フォルクスワーゲン・ゴルフTDIアクティブ アドバンス(後編)
2025.08.07 あの多田哲哉の自動車放談 トヨタを含む世界の自動車メーカーは、なぜ“お手本”「ゴルフ」をしのぐ製品をつくれないのか。ベテラン開発者である多田哲哉さんが、フォルクスワーゲンのクルマづくりの秘密について語る。真の“万人向け”のすごみ
「どこかが飛び抜けているわけではないのに、すべてにバランスがとれているのがフォルクスワーゲンの真骨頂」と語る多田さんは、最新のゴルフも「レーダーチャートすると、突出している部分もないかわりにへこんでいる部分もありません」と高く評価する。
そういうクルマづくりは、言ってみれば多田さんの古巣であるトヨタの「カローラ」も同じだ。でも多田さんの評価はゴルフのほうが高い。ゴルフは“カローラの上位互換”ということか?
「あはは、いい表現ですね。ある意味では、そのとおりかもしれません。カローラに限らず、世界中のファミリーカーは、簡単に言うとゴルフみたいなクルマを目指しています」
「“万人向け”という言葉は、こと日本の自動車メディアでは悪い意味で使われることが多いですが、すべてが平均点以上というのは、ファミリーカーにとってものすごく価値のあることです」
初代カローラで有名な「80点主義」という開発目標も、いつしか「すべてを平均点でよしとする面白みのないクルマ」を揶揄(やゆ)する言葉とねじ曲げられてしまったが、カローラが掲げた本来の意味は「すべての評価項目が80点以上で、そのいくつかは90点を超えなければ魅力的なクルマにならない」という、すさまじく高次元の目標だった。
「このゴルフは後席も座面の高さがしっかり確保してあって、前席との高低差も明確につけられています。これなら後席からの視界も確保されて、クルマ酔いもしにくいと思います。最近のトヨタはこういうところも乱れてきていて、空力やデザインのために後席を平気で下げたりして、後席に乗っていると気持ち悪くなります。和田さんが健在だったら、こんなことは許されなかったでしょう」
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