されていたが、さらに磨きが掛かった。エンジンを、低く可能なかぎりキャビン寄りに搭載し、各部にアルミ製パーツを多用して軽量化、そして、トランスミッションとディファレンシャルをフレームで結合するなどの凝った設計によるところが大きい。
(写真=河野敦樹)
【テストデータ】
報告者:金子浩久
テスト日:2000年11月7日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2000年型
テスト車の走行距離:2451km
タイヤ:(前)235/45ZR17/(後)255/40ZR17(いずれもブリヂストン Potenza S-07)
オプション装備:--
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(2):高速道路(7):山岳路(1)
テスト距離:387.4km
使用燃料:83.4リッター
参考燃費:4.6km/リッター

-
日産リーフAUTECH B7(FWD)【試乗記】 2026.5.23 新型「日産リーフ」にもおなじみの「AUTECH」が仲間入り。デザインや質感などの上質さを目指した大人のカスタマイズモデルだが、走りの質感がアップしたと評判の新型リーフとは、さぞ相性がいいに違いない。300km余りをドライブした。
-
メルセデス・ベンツSクラス【海外試乗記】 2026.5.22 「メルセデス・ベンツSクラス」のマイナーチェンジモデルが登場。メルセデスの旗艦として、また高級セダンのお手本として世界が注目する存在だけに、進化のレベルが気になるところだ。本国ドイツでドライブした印象をリポートする。
-
マツダCX-5 L(4WD/6AT)/マツダCX-5 G(FF/6AT)【試乗記】 2026.5.21 日本でも、世界でも、今やマツダの主力車種となっている「CX-5」がフルモデルチェンジ。3代目となる新型は、過去のモデルとはどう違い、ライバルに対してどのような魅力を備えているのか? 次世代のマツダの在り方を示すミドルクラスSUVに試乗した。
-
DS N°4エトワール ハイブリッド(FF/6AT)【試乗記】 2026.5.20 DSオートモビルから「DS N°4」が登場。そのいでたちは前衛的でありながらきらびやかであり、さすが「パリのアバンギャルド」を自任するブランドというほかない。あいにくの空模様ではあったものの、350km余りをドライブした。
-
アルファ・ロメオ・トナーレ イブリダ ヴェローチェ(FF/7AT)【試乗記】 2026.5.19 2026年3月に大幅改良モデルが発表され、ほどなくメディア試乗会も開催された「アルファ・ロメオ・トナーレ」。今回はこれをあらためて借り出し、一般道から高速道路まで“普通に”走らせてみた。進化を遂げたアルファの中核SUVの仕上がりやいかに?
-
NEW
車載カメラが普及した今、“デジタルサイドミラー”が主流にならないのはなぜか?
2026.5.26あの多田哲哉のクルマQ&Aサイドミラーの役割をカメラが担う“デジタルサイドミラー”は、レクサスやアウディなどで採用例があったものの、普及するには至っていない。その決定的な理由はなにか? 元トヨタの車両開発者、多田哲哉さんが語る。 -
NEW
マツダ スピリット レーシング・ロードスター12R(FR/6MT)【試乗記】
2026.5.26試乗記販売台数わずか200台の限定車「マツダ スピリット レーシング・ロードスター12R」に試乗。スーパー耐久レース参戦をはじめとするマツダのモータースポーツ活動を担うサブブランドが生み出した初の市販コンプリートカーは、いかなる走りをみせるのか。 -
買った後にもクルマが進化! トヨタ&GAZOO Racingが提供するアップデートサービスのねらいと意義
2026.5.25デイリーコラムGAZOO Racingが「トヨタGRヤリス/GRカローラ」の新しいソフトウエアアップデートを発表! 競技にも使える高度な機能が、スマートフォンのアプリで調整できるようになった。その詳細な中身と、GRがオーナーに提供する“遊びの機会”の意義を解説する。 -
第336回:やっぱり絶交!
2026.5.25カーマニア人間国宝への道清水草一の話題の連載。夜の首都高に200台の台数限定で販売される「マツダ スピリット レーシング・ロードスター12R」で出撃した。手作業で組まれた2リッター直4エンジンを搭載するマツダ入魂のスポーツモデルに、カーマニアは何を感じた? -
アウディQ6スポーツバックe-tronクワトロ アドバンスト(4WD)【試乗記】
2026.5.25試乗記アウディの電気自動車(BEV)「Q6スポーツバックe-tron」で、東京・渋谷と静岡・裾野を往復。雨のなかでエアコンを効かせ、高速や峠道を遠慮なく走らせるハードユースに、最新のBEVはどう応えてくれたのか? そこで感じた“本音”をリポートする。 -
ホンダ・プレリュード(後編)
2026.5.24ミスター・スバル 辰己英治の目利き軟派なクーペはアリやナシや。ミスター・スバルこと辰己英治さんが新型「ホンダ・プレリュード」に試乗。「シビック タイプR」とは趣を異にするシャシーに触れ、話題の「S+シフト」を試し、これからのスポーツクーペ像に思いをはせた。











































