BMW X3 xDrive35i(4WD/8AT)【ブリーフテスト】
BMW X3 xDrive35i(4WD/8AT) 2011.06.02 試乗記 ……747万6000円総合評価……★★★★
BMW「Xシリーズ」の中核モデル「X3」が2代目にバトンタッチ。その実力を、ターボエンジン搭載の上位グレードで試した。
エンジンメーカーの面目躍如
「X5」ほど大きすぎず、重すぎず。「X1」ほどは狭くなく。BMWのSUV「Xシリーズ」の中庸、というよりベストのサイズ。扱いやすい大きさにして、高性能と好燃費を両立したモデルである。
今回のテストでは231km走って、34.7リッターの燃料消費。燃費はおよそ6.7km/リッターにとどまったが、8段あるスムーズなATは効率よく働いて、普通の市街地でも2000rpm以下で8速を含めた上位のギアに送り込める。ことさら急がずに加速すれば、低燃費に徹した運転が可能だ。
しかし今回は、高速道路の料金所あとのフル加速を何度か楽しんでしまったため、総平均では好成績を残せなかった。2トン近い重量をものともせず、6500rpm付近のリミットまで一切のストレスを感じさせない吹け上がりは、見事というほかなく、「BMWはやはりエンジンメーカーである」ということを再認識させてくれた。普段はつつましくしていても、イザとなれば本領発揮するこの高性能ぶりは、BMWの魅力をあますことなく伝えてくれる。
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どんなクルマ?
(シリーズ概要)
「X3」は、「X5」に次ぐBMWのSUVモデルとして、2003年のフランクフルトショーでデビュー。現在のモデルは2010年7月に発表された2代目で、2011年3月に日本国内でも発売された。
モデルチェンジに際しては、ボディサイズがやや拡大されるとともに(全長+85mm、全幅+25mm、ホイールベース+15mm)、後席の居住性向上や荷室容量の拡大も図られた。外観上も、ワイドで量感ある印象が強調され、ボンネットやサイドにはくっきりとしたキャラクターラインが入れられた。
エンジンは、8段ATを組み合わせる2種類の3リッターユニット。走りを支える電子デバイスが多々与えられ、前後の重量配分は(BMWの他モデル同様)50:50とされるなど、走りに対するこだわりを見せる。
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(グレード概要)
日本に導入される新型「X3」は、「xDrive28i」と「xDrive35i」の2種類。前者は「528i(5シリーズ)」にも用いられる3リッターNAエンジン(258ps/6600rpm、31.6kgm/2600-3000rpm)を、後者は「535i(5シリーズ)」や「335i(3シリーズ)」と同じ3リッターターボエンジン(306ps/5800rpm、40.8kgm/1200-5000rpm)を搭載する。8段ATはどちらも共通だが、アイドリングストップ機能は、今回のテスト車でもある上位グレード 「xDrive35i」にのみ備わる。
【車内&荷室空間】乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★★★
BMWに求められる、ほとんどすべての装備がおさめられている。計器類などの情報も充実しているし、インストゥルメントパネルそのものの質感や造り、フィニッシュも上々だ。運転席に座ってこの眺めをみれば、その価格(車両本体:694万円)には納得されるだろう。スイッチ・ボタン類の操作は多岐にわたるから、詳細な内容についてはマニュアルを読むなどしたうえで、よく理解のうえ使う必要があるが、基本的な走行に関する部分は“見ればわかる式”で好ましい。
(前席)……★★★★
シートは造りに無駄な厚みがなく、室内空間をむやみに占拠していない。サイズ、形状、調整機構ともに良好。シートそのもののフィット感はいまひとつだが、ステアリングの調整機構と合わせて、ドライビングポジションを決めやすい。
高い目線からの視界も良好。高いボンネットも少し稜線(りょうせん)が見えて、例えば横断歩道を渡る子供の頭などを確認することも、一応可能である。前方直下の死角については、クリアランスソナーも備わるから、警告音やモニター画面で距離判断が可能。
(後席)……★★★★
新型のセリングポイントに挙げられるとおり、居住空間は広がった。折り畳めるシートゆえにやや平板ながら、座面や背面の傾斜角はおおむね良好。足元や膝まわりの空間も普通に確保されているし、スライディングルーフをもつ分厚い天井にもかかわらず、ヘッドクリアランスも十分だ。高い視点が得られ、外の景色もよく見える。敷居は高いが乗降性はさほど悪くはない。普通のセダンの後席と変わらない、くつろげる雰囲気あり。
(荷室)……★★★
ゲート開口部下端、バンパーまでは高めであるが、内部のフロアそのものは平らで、内張りも上質。フロア面積も広い。ランフラットタイヤが採用されているため、スペアタイヤの出し入れなどで苦労する心配は要らない。空間としては、ワゴン車のようにルーフまでの高さを使えるし、中間にトノカバーも備わる。ゲートの開閉は電動式(オプション)なので、力は要らない。
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【ドライブフィール】運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★★★
エンジン、トランスミッションなど駆動系のバランスがよく、振動や騒音などもよくチェックされている。エンジンは低速からトルクがあり8段あるギアの高い方でも1500rpmあたりから実用になるし、燃費に貢献する。アイドリングストップ機能は、再始動時にちょっとモタつく。
6500rpmの高回転まで一気に回り切る気持ち良さはBMWエンジンの真骨頂。空車車重1930kgを感じさせないほどパワフルだ。4WDのおかげでアクセルペダルをラフに扱ってもホイールスピンなどしない。
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(乗り心地+ハンドリング)……★★★★
ランフラットタイヤによる乗り心地の固さは年々改良されてきており、今ではわざわざ記すほど気にはならないレベルにある。ステアリングの操舵(そうだ)力やダンパーの減衰力は電子制御でいろいろ選べるようになっており、ドライバーの気分転換にも役立つ。
4WDは低ミュー路でスロットルをラフに扱っても急激な挙動変化を心配しなくて済むから安心。前後左右上下、3軸の慣性重量の大きさを感じさせず、軽快に操れる。
(写真=郡大二郎)
【テストデータ】
報告者:笹目二朗
テスト日:2011年5月10日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2011年
テスト車の走行距離:--
タイヤ:(前)245/45R19(後)275/40R19(いずれも、ピレリP ZERO)
オプション装備:オートマチック・テールゲート・オペレーション(6万9000円)/電動パノラマ・ガラス・サンルーフ(21万5000円)/ハンズフリー・テレフォン・システム&USBオーディオ・インターフェイス(9万9000円)/ファインライン・シエナ・ウッドトリム(6万8000円)/メタリックペイント(8万5000円)
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(6):高速道路(4)
テスト距離:231km
使用燃料:34.7リッター
参考燃費:6.65km/リッター

笹目 二朗
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