「海へ行こう、山まで走ろう」〜ボルボXC60でキャンプ体験
2012.08.07 画像・写真夏キャンプを体験するため、ボルボで新潟にあるアウトドア用品メーカー「Snow Peak」のキャンプ場へ。クロスオーバーモデル「XC60」と過ごす1泊2日のキャンプ体験を写真で紹介する。(文=鈴木真人/写真=荒川正幸)
→ボルボXC60の試乗記はこちら

東京・芝公園のボルボ本社をスタートして新潟県三条市まで「XC60 T6 AWD SE」でオートキャンプ場を目指す。距離は約350km、関越道をひたすら北上する試乗コースだ。首都高速の渋滞をすぎれば交通量は少なくなり、快適なドライブ。
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東京・芝公園のボルボ本社をスタートして新潟県三条市まで「XC60 T6 AWD SE」でオートキャンプ場を目指す。距離は約350km、関越道をひたすら北上する試乗コースだ。首都高速の渋滞をすぎれば交通量は少なくなり、快適なドライブ。
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途中、長岡ICで高速を降り、越後銘酒「想天坊」の酒蔵に立ち寄る。バーベキュー用に、直売の酒を調達。夏の間酒造はお休みで、仕込みが始まるのは10月だそう。黒壁をバックに「XC60」のクーペライクなフォルムがくっきりと映える。
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すでに300kmほど走っているが、疲れはほとんどない。程よい高さの視点と、大きめで包み込まれるようなシートのおかげだろうか。ベージュのオークをあしらったフリーフローティングセンタースタックが、北欧をイメージさせていい感じ。
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山を下り田園地帯を抜けるとすぐに海岸にたどり着く。冬は荒々しい姿を見せる日本海も、夏モードでは穏やかな表情だ。ここ寺泊からは、クルマに乗ったままフェリーで佐渡島まで行ける。だから、航路はれっきとした国道の扱いなのだ。
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海岸の道沿いには、魚介類の店が立ち並んぶ。広い駐車場が完備されていて、クルマで来た観光客が海の幸をおみやげに持ち帰ることができる。店頭ではエビやイカなどの浜焼きも売っているから、小腹が減った時にちょっとつまむのもOK。
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イカが10ぱいで300円と、衝撃の価格だ。寺泊港に水揚げされた日本海の新鮮な獲物が並べられている。人気の紅ズワイガニもある。バーベキュー用にカキやサザエなどを大きな発泡スチロールの箱に詰めてもらい、広い荷室に積み込んで出発。
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再び山へと向かい、到着したのがキャンプ用具のトップブランド「Snow Peak」の本社だ。丘陵地帯に位置し、約5万坪の広い敷地に直営のオートキャンプ場が併設されている。三条のインターチェンジを降りて、クルマで約40分の距離だ。
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社屋は地上2階地下1階で、地下には工場、1階には直営店がある。工場見学ができるようになっていて、アフターサービスの修理の様子も見られる。温水の出るシャワー室が設置されていて、キャンプ客がいつでも汗を流せるようになっている。
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ショップの前にはハンモックがいくつか備えてあった。デイキャンプも受け付けているので、ふらっと立ち寄りゆらゆらと昼寝を楽しむのもいいかもしれない。社屋の周辺には、製品試験のために設置されているテントやタープがあったりする。
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自然の地形を生かしたキャンプフィールドには、見渡す限り緑が広がり、頭上には青空だけがある。12m四方のサイトを敷地内に自由に選んでテントを張ることができる。最大で100区画が用意されているが、これだけ広ければ余裕だろう。
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荷室からキャンプ用具を取り出しテントを設営する。「XC60」はやはりこういうシチュエーションが似合う。とはいえ、今回はすべて借り物。「Snow Peak」では製品をレンタルしていて、手ぶらでもキャンプを楽しむことができるのだ。
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レンタルできるのはテントや寝袋だけではなく、焚き火セットやダッチオーブンセットなどもある。気に入れば、そのまま買って帰ることも可能だ。「XC60」ならば、思わぬ大きな買い物をしても、荷室には十分なスペースがあるから安心。
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丘陵の地形そのままのフィールドなので、適度なアップダウンがあって起伏に富んでいる。テントの設営にはそれなりの腕が必要になるが、のっぺりした平面では得られない景観が広がるのだ。夜になれば、満天の星空を仰ぐことになる。
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「XC60」は悪路を走破することを目的としたクルマではなく、都会から遠くにある海や山を目指すための実用的なツールだ。自然の中でキャンプを楽しむぜいたくは、自動車という便利で安全な乗り物のおかげであることを、実感する。
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寺泊で仕入れたカキを、炭火で焼いて食す。イカもエビも小魚も、シンプルに焼いただけで十分にうまい。日本海でとれた海の幸には、新潟の水で醸された酒がピタリと合う。ほろ酔い、満腹で寝袋にもぐりこみ、目覚めればさわやかな朝だ。
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広いショップフロアには、「Snow Peak」の全アイテムがそろう。キャンプ用品だけでなく、ガーデン用品やライフスタイル雑貨、さらにはアパレルまでが並べられている。キャンプ客用に、お酒や食べ物まで用意してあって、とても便利。
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三条市は古くからの金物の町で、ショップでは地元産の金属製品を多く扱っている。そもそも「Snow Peak」は金物問屋が原点なのだ。チタン製のマグカップも三条市の製品で、驚くほど軽い。ほかにもナイフから爪切りまで地元産品が並ぶ。
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もちろん、キャンプ用具の品揃えは素晴らしい。寝袋だけとっても、夏用、冬用はもちろん、さまざまなタイプがそろっている。決して安くはないが、万一破れてしまった時には、地下にある工場で専門の職人が丁寧に修理してくれるのだ。
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キャンプ場がオープンしているのは夏だけではない。冬は一面の銀世界となるが、雪上キャンプも可能なのだ。スノーモービルで走り回れるというから楽しそう。AWDの「XC60」なら、雪の山道でも安心してここまで来ることができるだろう。
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800kmを超える長旅だったが、「XC60」はタフで、乗員も疲れ知らずだった。生まれ故郷の北欧ならば、フィヨルドを縫って北へ走るのだろうか。そんな風土が、ロングドライブを楽しみながら安全に移動するクルマを生んだのかもしれない。