廃タイヤから新品を ブリヂストンが水平リサイクルへの取り組みを推進【ジャパンモビリティショー2025】

2025.10.30 自動車ニュース webCG 編集部
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ブリヂストンが推進する水平リサイクル「EVERTIRE INITIATIVE(エバータイヤイニシアチブ)」によって製造されたコンセプトタイヤ。
ブリヂストンが推進する水平リサイクル「EVERTIRE INITIATIVE(エバータイヤイニシアチブ)」によって製造されたコンセプトタイヤ。拡大

ブリヂストンは2025年10月30日、「ジャパンモビリティショー2025」(会期:11月9日まで)の会場でプレスカンファレンスを開催。廃タイヤを新しいタイヤに生まれ変わらせる水平リサイクル「EVERTIRE INITIATIVE(エバータイヤイニシアチブ)」への取り組みを発表した。

「エバータイヤイニシアチブ」のコンセプトタイヤ。回収カーボンブラックや、再精製されたオイルによってつくられた合成ゴムを用いて製造される。
「エバータイヤイニシアチブ」のコンセプトタイヤ。回収カーボンブラックや、再精製されたオイルによってつくられた合成ゴムを用いて製造される。拡大
「エバータイヤイニシアチブ」で製造されたコンセプトタイヤのトレッド面。
「エバータイヤイニシアチブ」で製造されたコンセプトタイヤのトレッド面。拡大
「ジャパンモビリティショー2025」のブリヂストンブースで「エバータイヤイニシアチブ」のコンセプトタイヤを紹介した同社の材料開発統括部門長 大月正珠氏。
「ジャパンモビリティショー2025」のブリヂストンブースで「エバータイヤイニシアチブ」のコンセプトタイヤを紹介した同社の材料開発統括部門長 大月正珠氏。拡大
ブリヂストンブースに展示された「月面探査車用タイヤ」。
ブリヂストンブースに展示された「月面探査車用タイヤ」。拡大
空気充てんが要らない次世代タイヤ「AirFree」を装着したバスタイプのグリーンスローモビリティー「Boule Baas(ブールバース)」。
空気充てんが要らない次世代タイヤ「AirFree」を装着したバスタイプのグリーンスローモビリティー「Boule Baas(ブールバース)」。拡大
「AirFree」は、タイヤの中に充塡(じゅうてん)される空気の代わりに側面の青色スポークが荷重を支える。
「AirFree」は、タイヤの中に充塡(じゅうてん)される空気の代わりに側面の青色スポークが荷重を支える。拡大

水平リサイクルとは、使用済みの製品を原料とし、再び同様の製品を製造するリサイクルの手法をいう。ブリヂストンが掲げるエバータイヤイニシアチブは、廃タイヤを回収し原材料化。新たなタイヤとして製品化するというもの。

タイヤは天然ゴムや合成ゴムのほか、強度を補強するためのスチール素材やカーボンブラックといった化石燃料由来の原材料に加え、シリカなどの天然物質、ナイロンやポリエステルといった化学繊維、加硫剤などの薬品を含む100種類を超えるさまざまな原料が複雑に組み合わさり製品化されている。そのため、水平リサイクルは難しいとされてきた。

ブリヂストンはENEOSとともにタイヤの水平リサイクルにチャレンジ。ブリヂストンが精密熱分解技術を用いてタイヤを回収カーボンブラックとタイヤ分解油に分離し、ENEOSはタイヤ分解油からナフサなどのリサイクルオイルを精製する。リサイクルオイルはブタジエンなどに変換後、合成ゴムに生まれ変わる。これらの回収カーボンブラックや合成ゴムを用いてブリヂストンが新しいタイヤを製造する。

ジャパンモビリティショー2025のブリヂストンブースでは、このエバータイヤイニシアチブによって製造されたコンセプトタイヤを公開。2025年10月21日には同社の岐阜・関工場内に「使用済みタイヤの精密熱分解パイロット実証プラント」の建設も始まり、2027年の稼働を予定している。

プレスカンファレンスでエバータイヤイニシアチブのコンセプトタイヤを紹介したブリヂストンの材料開発統括部門長 大月正珠氏は、「今後もタイヤの水平リサイクルの実現を目指し、本気で技術開発・実証に取り組んでいきます」と、抱負を述べた。

(webCG)

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