BYDシーライオン6(FF)
乗ってけドロボー! 2026.03.06 JAIA輸入車試乗会2026 “中国の新興ブランド”BYDにあこがれは抱かずとも、高コスパの評判が気になる人は多いだろう。では、日本に初導入されたプラグインハイブリッド車(PHEV)のデキは? 初めて触れたwebCGスタッフがリポートする。それは破格の全部乗せ
「ありかも」。BYDシーライオン6を目の前にして、人気女優・長澤まさみがBYDのCMで口にする、あのフレーズが浮かんでくる。
なにせリッパだ。全長×全幅×全高=4775×1890×1670mmと、けっこう大柄だし、水から上がったアシカ(sea lion)のような、つやつやボディーが目にまぶしい。
車内はさらに印象的で、いかにも「おカネがかかっている」気がする。手の触れるところはほとんどがソフトな表皮で覆われていて、シートの合皮も上質だ(ヒーター&ベンチレーション付き!)。ディスプレイは大画面(15.6インチ!)。非接触充電トレー(2つもある!)やUSBソケット(タイプA・タイプC併設!)、さらにパノラマサンルーフ(開閉も可能!)が当たり前のように備わり、運転支援システムも充実している。
そして、広い。筆者が小柄(身長163cm)なこともあるけれど、後席に座ればひざ前には実測25cmのクリアランスができて、足が組める。フロアが平らで中央席までキッチリ使えるのもうれしい。後方の荷室は幅95-120cm×奥行き90cmとゆとりがあって、後席を倒せば185cmまでの長尺物にも対応できる。その際、床面はわずかに傾斜するが、車中泊でも問題のない“ほぼフラット”状態。メジャー片手にちくちくチェックしたところで、商品力の高さにあきれるばかりだ。こんな装備満載のPHEVが、400万円以下(FF車/398万2000円)で買えていいのか。
4WD車は? 448万8000円である。購入者の多くが比較検討するという「三菱アウトランダーPHEV」は最廉価グレード(4WDの5人乗り)でも80万円高だし、装備が同等の国産SUV勢と比べるなら、だいたい100万~150万円は安いといわれる。アドバンテージの大きな要因は、自社開発のバッテリーだ。
いざ乗ってみれば、2t近い車重のせいか、加速力をはじめ動力性能にさほど驚きはなかった。「スーパーハイブリッド」なんていう割には普通、というのが実感。でも、それで不都合があるわけじゃなし、多くの人が引かれるのは「約100kmEV走行できて」「満タン・満充電で1200km航続可能」というスペックのほうだろう。「ね、ありでしょう?」と、人気女優(の幻想)も耳元でささやいている。
「車体の大きさで、駐車場が気になりますか? 2026年内にはコンパクトカーやワゴンのPHEVもラインナップに加わりますよ」と、妄想ではないリアルな説明スタッフが続ける。あぁ、長澤まさみのセリフじゃないが、「やりますな、BYD」。このコスパで攻め続けるなら、いつかユニクロやニトリ、シャトレーゼのごとく、電動車の覇者になりうる……かも。
(文=関 顕也/写真=峰 昌宏/編集=関 顕也)
【スペック】
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4775×1890×1670mm/ホイールベース:2765mm/車重:1940kg/駆動方式:FF/エンジン:1.5リッター直4 DOHC 16バルブ/モーター:交流同期電動機/エンジン最高出力:98PS(72kW)/6000rpm/エンジン最大トルク:122N・m(12.4kgf・m)/4000-4500rpm/モーター最高出力:197PS(145kW)/モーター最大トルク:300N・m(30.6kgf・m)/タイヤ:(前)235/50R19 99V XL/(後)235/50R19 99V XL(ジーティー・ジーティー コントロールP10)/ハイブリッド燃料消費率:22.4km/リッター(WLTCモード)/EV走行換算距離:100km(WLTCモード)/交流電力量消費率:153Wh/km(WLTCモード)/価格:398万2000円

関 顕也
webCG編集。1973年生まれ。2005年の東京モーターショー開催のときにwebCG編集部入り。車歴は「ホンダ・ビート」「ランチア・デルタHFインテグラーレ」「トライアンフ・ボンネビル」などで、子どもができてからは理想のファミリーカーを求めて迷走中。
-
ボルボEX30プラス シングルモーター(RWD) 2026.4.10 クロスオーバータイプのボルボの電気自動車「EX30」に、新しいエントリーグレード「プラス シングルモーター」が登場。JAIA輸入車合同試乗会で触れた、航続距離390kmの控えめな新顔は、見ても乗っても、とっても良質なクルマに仕上がっていた。
-
メルセデス・ベンツG580 with EQテクノロジー エディション1(4WD) 2026.4.9 みんな大好き「Gクラス」がまさかの電気自動車に! 4つのタイヤを4つのモーターで動かす「メルセデス・ベンツG580 with EQテクノロジー」に試乗。ドイツの驚異のテクノロジーが生んだ電気仕掛けのバケモノマシンに、webCG編集部員が感じたこととは?
-
アウディA6スポーツバックe-tronパフォーマンス(RWD) 2026.4.3 エアロダイナミクスを追求したエクステリアデザインと、未来的で上質感あふれるインテリアや装備の融合がうたわれるアウディの電気自動車「A6スポーツバックe-tronパフォーマンス」。その走りに感心する一方で、気になるポイントも発見した。
-
MINIクーパー コンバーチブルS(FF/7AT) 2026.4.2 JAIA輸入車試乗会で「ディフェンダー」の次に乗り込んだのは新型「MINIクーパー コンバーチブルS」。重厚でタフな世界から一転、屋根を全開にして走りだせば、飛ばさなくても笑みがこぼれる、幸せな時間が待っていた。
-
BMW 525LiエクスクルーシブMスポーツ(FR/8AT) 2026.3.27 中国からやってくる「BMW 5シリーズ ロング」はなんとも不思議な存在だ。全長を5175mmまで拡大した後席主体のクルマかと思えば、運転してみても軽快かつ痛快。ポジションはちょっと地味ではあるものの、後世になって「隠れた名車」として評価が高まりそうな予感がする。
-
NEW
写真で解説する「フィアット・グランデパンダ」
2026.10.16画像・写真ステランティスが「フィアットブランドの大きな柱のひとつとなる重要なモデル」と位置づける「グランデパンダ」が日本上陸。その具体的な見どころを、写真とともに解説する。 -
NEW
フィアット・グランデパンダ ハイブリッド ラプリマ(FF/6AT)【試乗記】
2026.10.16試乗記欧州を代表するコンパクトカーの一台である「フィアット・パンダ」が第4世代に進化。新たに「グランデパンダ」を名乗り、日本にやってきた。ずばり新型の見どころは車両の随所にちりばめられた初代モデルへのオマージュである。上位グレード「ラプリマ」の仕上がりをリポートする。 -
NEW
スズキの未来を徹底検証! 技術戦略説明会から“10年先のスズキの姿”を夢想する
2026.10.16デイリーコラム年間生産500万台で、Dセグメントまでカバーする巨大メーカーに!? スズキが発表した「10年先を見据えた技術戦略2026」を徹底検証。技術開発に製品開発、インドを核としたグローバル戦略などの中身を通して、「10年先のスズキの姿」を予想した。 -
賢い選択 ――キャデラック「LYRIQ」フラットプランのすゝめ――
2026.10.15投資家も太鼓判! 「キャデラック・リリック」×フラットプランという最適解<AD>クルマが変わり、時代も変われば“持ち方”だって変化する? お金のプロである投資家が、「キャデラック・リリック」の残価保証型リースを勧める理由とは? 夢の「2台持ち」をかなえる、最新電気自動車の賢い選び方を考えた。 -
間もなく正式発表 ミツオカの新型2シータースポーツカー「LA1」を予測する
2026.10.15デイリーコラム光岡自動車が2026年11月26日に正式発表を予定しているアメリカンスタイルの新型2シータースポーツカー「LA1」。現在公開されているLA1の画像とティーザーサイトに掲載された情報から、その特徴を分析する。 -
「BYDラッコ」「スズキeスカイ」登場で卍どもえに 軽乗用BEVの覇権はどこが握る?
2026.10.14デイリーコラムこれまで「日産サクラ/三菱eKクロスEV」と「ホンダN-ONE e:」のみだったところに「BYDラッコ」と「スズキeスカイ」が加わり、軽BEV市場がにわかに盛り上がりを見せている。どれもほぼ同じ床面積を持つBEVだが、比べてみるとその中身は結構違う。今後の覇権を握るのはどの陣営か。






