F1ドライバーの理想を実現! アストンマーティンが限定モデル「ヴァリアント」を日本初公開

2024.08.09 自動車ニュース 堀田 剛資
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アストンマーティン・ヴァリアント
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アストンマーティン ジャパンは2024年8月9日、少量生産のスペシャルモデル「Valiant(ヴァリアント)」を日本初公開した。

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F1ドライバーの理想を実現! アストンマーティンが限定モデル「ヴァリアント」を日本初公開の画像拡大
 
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ヘッド・オブ・Q・スペシャルプロジェクトセールスのサム・ベネット氏。
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サム・ベネット氏と「アストンマーティン・ヴァリアント」。
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きっかけはフェルナンド・アロンソ選手の要望

アストンマーティン・ヴァリアントは、公道走行を可能としつつもサーキット走行に軸足を置いた、38台限定のハイパフォーマンスモデルである。その車名は、「勇敢な、勇気のある」という意味の英語に由来する。

アストンマーティンでは、2023年に創業110周年を記念したスペシャルモデル「ヴァラー」を110台限定でリリースしていた。これに対し、アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チームのフェルナンド・アロンソ選手から「軽量で過激さを増した、レーシングカーの要素を取り入れたヴァラーが欲しい」という要望があったことから、ヴァリアントのプロジェクトがスタート。開発を担ったのはビスポークサービスや「ヴィクター」のようなワンオフモデル/スペシャルモデルの製作を担うQ by Aston Martin部門で、ハイパーカーやレースカーのノウハウを取り入れつつ、シルバーストーンサーキット内の同社のテストコース、ストウを走り込んで性能を仕上げたという。

より軽量なボディーにより強力なエンジンを搭載

エンジンは5.2リッターV12ツインターボで、最高出力745PS、最大トルク753N・mと、ヴァラーのものより30PS高いパワーを発生。組み合わされるトランスミッションは6段MTとなっており、操作時に最大限の満足感が得られるようコントロールウェイトを磨き上げたという。

ボディーについても、伝説のルマンカー「Muncher(マンチャー)」をモチーフにしたという意匠は受け継ぎつつ、高い動力性能を実現するためにヴァラーから大きくつくり変えられた。パネル類はすべて軽量なカーボンファイバー製で、専用設計の空力パーツにより「V12ヴァンテージ」のおよそ2倍ものダウンフォースを実現。21インチの軽量鍛造マグネシウムホイールに直接装着されるエアロディスクも、空力性能の向上に寄与しているという。

軽量化も徹底しており、3Dプリンターによって製作したリアサブフレームにより、剛性を落とすことなく3kg重量を軽減。マグネシウム製トルクチューブ(-8.6kg)やモータースポーツ仕様のリチウムイオンバッテリー(-11.5kg)、上述のマグネシウムホイール(-14kg)等の採用もあって、車両全体ではおよそ95kgの軽量化を実現した。

さらに足まわりでは、マルチマティック社製アダプティブスプールバルブ(ASV)ダンパーの装備により、最上級カテゴリーのモータースポーツでしか見られないような、緻密で幅の広いダンピングおよびオペレーション制御を実現。ブレーキにはフロント:φ410mm×38mm、リア:φ360mm×32mmのカーボンセラミックディスクを採用しており、「フェード知らずの強力な制動力を発揮する」(報道資料より)という。

インテリアや操作系も、各所が同車専用に仕立てられている。例えばアルカンターラ巻きのステアリングホイールには、純度の高い操舵フィールを実現すべく、スイッチなどを完全に排した真円タイプのものを採用。Hパターンのシフトセレクターには重み、感触を吟味した球形のシフトノブを用いており、センタートンネルはリアへと伸びるリンケージの動きが見られる(ヴァリアントはトランスアクスルレイアウトなので、トランスミッションがリアに搭載される)、スケルトンタイプの構造としている。バケットタイプのシートはレカロ社製の「Podium(ポディウム)」で、やはりビスポークのトリムを採用。シート後方には4点レースハーネス装着時にアンカーポイントとしても機能する、スチール製のハーフケージが装備される。

クルマの出来にはアロンソ選手も大満足

日本でのお披露目に際しては、ヘッド・オブ・Q・スペシャルプロジェクトセールスのサム・ベネット氏が来日。車両の特徴について解説するとともに、「フェルナンド・アロンソ選手からの要望は、いわばアストンマーティンへの“挑戦状”だった」「アロンソ選手と私たちのテクニカルディレクター、ロベルト・フェデリとの間に生まれた相乗効果で、クルマが進化していった」と開発時の逸話を披露した。

ベネット氏の説明によると、ヴァリアントの開発において想定したサーキット走行と公道走行の比重は9:1。アロンソ選手がこだわった点はとにかくドライブフィールで、テストチームとの明確なコミュニケーションにより、彼の好みを反映したクルマをつくることができたという。車両は2024年の「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」で世界初公開され、ヒルクライムコースでのデモランを行ったアロンソ選手は、終始笑顔で豪快にタイヤスモークを巻き上げていたとのことだ。

販売台数は上述のとおり38台で、「アロンソ選手の個体はさらなるカスタマイズを施した特別仕様なのですが、ギフトではないので彼にもお金を払って購入してもらいました」とのこと。残りの37台もすでに売約済みで、そのなかには日本の顧客も含まれているという。デリバリーは、2024年第4四半期に行われる予定だ。

(webCG)

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