「昭和のくるま大集合 2019」の会場から
2019.04.25 画像・写真2019年4月21日、茨城県東茨城郡城里町のサテライト水戸で、「昭和のくるま大集合 2019」が開かれた。これはタイトルのとおり昭和時代に生産された国内外の車両によるミーティングで、2004年に茨城県の土浦市内で始まり、今回で通算16回目、会場がサテライト水戸に移ってから5回目を迎えた。残念なことに前回まで3年連続で雨にたたられていたが、今回は絶好のイベント日和とまではいかないまでもまずまずの、撮影条件を考えたら望ましい天候に恵まれた。エントリーリストに名を連ねた参加車両は、7台の特別展示車両を含め188台。間もなく令和を迎える平成最後の開催ということで、うち10台は平成初期のモデルを受け入れたという。会場のサテライト水戸は、本来は競輪の場外車券売り場だが、音楽ライブや子供向けのイベントなども行われる、家族そろって楽しめるレジャー施設となっており、この日も大勢の来場者でにぎわった。そんな会場から、リポーターの目に留まったモデルを中心に紹介しよう。(文と写真=沼田 亨)
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1/357台の特別展示車両のうちの1台である1968年「スバル360」。ハンガリー出身で来日してから四半世紀になるオーナーのイムレ・へゲドゥシュ氏(右)は、大変な冒険野郎。このちっぽけなスバルで、2010年には東京~ハンガリー間1万3000kmを走破。2018年にはハンガリー~ガンビア間8600kmで行われる、へゲドゥシュ氏いわく「貧乏人のパリダカ」ことチャリティーラリー「ブタペスト-バマコ」に参戦、見事完走した。左はそのラリーの際に初代「スバル・フォレスター」で伴走した友人の竹田正敏氏。
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2/35特別展示車両の紹介タイムにて、1975年「フェラーリ365GT4BB」。イベントを主催する「バックヤードつくば」代表の石川敦美氏(右端)、ゲストの茨城県出身のモータージャーナリスト片岡英明氏(左端)によるオーナーインタビューに続いて、エンジン始動パフォーマンスを行っているところ。
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3/35同じく特別展示車両の1970年「トヨタ2000GT」。前期型も所有するというオーナーの好みで、ゴールドにリペイントされた後期型。意外に野太いエキゾーストノートを聞かせた。
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4/35これも特別展示車両の、二重空冷(DDAC=Duo Dyna Air Cooling systemの略)と呼ばれる特殊な空冷エンジンを搭載した1970年「ホンダ1300クーペ9」。JCCA(日本クラシックカー協会)主催のクラシックカーレース(P75クラス)の常連参加車だが、去る4月7日に開かれた富士ジャンボリーで不運なアクシデントに遭い、ご覧のような姿になってしまったとのこと。オーナードライバーが無事で何より。
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5/35今年生誕50周年を迎えた「ホンダ1300」シリーズ。昨年はセダン3台、クーペ4台の計7台が参加したが、今年は1台ずつ多いセダン4台、クーペ5台(前出のレース仕様含む)の計9台が集まった。
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6/35通称ブルドッグこと1984年「ホンダ・シティ ターボII」。「ターボ」(ターボII登場後はターボIと呼ばれた)に続いて登場した、初代シティの最強モデル。ブリスターフェンダーで武装したボディーに空冷式インタークーラーを備えた1.2リッター直4 SOHCターボユニットを搭載。初代シティはこのほか「カブリオレ」や「R」も参加していた。
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7/35前出の「ホンダ・シティ ターボII」には、シティのラゲッジルームに収まるように設計され、同時にデビューした原付き二輪「モトコンポ」が積まれていた。
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8/351988年「ホンダ・アコード クーペ」。オハイオ州にある北米工場で生産された左ハンドル車で、日本車メーカーの現地生産車の輸入第1号となった。2リッター直4 SOHCエンジンを搭載。
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9/351966年「プリンス・スカイライン2000GT-A」。型式名S54A-2こと初代スカGの、シングルキャブ仕様の2リッター直6 SOHCエンジンを積んだおとなしいほうのモデル。アイボリーに赤いトップのツートンカラー、キャップ付きの純正スチールホイールにハイトの高いタイヤという、カタログから抜け出てきたような姿で、程度もすばらしい。
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10/351981年「日産スカイライン ハードトップ2000ターボGT」。1977年にデビューした通称ジャパンこと5代目スカイラインの「2000GT」系(GC210)に、80年に加えられたスカイライン初のターボ車。「セドリック/グロリア」(430)のターボと同じL20ETエンジンを搭載。
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11/35平成生まれの1台だった1990年「日産パルサーGTI-R」。「ラリーの日産」の名声を再びと、当時のグループAの主流だった2リッター直4 DOHC 16バルブ ターボエンジンとフルタイム4WDを組み合わせたモデル。熱害をはじめとする問題に悩まされ、WRCでは目立った成績は残せなかった。
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12/35イメージカラーのパンプキンイエローをまとった双子の1988年「日産Be-1」。初代「マーチ」をベースとしたパイクカー第1弾。1985年の東京モーターショーにコンセプトカーとして出展したところ、大好評だったため市販化が決定。1987年1月に1万台限定で発売されると予約が殺到し、急きょ抽選販売となるなど話題には事欠かなかった。
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13/35特別展示車両の1台だった、新車以来の「名古屋5」のシングルナンバーを付けた1967年「トヨタ2000GT」。レストアされ、プロトタイプを意識したというワイヤホイールを履いている。
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14/352台並んだ1964年「トヨペット・コロナ1500デラックス」。型式名RT20こと2代目コロナの最終型である。
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15/351985年「トヨタ・ハイラックスサーフ」。小型ボンネットトラック「ハイラックス」の荷台にFRP製トップを載せた初代サーフ。
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16/35「ランチア・ウソラトス」……ではなく、1988年「トヨタMR2」。モデルはもちろんアリタリアカラーをまとったワークス仕様の「ランチア・ストラトス」。
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17/35ローダウンし、「ハヤシストリート」(アルミホイール)に引っ張りタイヤを履かせた「マツダ・サバンナGT」(RX-3)。
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18/35英語圏では俗にスーサイドドアと呼ばれる前開きドアを開いた1961年「スバル360」。通称出目金こと初期型だが、サイドウィンドウがスライド式のためドア内張りがなく、そのぶん実質的な室内幅は広かったことがわかる。ドア内側前方は収納スペースになっていた。
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19/351970年「ダイハツ・コンパーノ スパイダー」。きれいに仕上げられた後期型だが、オーナーは独力でフルレストアした中期型も所有しているとか。
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20/351966年「フォルクスワーゲン1300」(タイプ1)。現オーナーが発見したときは相当に傷んでいたが、新車からの「横浜5」のシングルナンバーが付いたフルオリジナル、ワンオーナーの正規輸入車だったことから、レストアを決意。ピカピカになりすぎないよう、いいさじ加減に仕上げている。
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21/351974年「メルセデス・ベンツ280S」(W116、左)と1983年「メルセデス・ベンツ230E」(W123)。往年の「Sクラス」と、「190」が登場するまではコンパクトと呼ばれていた「ミディアム(Eクラス)」の先祖。パッと見ではSクラスが2台? と思ったほどW123は立派に見える。
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22/351992年「ロータス・エラン」。ロータスがGM傘下にあった時代に登場した2代目エラン。同じくGMグループに属していたいすゞの3代目「ジェミニ」用の1.6リッター直4 DOHCエンジン(NAまたはターボ)を搭載したFFスポーツ。
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23/35イベント終了後、帰路につく参加車両。これは1986年「トヨタ・ソアラ2000GTツインターボ」。ハイソカーブームをけん引した2代目ソアラの人気グレード。
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24/351977年「日産シルビア」。ロータリーエンジン搭載車として企画されたものの、石油危機によりロータリーが開発中止されたため、レシプロエンジン(L18)を搭載して世に出た2代目シルビア。
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25/351983年「日産グロリア2800 4ドアハードトップ」。5代目「セドリック」と双子車だった型式名430こと6代目グロリア。“帝王”と呼ばれた米国人プロゴルファーのジャック・二クラスがイメージキャラクターを務めていた。
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26/35ちょっぴりカスタムが施された1973年「三菱デボネア エグゼクティブ」。22年に及ぶ初代デボネアの歴史の中で、生産期間が短かった2リッター直6 SOHCクロスフローの「サターン6」エンジン搭載モデル。
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27/351978年「スバル・レオーネ エステートバン4WD」。現在まで続くスバルの伝統となる4WDを採用した最初のモデルであり、その最終型。
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28/351970年「ホンダN600」。「N360」のボディーに598ccに拡大した空冷SOHC並列2気筒エンジンを搭載した輸出仕様。日本でも「N600E」の名で少数が販売された。
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29/351965年「ホンダS600クーペ」。車高は少々低められているようだが、キャップ付きの純正スチールホイールにホワイトリボンタイヤがまぶしい。
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30/351966年「いすゞ・ベレット1600GT」。1966年に2度目のマイナーチェンジを受け、内外装の変更に加え、エンジンも大幅に改良されたモデル。希少な純正キャップ付きのスチールホイールを履いている。
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31/351965年「サーブ96モンテカルロ」。水冷2ストローク3気筒841ccで前輪を駆動、名手エリック・カールソンらのドライブで、モンテカルロラリーなどで大活躍したモデル。
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32/351970年「ポルシェ911S」。オリジナルの姿に保たれた、2.2リッター時代のナロー911の最強グレード。俗にポルシェアロイと呼ばれるこのデザインの軽合金ホイールを純正装着した最初のモデルが、1967年から加わった911Sだった。
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33/35特別展示車両の1台だった1971年「ディーノ246GT」。今見ると非常にコンパクトだが、ボディーサイズは2代目「トヨタMR2」より少々長く、幅はほぼ同じで、車高は10cm以上低い。
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34/35英国ヘリテージ社でレストアされた1966年「ジャガー・マーク2」。60年代を代表するスポーツサルーン。
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35/351954年「ベントレーRタイプサルーン」。戦前型の香りを残した、堂々たるサルーン。Fヘッド(吸気がOHV、排気がサイドバルブ)の4.6リッター直6エンジンを搭載。