ちょっと古いフェラーリのお値段は? パリのオークション会場から
2014.02.14 画像・写真2014年2月初旬、パリでは、有名なヒストリックカーショー「レトロモビル」に合わせて有名オークションハウスのセールが企画された。その数は3社、4セールに及び、各社は日本円にして20~40億円の売り上げを記録した。
近年多くのエンスージアストに人気がある70年代以降のフェラーリも数々出品された。それらの多くは、”ヤングタイマー車”人気上昇の兆しを受けて想定価格を上回る価格で落札。特にアールキュリエル社の1974年「フェラーリ365GT4BB」は、想定の2倍以上のハンマープライスとなった。ということで、ちょっと古いフェラーリの最新価格を、いくつかの“おまけ”スナップと共にお届けしよう。(価格はいずれもコミッション込み)
(文と写真=大矢アキオ<Akio Lorenzo OYA>)

世界的なオークションハウス「RMオークションズ」によるセールは、2014年2月5日にセーヌ左岸アンヴァリッド(廃兵院)敷地内で開催され、一夜にして約1770万ユーロ(約24億7600万円)を売り上げた。
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世界的なオークションハウス「RMオークションズ」によるセールは、2014年2月5日にセーヌ左岸アンヴァリッド(廃兵院)敷地内で開催され、一夜にして約1770万ユーロ(約24億7600万円)を売り上げた。
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新車時にオーストラリアへ輸出されたあと、14年後に英国に渡ってガレージで長年保存されていたという1974年「フェラーリ365GT4BB」の右ハンドル仕様。想定価格を超える18万7600ユーロ(約2624万円)で落札。
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無事故で、過去15年にわたりハンブルクのガレージで規定にしたがってメンテナンスを受けていた1990年「フェラーリF40」。2012年にギアボックスを2万ユーロかけてオーバーホールしている。想定価格をわずかに上回る51万5200ユーロ(約7210万円)で落札。
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サーキット走行専用モデルの2010年「フェラーリ599XX」。極めて限られた顧客のために29台が製作されたとされるモデルの一台。67万5000ユーロ(約9450万円)にまで達したものの、リザーブ価格に達せず。
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1955年のセブリング12時間レースで5位に入賞した「フェラーリ750モンツァ スパイダー」(写真右)。そのボディー部分は、近年カロッツェリア・スカリエッティがオリジナル(写真左)を忠実に再現したもの。想定価格内だったものの196万ユーロ(約2億74220万円)で落札され、この期間パリに滞在していたエンスージアストの間で大きな話題となった。
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こちらは1966年「アルファ・ロメオ・ジュリア スーパー」。アウトストラーダでフェラーリを追い回したであろう往年の交通警察隊仕様を、搭載機器に至るまで詳細に再現したもの。長年、映画撮影用として使われていた。2万8000ユーロ(約390万円)で落札。
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ロンドンを本拠とするオークションハウス「ボナムス」は昨年に引き続き、往年のパリモーターショー会場であるグランパレで2014年2月6日にセールを行った。二輪車を含む約150台の売り上げは、1700万ユーロ(約23億6700万円)に達した。
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1978年「フェラーリ400GTオートマチック」。初代所有者はフェラーリのレース関連会社で、記録はないがF1ドライバー、ジョディー・シェクターに渡されたとの説がある。やはり2+2の人気は限定的なようで、想定価格内の2万1850ユーロ(約304万2000円)に収まった。
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1984年「モンディアル クアトロヴァルヴォーレ」(写真左)と、タルガトップの1981年「308GTSi」(写真右)。後者は3万5000~4万5000ユーロ(約490万~630万円)の想定価格が付いていたものの、売買成立に至らず。
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新車時にカリフォルニアへ渡り、2006年にヨーロッパに戻って丹念なレストアを施された1978年「308GTB」。3万4500ユーロ(約480万円)。
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ベルギーに新車として納車され、現在走行6万5000kmの1984年「モンディアル クアトロヴァルヴォーレ」(手前)は、1万6100ユーロ(約225万円)で落札された。
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(左から)1989年「モンディアル クアトロヴァルヴォーレ」は2万8750ユーロ(約400万円)、2003年「456GT」は6万4400ユーロ(約900万円)、そして2004年「575Mマラネッロ」は6万3250ユーロ(約880万円)で、それぞれ売れた。
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かつて路上で息絶えたフェラーリも救助した? 1963年「フィアット1100T3」のレッカー車は、1万2880ユーロ(約180万円)。
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パリを本拠とする「アールキュリアル」のオークションは、ここ数年の慣例どおり「レトロモビル」会場を用いて、2014年2月7日午後から行われた。なお、どのオークションも、数十ユーロのカタログを購入すれば、入札者でなくても入場できる。
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今回アールキュリアルは、翌日8日に開催したアルファ・ロメオのみのセールと合わせ、2日間で2900万ユーロ(約40億3800万円)の売り上げがあった。
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会場のビッダーたちに加え、電話やインターネットでも刻々と応札がある。オークショネアは、それらを瞬時に見分けながらセールを盛り上げる。そのリズムには、ちょっとしたドキュメント並みの興奮がある。
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1986年「テスタロッサ」は、5万1256ユーロ(約714万円)の値がついた。
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1991年「F40」(写真手前)は64万4872ユーロ(約9000万円)で。いっぽう、83万~96万ユーロ(約1億1600万~1億3400万円)の想定価格が示されていた2004年「エンツォ」(写真奥)は、売買不成立となった。
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1985年のF1マシン「156/85」。50万~55万ユーロ(約7000万~7700万円)の想定価格が付いていたが、売買不成立。
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オークション会場のフェンス外にも、行方を見守るギャラリーが多数。手前の1974年「フェラーリ365GT4BB」は、想定価格を大幅に上回る26万2440ユーロ(約3650万円)でハンマープライスとなった。