日産エルグランドG e-4ORCE(4WD)

出足好調 2026.09.30 試乗記 高平 高輝 日産のプレミアムミニバン「エルグランド」がフルモデルチェンジ。その動力を担う第3世代の「e-POWER」は優れたドライバビリティーとともに、懸案だった高速燃費の改善もうたう。ロングドライブで進化のほどを確かめた。
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敵もさるもの

アイポイントが高く、ウィンドウ面積も大きく見晴らしがいいおかげで気がつきやすいのかもしれないが、街なかでも高速道路でもずいぶんと注目されているようで、話題の新型車であることを実感する。16年もほったらかしにしておいて突然帰ってきた昔なじみを、待ってました! と歓迎してくれていると考えるのはあまりにも都合がよすぎるが、それでも2026年8月末時点で受注9000台以上というから大したものだ。王者「アルファード/ヴェルファイア」ではなく、あえて新型エルグランドを選んでくれる人がこれほどいるということを日産は肝に銘じるべきだろう。

しかしながら、世の中はそんなありがたい応援団ばかりではない。ライバルになるかもしれないニューモデルのデビューを黙って見ているようなトヨタではない。エルグランドの発売に先立って現行型アルファード/ヴェルファイアのマイナーチェンジを実施。周波数感応式ダンパーを全車に標準装備、さらにハイブリッド車にも装備が簡潔な「G」グレードを追加するなどの手を打ってきた。もともとガソリン/ハイブリッド/プラグインハイブリッドのパワーユニットをそろえ、そのすべてにFWDと4WDを用意する幅広いラインナップを誇っていたが、ハイブリッドのGなら「E-Four」でも500万円台から手に入るというさらに隙のない布陣となった。アルヴェル合わせて月間1万台前後を売る圧倒的な強さの理由が分かろうというものだ。

いっぽうご存じのとおり、エルグランドのパワートレインは「e-POWER」のみで駆動方式も4WDの「e-4ORCE」のみ、グレードも「X e-4ORCE」と「G e-4ORCE」の2種類のみ(他に日産モータースポーツ&カスタマイズによる特装車があるがメカニズムの違いはなし)という割り切った車種構成である。Xは689.7万円、上級グレードのGは757.9万円と(最近の日産車はどうしても割高に感じられる)絞り込んだラインナップでアルヴェルに立ち向かうのは容易ではない。

新型「日産エルグランド」が発売されたのは2026年7月16日のこと。フルモデルチェンジは2010年以来だ。
新型「日産エルグランド」が発売されたのは2026年7月16日のこと。フルモデルチェンジは2010年以来だ。拡大
新型はエッジの利いたボディーの四隅が末広がりになったスタイルが特徴。先代モデルよりも大きくなったうえに、実際よりも大きく見せる効果がある。
新型はエッジの利いたボディーの四隅が末広がりになったスタイルが特徴。先代モデルよりも大きくなったうえに、実際よりも大きく見せる効果がある。拡大
今回の試乗車は2つあるうちの上位グレード「G e-4ORCE」。車両本体価格757万9000円にオプションを盛り込んだこのテスト車の価格は933万9850円にも達する。
今回の試乗車は2つあるうちの上位グレード「G e-4ORCE」。車両本体価格757万9000円にオプションを盛り込んだこのテスト車の価格は933万9850円にも達する。拡大
パワートレインは発電専用の新しい1.5リッター3気筒ターボエンジンを使う第3世代の「e-POWER」。前後に各1基ずつのモーターを搭載する4WD=「e-4ORCE」のみの設定だ。
パワートレインは発電専用の新しい1.5リッター3気筒ターボエンジンを使う第3世代の「e-POWER」。前後に各1基ずつのモーターを搭載する4WD=「e-4ORCE」のみの設定だ。拡大