
去る2014年4月20日に静岡県沼津市のニューウェルサンピア沼津で開かれた「日野コンテッサ1300」と「ルノー8ゴルディーニ1100」の生誕50周年記念合同ミーティング。16台のコンテッサ1300と5台のR8ゴルディーニ、ほかアルピーヌなどを合わせて約30台が集まった。
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去る2014年4月20日に静岡県沼津市のニューウェルサンピア沼津で開かれた「日野コンテッサ1300」と「ルノー8ゴルディーニ1100」の生誕50周年記念合同ミーティング。16台のコンテッサ1300と5台のR8ゴルディーニ、ほかアルピーヌなどを合わせて約30台が集まった。
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1946年に登場した「ルノー4CV」。モノコックの4ドアセダンボディーのリアに、760cc(50年から748cc)の直4 OHVエンジンを搭載、3段MTを介して後輪を駆動する。本国では61年までに110万台以上が作られ、フランス車初のミリオンセラーとなった。
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1957年「日野ルノー」。53年に生産開始し、この57年型から本国仕様と異なる独自のフロントグリルを備える。本来の全長は3610mmだが、当時の法規では3.8mを境に制限速度が異なったため、ボディーとバンパーの間にスペーサーをかませて全長を延長。63年までに3万5000台弱が作られ、小型タクシーにも数多く使われた。
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1956年にデビューした「ルノー・ドーフィン」。全長3940mmと「4CV」よりふたまわりほど大きいボディーのリアに積まれるエンジンは845ccまで拡大された。対米輸出にも力を入れており、68年までの総生産台数は215万台を超える。
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1961年に誕生した「日野コンテッサ900」。全長3795mmと「4CV」よりひとまわり大きくなったボディーは控えめなテールフィンを持ち、当時の日本車らしくアメリカ車の影響も感じられる。基本的なレイアウトは4CVから受け継ぐが、リアサスペンションは改められ、エンジンは新設計の893cc。
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1962年に登場した「R8」。2270mmのホイールベースは「ドーフィン」と同一でボディーサイズもほとんど同じだが、角張ったフォルムによって室内、トランクスペースともに拡大された。エンジンは新設計された5ベアリングの956ccで、早くも4輪ディスクブレーキを備えていた。
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1964年にデビューした「日野コンテッサ1300」。ミケロッティがスタイリングを手がけたボディーは全長4150mm、全幅1530mmと1.3リッター級としては大きめで、ほぼ同時期に世代交代した「トヨペット・コロナ1500」とほぼ同じサイズ。デラックスで940kgという車重は、コンテッサ900より200kg近く重かった。
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1964年秋のパリサロンでベールを脱いだ「R8ゴルディーニ1100」。「R8」の上級版である「R8マジョール」をベースに、1108ccエンジンをOHVのままながらクロスフローのヘミヘッドに大改造、ツインチョーク・ウェバーを2基備えて最高出力95psまでスープアップ。競技用のベース車両となるハイパフォーマンスモデル。
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1963年に追加された「日野コンテッサ900S」。この年に開かれた第1回日本グランプリに出走したワークスマシンをベースに、893ccエンジンを標準の35psから40psにチューン、ギアボックスも標準の3段コラムMTから4段フロアMTに替えるなどした、国産初のスポーツセダン。
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1965年に登場した「日野コンテッサ1300クーペ」。2ドアクーペ化されたボディーに、SUツインキャブを備えるなどして標準の55psから65psまで高められた1251ccエンジンを搭載。イタリアやベルギーで開かれた国際自動車エレガンスコンクールで65~67年に名誉大賞を3年連続受賞するなど、スタイリングは高く評価された。
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リアエンジンの小型実用車の代表的存在である通称「ビートル」こと「フォルクスワーゲン・タイプ1」。第二次大戦後に本格的な量産に入り、ドイツ本国では1978年まで、最終的にはメキシコで2003年まで生産された。総生産台数約2153万台は、単一銘柄としては歴代1位。派生モデルの「タイプ3」や「411/412」もリアエンジンだった。
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ダンテ・ジアコーザ設計の戦前生まれの傑作である初代「フィアット500」の後継モデルとして1955年に登場した「フィアット600」。設計は同じくジアコーザで、全長約3.3mのコンパクトなボディーのリアに直4 OHV633cc(後に767cc)エンジンを搭載。これをベースにフィアットは57年に2代目「500」、64年に「850」をリリースした。
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1958年に誕生、軽自動車というカテゴリーを確立した傑作である「スバル360」。全長3m未満ながら大人4人が乗車可能な車重385kgという軽量ボディーのリアに空冷2ストローク2気筒356ccエンジンを積む。後継モデルの初代「R-2」と「レックス」、そして派生した商用車の「サンバー」に至っては2012年までリアエンジンを踏襲した。
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1961年に「4CV」の後継モデルとして登場した「ルノー4」。テールゲート付きボディーに4CVのパワートレインをそっくり前方に移設して前輪を駆動する。最終的に94年まで作られ、約835万台の累計生産台数は「フォルクスワーゲン・ビートル」、「T型フォード」に次ぐ歴代3位の記録である。写真はファッション誌の『ELLE』とタイアップした「パリジェンヌ」仕様。
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1959年に登場した「ルノー・エスタフェ」。いうなれば「フォルクスワーゲン・タイプ2」をFF化したようなワンボックスの多用途車で、バン、マイクロバス、ピックアップなどさまざまな仕様があった。エンジンは当初は「ドーフィン」と同じ845ccで、最終的に1289ccまで拡大された。
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1960年に登場した「日野コンマース」。モノコックボディーに前輪駆動という、当時の国産商用車としては非常に先進的なメカニズムを採用したワンボックス車。写真のバンのほか、ワゴンやミニバスなどもあった。エンジンは「4CV」用を拡大した836ccで、後に「コンテッサ900」用の893ccに換装した。
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S氏が所有する、チームサムライのスペアカーだったという「日野コンテッサ1300クーペL」。S氏の元にきてからレストアが施され、本来はエンジンルーム後端にあるラジエーターをフロントに移設するなど手が加えられている。
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リアフェンダーは少々ブリスター化されている。ホイールは60年代に日野車で国内レース活動をしていたデル・レーシング製アルミのレプリカ。もともとのデザインはアメリカのホフカー製を模したものなので、レプリカのレプリカということになる。
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ストックではノーマルの「コンテッサ1300クーペ」と同仕様の1251ccエンジンは、キャブレターをSUツインからウェバー・ツインチョーク2連装に換え、特製タコ足(エキゾースト・マニホールド)などでチューン。本来エンジンルーム後端に位置するラジエーターはノーズに移されている。
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往年のフランス車特有の、イエローバルブのライトを光らせ、隊列を組んで走る「R8ゴルディーニ」と「日野コンテッサ1300クーペL」。コンテッサから見れば、青い目ならぬ黄色い目を持ついとこというところか。
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3台並んだ「R8ゴルディーニ1100」の後ろ姿。ラジエーターは「コンテッサ1300」と同様にエンジンルーム後端にあり、フードに開けられたスリットから空気を取り入れる。S氏によれば、リアグリルから吸い込むコンテッサより冷却効率が高いという。
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ヘッドカバーの“G”のイニシャルが光る、ターンフローからクロスフローのヘミへッドに大改造された「R8ゴルディーニ1100」の直4 OHV1108ccエンジン。圧縮比10.4、ツインチョークのソレックスキャブを2基備えて95psを発生する。ノーマルのR8が956ccで40psだったから、2倍以上までハイチューンされていたわけだ。