『webCG』より新年のごあいさつ
2024.01.01 自動車ニュース日ごろより『webCG』をご覧いただき、ありがとうございます。
皆さまに、謹んで新年のご祝詞を申し上げます。
旧年を振り返ると、トヨタの「プリウス」に「アルファード/ヴェルファイア」、ベストセラーの「ホンダN-BOX」、そのライバルの「スズキ・スペーシア」と、各社にとって重要な車種が多数モデルチェンジする一年となりました。とくに軽の2モデルについては、月に1万台、2万台とさばけるまさに量販車種。またアル/ヴェルは、今や送迎にも重宝されるハイヤーの定番です。2023年デビュー組の新人は、少しずつ、あなたの街の景色も変えていくことでしょう。
加えて2023年には、業界内であいさつの常とう句だった「コロナ禍」や「半導体不足」「サプライヤーの混乱」などの諸問題が解消に向かい、あきれるほどの納車待ちも、一部を除いて収束し始めました。経済的対価を払えば普通にクルマが買える。そんな当たり前の回復へ向け、曙光(しょこう)が差した一年だったといえるでしょう。
一方で、当たり前ではいけないことが当たり前に行われていた事実も、明るみとなりました。大手中古車販売会社による保険金の不正申請、そしてなにより、年の瀬に全容が明らかとなったダイハツ工業の認証不正問題です。スバル、日産、スズキ、マツダの検査データ不正問題が業界を揺さぶってから、はや5年。改革を誓ったはずの日本の自動車産業に、いまだに残っていた膿疱(のうほう)が各界に衝撃を与えました。この国の“ものづくり”の信頼回復のためにも、ダイハツはもちろんのこと、複数の傘下企業で不正が発覚したトヨタグループには、一刻も早く健全な体質を取り戻してほしいと願う次第です。
また海外に目をやると、羽振りのよい話題を振りまいていたEV(電気自動車)マーケットが新しい局面を迎えようとしています。その兆候は挙げればきりがありませんが、フォルクスワーゲンやフォードの減産/新規計画縮小が報じられ、GMとホンダが次世代戦略の見直しを迫られた一方で、BYDはハンガリーでの新工場開設を発表。“青”から“赤”に変わろうとする市場の海で、激しいパイの奪い合いが始まることが如実に感じられました。ホームや得意先のマーケットを守ろうとする既存のメーカーと、外貨獲得のため後には引けない中国系メーカーとの競争は、2024年には世界各地で見られるようになるかもしれません。
翻ってわが国の事情を見ると、そんな難しい局面を前に、自動車業界の“顔役”が変わることも2024年のトピックといえるでしょう。5年にわたり日本自動車工業会(JAMA)を指揮してきた豊田章男会長が退任し、この1月1日をもって、新会長にいすゞの片山正則会長が就任しました。厳しさを増す世界との折衝をどのように乗り切るか。「毎年やりたい」と豊田前会長が言い残したジャパンモビリティショーはどうするつもりなのか? 籍は商用車メーカーという異例のJAMA会長の手腕を、注視していきたいと思います。
もちろん、「トヨタ・ランドクルーザー“250”」に「ホンダ・アコード/N-VAN e:」「マツダCX-80」「スバル・フォレスター」と、早くもめじろ押しとなりそうな2024年の新車情報も、漏れなくお届けしていく所存。本年も変わらぬご支援を賜りますよう、なにとぞ、よろしくお願い申し上げます。
(2024年 元旦/webCGスタッフ一同)