政情不安で原油高 そんな時代に選ぶべきはBEV? HV? ガソリン車?
2026.04.08 デイリーコラムやっぱり電気は難しい
先日、テレビニュースを見ていて驚いた。いま香港では、ガソリンがリッター600円以上するという!
イラン戦争開始直後、日本でもレギュラーガソリンがリッター200円前後まで高騰し、「史上最高値!」と悲鳴が上がっていたが、香港はその3倍以上。その主な理由は、バカ高いガソリン税(もちろん補助金なんてナシ)や地価の高騰によるスタンド運営コストの増大だそうです。
いやー、日本のドライバーはまだまだ恵まれてるんだな~、と思いつつ、仮に日本でもガソリンがリッター600円になったら、さすがに純ガソリン車はキツい選択になってきそうだ。可能性はゼロじゃない。将来を見据えたうえで、いま買うべきは、電気自動車(BEV)? ハイブリッド車(HV)? それともやっぱり純ガソリンエンジン車?
個人的にはですね、HVかディーゼルが本命で、場合によっては純ガソリンもアリ。BEVは「お好きならどうぞ」という答えになる。
BEVがオススメの最下位なのは、カーマニアゆえです。なにせBEVは趣味性が薄い。自宅での普通充電のみで走るなら、燃料コストは断然安いけど、外で急速充電するとHVと大差なし。日本の電力は約7割が火力なので、原油価格(や原油価格に連動するLNG価格)が上がれば、いずれ電気代も上がる。ガソリンだけが高騰して電気はそのままってことは、基本的にはありえない。
将来の技術革新を見据えても、いまBEVを買うのはためらわれる。数年後には、現在のBEVは全部時代遅れになっている可能性があるので。そんなこと言ってたら、いつまでたってもBEVを買えませんけど、いまBEVを買うためには、あんまり距離を乗らないとか、性能は今くらいで十分とか、ある種の「見切り」が必要で、ゆえに最も難易度が高いのではないだろうか。だからあんまり売れてないんだけれど。
ハイブリッドもディーゼルも狙い目
純ガソリン車の購入に関しては、これまたある種の見切りが必要だ。代表的なのが軽である。軽はすべて純ガソリン車(マイルドハイブリッドは純ガソリン車と見なします)だけれど、燃費はフルHV並み。性能も必要にして十分。バリエーションも豊富。「軽でいい」という見切りができるなら、文句なしにオススメだ。
純ガソリンの登録車は、趣味車か軽自動車的な実用車のどっちかですね。趣味車は趣味車なので、槍(やり)が降っても関係ない。ガソリン価格がリッター1000円になったって、「シビック タイプR」はタイプRじゃないとダメだ。一方実用車は、とにかくイニシャルコストを安くしたい場合です。どちらも言わずもがなですが。
そしてHV。今の日本では、これが一番無難で万人受けする選択でしょう。実際、登録車の販売台数の約6割がHVになっている。最近は、純ガソリン車を用意しないモデルも増殖中ですね。
HVは、同車種の純ガソリン車よりだいぶお値段が張りますが、下取りもそれなりに高いので、ガソリンの節約分と合算すれば、そんなに損はないはず。メカ的にも、各社工夫を凝らした独自のシステムを採用していて、それぞれに味わいがあり、マニア的にも満足できる。「プレリュード」みたいな趣味車も登場している。
もうひとつ、私がディーゼルを推しているのは、純エンジン車の魅力と経済性を両立させているからです。日本みたいに、軽油がガソリンよりも安い国は珍しい。ディーゼル乗用車は徐々に消滅に向かっていますが、トラックやバスは、当分の間ディーゼルのまま(のはず)。だから軽油の販売がなくなることはない。消滅寸前? の今こそ、ディーゼル乗用車の買い時だ! あの太いトルクと低燃費は真剣に魅力的だヨ!
え、PHEVはどうなのかって? BEVとHVのいいとこ取りじゃないかって?
確かに、ガソリンがリッター600円になっちゃったら、その間は自宅の普通充電だけでしのぐ! という危機管理ができる。長距離を走る時は、大枚はたいてガソリンを入れればヨシ。これぞダブルハイブリッド! でもまぁ、そこまで危機管理するのも気が引けるんだよねー、カーマニアとしては。
(文=清水草一/写真=トヨタ自動車、webCG/編集=関 顕也)

清水 草一
お笑いフェラーリ文学である『そのフェラーリください!』(三推社/講談社)、『フェラーリを買ふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本でただ一人の高速道路ジャーナリストとして『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社/講談社)、『高速道路の謎』(扶桑社新書)といった著書も持つ。慶大卒後、編集者を経てフリーライター。最大の趣味は自動車の購入で、現在まで通算47台、うち11台がフェラーリ。本人いわく「『タモリ倶楽部』に首都高研究家として呼ばれたのが人生の金字塔」とのこと。
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