【F1 2023】第12戦ハンガリーGP:フェルスタッペンが5月から負けなしの7連勝、レッドブル12連勝で新記録樹立

2023.07.24 自動車ニュース bg
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F1第12戦ハンガリーGPを制したレッドブルのマックス・フェルスタッペン(写真右から2番目)、2位に入ったマクラーレンのランド・ノリス(同左端)、3位でレースを終えたレッドブルのセルジオ・ペレス(同右端)。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)
F1第12戦ハンガリーGPを制したレッドブルのマックス・フェルスタッペン(写真右から2番目)、2位に入ったマクラーレンのランド・ノリス(同左端)、3位でレースを終えたレッドブルのセルジオ・ペレス(同右端)。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)拡大

2023年7月23日、ハンガリーのハンガロリンク・サーキットで行われたF1世界選手権第12戦ハンガリーGP。連続ポールこそ逃したマックス・フェルスタッペンだったが、レースでは完膚なきまでにライバルを打ちのめし、レッドブルは新たな記録を打ち立てた。

この笑顔がF1に戻ってきた──アルファタウリは、新人ニック・デ・ブリースを更迭し、ハンガリーGPからレッドブルのリザーブドライバーだったダニエル・リカルド(写真中央)にステアリングを託すことを決めた。34歳のオーストラリア人にとって、トップチームに返り咲くためのまたとないチャンス到来。逆にここで失敗すれば、今後のF1キャリアも完全についえる可能性がある重要な局面である。初戦ハンガリーGPでは、予選でQ2まで駒を進め13位、チームとしては過去5戦で最高のポジションを獲得したのだからさすがである。レースではスタート直後にジョウ・グアンユーのアルファ・ロメオに追突され最後尾に落ちるも、マシンに大きなダメージがなかったことが幸いし、スタートポジションと同じ13位でチェッカードフラッグを受けた。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)
この笑顔がF1に戻ってきた──アルファタウリは、新人ニック・デ・ブリースを更迭し、ハンガリーGPからレッドブルのリザーブドライバーだったダニエル・リカルド(写真中央)にステアリングを託すことを決めた。34歳のオーストラリア人にとって、トップチームに返り咲くためのまたとないチャンス到来。逆にここで失敗すれば、今後のF1キャリアも完全についえる可能性がある重要な局面である。初戦ハンガリーGPでは、予選でQ2まで駒を進め13位、チームとしては過去5戦で最高のポジションを獲得したのだからさすがである。レースではスタート直後にジョウ・グアンユーのアルファ・ロメオに追突され最後尾に落ちるも、マシンに大きなダメージがなかったことが幸いし、スタートポジションと同じ13位でチェッカードフラッグを受けた。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)拡大
フェルスタッペン(写真)が史上5人目となる7連勝を達成。レッドブルは、サイドポッドなど主要部分をアップデートしてハンガリーGPを迎えたが、フェルスタッペンはそのバランスに苦しみ、予選Q3の最初のアタックで最速タイムをマークしたものの、最後にルイス・ハミルトンにポールを奪われた。それでもレースとなると、スタート直後のターン1でトップに立ち、その後はいつもの一人旅へ。最終的に33秒もの大量リードを築いてチェッカードフラッグを受けた。チャンピオンシップのリードは110点となり、もはや誰も解消できないであろう差にまで拡大している。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)
フェルスタッペン(写真)が史上5人目となる7連勝を達成。レッドブルは、サイドポッドなど主要部分をアップデートしてハンガリーGPを迎えたが、フェルスタッペンはそのバランスに苦しみ、予選Q3の最初のアタックで最速タイムをマークしたものの、最後にルイス・ハミルトンにポールを奪われた。それでもレースとなると、スタート直後のターン1でトップに立ち、その後はいつもの一人旅へ。最終的に33秒もの大量リードを築いてチェッカードフラッグを受けた。チャンピオンシップのリードは110点となり、もはや誰も解消できないであろう差にまで拡大している。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)拡大

デ・ブリースの更迭、リカルドの復帰、角田の今後

あまりに非情だったが、それなりの事情もあった──前戦イギリスGPから間もない7月11日、アルファタウリはニック・デ・ブリースの更迭を発表。空いたシートにレッドブルのリザーブドライバーだったダニエル・リカルドを据えることを決めた。

たしかにF1キャリア3年目の角田裕毅と比べてみても、デ・ブリースのパフォーマンスは見劣りしていた。今季10戦で角田に対する勝率はレース・予選とも2割。ポイントも角田が2点なのに対しデ・ブリースは0点のままだった。過去7年間にシーズン途中のドライバー変更が4回もあったレッドブル系2チームなのだから、こういう事態もめずらしくはないともいえたのだが、しかし、デビューからたった10戦でクビを言い渡されるというのは前例がない厳しいものだった。

ただ、レッドブルを取り巻く状況からしたら致し方なかったともいえる。2021年からマクラーレンで散々な2シーズンを送ってきたリカルドは、今季になって古巣レッドブルに戻り、リザーブドライバーとしてシミュレーションやPRなど裏方業務をこなしてきた。レッドブル首脳がデ・ブリースの真の実力を測りかねていたことと同じように、これまで8勝を記録してきたリカルドの現在のコンディションについても疑問が残っていた。

またレッドブルには、セルジオ・ペレスの不振という懸念材料もあった。過去5戦を振り返れば、予選ではことごとくQ3に進出できず、表彰台も1回にとどまっていたペレスは、2024年もレッドブルとの契約を残している。今シーズンはマックス・フェルスタッペンの連勝に助けられ、チームはコンストラクターズチャンピオンシップで208点もの大量リードを築けていたものの、今後を視野に入れると別のオプションも探っておきたかったのかもしれない。

日本のスーパーフォーミュラで戦うリアム・ローソンら、レッドブル育成ドライバーもいるが、F1でどこまで通用するかは未知数。つまり、10チーム中唯一の2チーム体制を組むレッドブルのF1活動にはいくつかの選択肢があり、この先のベストな体制構築のためには、なるべく早めに各オプションのエビデンスを手にしたかったのだろう。

リカルドにとってはF1への本格復帰を賭けた大きな挑戦であり、またタッグを組む角田としても、ベテランの優勝経験者を打ち負かせば名を上げるチャンスとなる。チャンピオンシップ最上位に君臨するレッドブルを巻き込んだ、最下位アルファタウリの再出発は、夏のハンガリーから始まった。

前戦イギリスGPで2-4フィニッシュを飾り復活ののろしを上げたマクラーレン。性格の異なるハンガリーのコースでも、オスカー・ピアストリ(写真前から2番目)が4番グリッドからスタートで2位、ノリス(同3番目)も3位につけ、レースリーダーのフェルスタッペン(同先頭)を追った。速さではレッドブルにかなわなかったものの、ノリスは最初のタイヤ交換後に2位に上がり、2戦連続の2位表彰台。ピアストリはペレス、ハミルトンに先を越され5位だった。チームは直近の2戦で58点ものポイントを上乗せし、ライバルであるアルピーヌに40点もの差をつけて堂々のランキング5位につけている。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)
前戦イギリスGPで2-4フィニッシュを飾り復活ののろしを上げたマクラーレン。性格の異なるハンガリーのコースでも、オスカー・ピアストリ(写真前から2番目)が4番グリッドからスタートで2位、ノリス(同3番目)も3位につけ、レースリーダーのフェルスタッペン(同先頭)を追った。速さではレッドブルにかなわなかったものの、ノリスは最初のタイヤ交換後に2位に上がり、2戦連続の2位表彰台。ピアストリはペレス、ハミルトンに先を越され5位だった。チームは直近の2戦で58点ものポイントを上乗せし、ライバルであるアルピーヌに40点もの差をつけて堂々のランキング5位につけている。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)拡大
レッドブルにとって250回目のポディウムに花を添えたのが3位でフィニッシュしたペレス(写真前)だ。過去5戦でQ3進出を逃し、スランプに陥っていたメキシコ人ドライバー。ハンガリーGPでも初日にクラッシュしてしまい心配されたが、予選ではなんとかQ3まで駒を進め9位、レースでは順調にポジションを上げて表彰台まで挽回した。今季全勝の最速マシンにしてはまだまだ本領発揮とはいえないものの、復活のきっかけをつかむ結果となったのではないか。ドライバーズチャンピオンシップではトップのフェルスタッペンに110点もの差をつけられたものの、3位アロンソとの間には32点のギャップを築いている。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)
レッドブルにとって250回目のポディウムに花を添えたのが3位でフィニッシュしたペレス(写真前)だ。過去5戦でQ3進出を逃し、スランプに陥っていたメキシコ人ドライバー。ハンガリーGPでも初日にクラッシュしてしまい心配されたが、予選ではなんとかQ3まで駒を進め9位、レースでは順調にポジションを上げて表彰台まで挽回した。今季全勝の最速マシンにしてはまだまだ本領発揮とはいえないものの、復活のきっかけをつかむ結果となったのではないか。ドライバーズチャンピオンシップではトップのフェルスタッペンに110点もの差をつけられたものの、3位アロンソとの間には32点のギャップを築いている。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)拡大

ハミルトンが通算104回目のポール、同一サーキット最多記録更新

ハンガリーGPの予選では、F1におけるサステイナビリティー(持続可能性)向上の一環として、使用するタイヤの削減を狙った試験的なタイヤ割り当て方式「ATA=Alternative Tyre Allocation」が実施された。ドライで行われる場合、通常は13セットの割り当てのところ11セットに本数を制限。さらに全20台出走のQ1ではハードタイヤ、15台に絞られたQ2ではミディアム、トップ10グリッド決めるQ3ではソフトとコンパウンドが指定される。

次のトライアルは第15戦イタリアGPで予定され、有効性が確認されれば2024年にも導入される見込みというが、当然ながら十分に走り込めなくなる状況に、ドライバーからは不満の声も聞かれた。

そのATAの影響もあってか、予選ではトップ10台が0.577秒内にひしめく大接戦に。白熱のポールポジション争いは、メルセデスのルイス・ハミルトンが0.003秒と僅差で最速タイムをマークし、2021年サウジアラビアGP以来となる通算104回目のポールポジションを獲得した。ハミルトンにとってはハンガリーで9回目のポールとなり、同一サーキットでの最多ポール記録を更新した。

2番手に続いたのはレッドブルのフェルスタッペン。アップデートしたマシンのバランスに苦慮したことで、連続ポールは「5」で途絶えた。予選3位は好調マクラーレンをドライブするランド・ノリスでポールから0.085秒遅れ、ノリスの僚友オスカー・ピアストリも4位に続いた。

アルファ・ロメオは、ジョウ・グアンユーが自身最高の5位、バルテリ・ボッタスは7位と善戦。フェラーリは1台のみがQ3に進み、シャルル・ルクレール6位。アストンマーティンのフェルナンド・アロンソ8位、レッドブルのペレスは久々のトップ10入りを果たし9位、そしてハースのニコ・ヒュルケンベルグが今季6度目のQ3進出で10位につけた。

スタート直後、ポールシッターのハミルトン(写真前列中央)のインに入るフェルスタッペン(同左)。ハンガリーで最多8勝を記録するハミルトンは予選で開眼し、特に低速コーナーを速く駆け抜け、0.003秒という僅差でフェルスタッペンをポールの座から引きずり下ろした。ハミルトンにとっては2021年サウジアラビアGP以来となる久々の予選P1で喜びを爆発させていたのだが、レースになると状況は一変してしまう。ホイールスピンが多く早々に4位に後退、一時は5位まで順位を落とすほどペースは思わしくなく、最終的に表彰台を逃し4位でフィニッシュした。昨年のポールシッター、ジョージ・ラッセルは、予選でトラフィックにつかまりQ1敗退の18位、レースでは12ものポジションアップに成功し6位だった。(Photo=Mercedes)
スタート直後、ポールシッターのハミルトン(写真前列中央)のインに入るフェルスタッペン(同左)。ハンガリーで最多8勝を記録するハミルトンは予選で開眼し、特に低速コーナーを速く駆け抜け、0.003秒という僅差でフェルスタッペンをポールの座から引きずり下ろした。ハミルトンにとっては2021年サウジアラビアGP以来となる久々の予選P1で喜びを爆発させていたのだが、レースになると状況は一変してしまう。ホイールスピンが多く早々に4位に後退、一時は5位まで順位を落とすほどペースは思わしくなく、最終的に表彰台を逃し4位でフィニッシュした。昨年のポールシッター、ジョージ・ラッセルは、予選でトラフィックにつかまりQ1敗退の18位、レースでは12ものポジションアップに成功し6位だった。(Photo=Mercedes)拡大

フェルスタッペンがトップ、ハミルトンは4位にドロップ

今季10戦で負けなし、昨年の最終戦から11連勝中のレッドブルがハンガリーGPでも勝てば、1988年のマクラーレン・ホンダの記録を抜き、12連勝というレコード樹立となる。久々のポールに士気高まる7冠王者ハミルトンが、大記録の更新を阻止するのか──しかし、フェルスタッペン&レッドブル一強に風穴を開けるような力と速さは、他の誰も持ち合わせていなかった。

70周レースのスタートでトップに立ったのはフェルスタッペン。2位ピアストリ、3位ノリスと続き、ホイールスピンにより出遅れたハミルトンは4位に順位を落とした。ハミルトンは無線でチームに謝るも、どのみちこの日のメルセデスには、トップ争いができるほどのペースはなかった。

首位フェルスタッペンは、早々にDRS圏外の1秒以上のリードを築き、タイヤをいたわりつつ快調に飛ばした。2位ピアストリはルーキーであり、百戦錬磨のハミルトンに比べれば脅威ではなかった。

17周目に4位を走っていたハミルトンがピットに入り、ミディアムタイヤからハードに換装。これに反応し、翌周には3位ノリス、19周目には2位ピアストリもハードに履き替えた。スタートでチームメイトに出し抜かれたノリスは、タイヤ交換直後のラップを瞬足で走り抜け、ピアストリの前に出ることに成功した。

24周目、フェルスタッペンがミディアムからハードに変更すると、順位は1位フェルスタッペン、2位ノリス、3位ピアストリとなり、4位ハミルトンはフェルスタッペンからすでに20秒近くも離され、後ろから追い上げてきた5位ペレスに注意を傾けなければならなかった。

ハンガリーGPでフェラーリは中団に埋もれ、シャルル・ルクレール(写真)7位、カルロス・サインツJr.は8位でレースを終えた。予選では2台で明暗が分かれ、Q2最後にルクレールがタイム更新しQ3進出となった一方、そのおかげでサインツJr.は11位に下がってしまった。サインツJr.にとっては、2021年サウジアラビアGP以来となる久々のQ2敗退となった。レースでは、ルクレールがピットストップで手間取り、ピットレーンでのスピード違反による5秒ペナルティーを受けるなど慌ただしい展開に。サインツJr.はソフトタイヤを履いてスタートしたものの、特筆すべき活躍なく終わった。(Photo=Ferrari)
ハンガリーGPでフェラーリは中団に埋もれ、シャルル・ルクレール(写真)7位、カルロス・サインツJr.は8位でレースを終えた。予選では2台で明暗が分かれ、Q2最後にルクレールがタイム更新しQ3進出となった一方、そのおかげでサインツJr.は11位に下がってしまった。サインツJr.にとっては、2021年サウジアラビアGP以来となる久々のQ2敗退となった。レースでは、ルクレールがピットストップで手間取り、ピットレーンでのスピード違反による5秒ペナルティーを受けるなど慌ただしい展開に。サインツJr.はソフトタイヤを履いてスタートしたものの、特筆すべき活躍なく終わった。(Photo=Ferrari)拡大
F1で8勝をあげたリカルドの復帰で注目を集めたアルファタウリ。今季これまでチームをけん引し2点を獲得していた角田裕毅(写真)にとっても正念場来るといったところだ。しかし、初日に新型のフロントウイングを壊したことで旧型を装着し戦わざるをえなかったことも影響し、予選ではリカルドに0.013秒という僅差で敗れ、キャリアで初めて4戦連続Q1敗退を喫し17位。リカルドが13番グリッドと好位置を獲得したこともあり、チームの先輩格として悔しさをにじませていた。レースではスタートタイヤにソフトを選択し11位に上がるも、10周目の最初のピットストップでタイヤ交換に手間取りタイムロス。さらにハードタイヤでのスティントで順位を落としてしまい15位だった。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)
 
F1で8勝をあげたリカルドの復帰で注目を集めたアルファタウリ。今季これまでチームをけん引し2点を獲得していた角田裕毅(写真)にとっても正念場来るといったところだ。しかし、初日に新型のフロントウイングを壊したことで旧型を装着し戦わざるをえなかったことも影響し、予選ではリカルドに0.013秒という僅差で敗れ、キャリアで初めて4戦連続Q1敗退を喫し17位。リカルドが13番グリッドと好位置を獲得したこともあり、チームの先輩格として悔しさをにじませていた。レースではスタートタイヤにソフトを選択し11位に上がるも、10周目の最初のピットストップでタイヤ交換に手間取りタイムロス。さらにハードタイヤでのスティントで順位を落としてしまい15位だった。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)
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フェルスタッペン7連勝、レッドブル12連勝で新記録樹立

43周目、ハミルトンを抜きあぐねいていた5位ペレスがピットに飛び込み、同時に3位ピアストリもタイヤ交換を実施。45周目には2位ノリスもピット作業を済ませた。

その後、ピアストリの真後ろにつけたペレスは、47周目にマクラーレンをオーバーテイクすることに成功。50周目にハミルトン、52周目にフェルスタッペンがそれぞれ2度目のタイヤ交換を済ませると、1位フェルスタッペン、2位ノリス、3位ペレス、4位ピアストリ、5位ハミルトンというオーダーとなった。

歓喜のポールからポディウム圏外に脱落したハミルトン。それでも57周目にピアストリから4位の座を奪い、ルーキーに敗北するという屈辱を味わうことはなかった。2位ノリスには3位ペレスが迫り、残り10周でギャップは3.2秒となったものの、最後の最後にノリスが踏ん張りポジションを守り切った。

フェルスタッペンはノリスに33秒ものリードを築き、ファステストラップも奪って完勝。これで5月のマイアミGPから7連勝、チャンピオンシップのリードは110点にまで拡大し、もはや誰も届かないであろう孤高のポジションに到達してしまった。

そしてレッドブルは、前人未到の12連勝を記録。35年間破られることのなかったレコードの更新に、スランプに陥っていたペレスの3位表彰台といううれしい結果もついてきた。またチームとしては、250回目のポディウムフィニッシュを記録したことになった。

そして、いっそう高らかな歓喜の声があがったのがマクラーレンだ。ノリスは2戦連続で2位と健闘。ピアストリもルーキーながら大きなミスをすることもなく5位でゴールし、コンストラクターズランキング5位のチームは、6位アルピーヌに40点もの大差をつけることができた。レッドブルがシーズンを席巻している2023年シーズン前半戦だが、その後方では群雄割拠の様相を呈している。

次の第13戦ベルギーGP決勝は、7月30日に行われる。

(文=bg)

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