フォルクスワーゲンID. Buzzプロ ロングホイールベース(後編)
2025.12.25 あの多田哲哉の自動車放談 ありそうでなかった、ミニバンタイプの電気自動車「フォルクスワーゲンID. Buzz」。ようやく日本の道を走り始めた実車に触れて、元トヨタのエンジニアである多田哲哉さんは、どんなことを感じたのか?いったい誰が、どう使うのか?
コンセプトカーの時代から気になっていたというID. Buzzに試乗した多田さんは「ジャーナリストの皆さんもインプレッションを伝えているように、ステアリングを切った時の応答や乗り心地などは非常に洗練されていて、3t近い重量をうまく手なずけられています。例えばトヨタの『アルファード』などと比較しても、ドライバーズカーとしてははるかに優秀で、さすがはEVの経験も積んでいるフォルクスワーゲンだと思いました」と語る。
こうしてID. Buzzの乗り味に感心する多田さんだが、その表情はなぜかさえない。
「ただ、乗り終わってよくよく考えてみると、こういうクルマが、ここまで気持ちいいドライバーズカーである意味があるのか、という疑問はどうしても残ります」
「というより、このクルマはそもそも、どういうお客さんが買うのか。実際に乗っても具体的にイメージしにくいのが正直なところです」
ふむふむ。
「2列目、3列目も無駄に思えるほど広くて、これならシートを4列にしても成立するのではないかと思ったほどです。インテリアにアルファードのようなゴージャスさはなく、初代『ワーゲンバス』を思わせるシンプルなデザインを意図しているのは明らかです。こういう雰囲気が、初代を知らない若い人にはたまらないんだろうな、とも想像できます」
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