日本最大級のクラシックモーターショー「ノスタルジック2デイズ」の会場から
2022.02.23 画像・写真2022年2月19日、20日の2日間、神奈川県横浜市のパシフィコ横浜で、『ノスタルジックヒーロー』など旧車専門誌のプロデュースによるイベント「ノスタルジック2デイズ」が開かれた。「日本最大級のクラシックモーターショー」とうたったこのイベントは、実車をはじめパーツやオートモビリア(クルマ趣味の小物)などのショップによる展示即売を中心とするものである。昨年は新型コロナ禍により中止されたため2年ぶりの開催となるが、今回は1月の東京オートサロンで新型がお披露目され、まさに旬のモデルである「フェアレディZ」大特集の感があった。
新型を含む7世代にわたる歴代「フェアレディZ」を並べた企画展をはじめ、ショップの展示車両にも初代S30をはじめとするZが目についたほか、ステージではZをテーマとするトークショーも実施された。「一回休み」の反動もあってか、過去開催よりも多くの車両が並べられ盛況だった会場から、リポーターの目に留まったモデルを中心に紹介しよう。
(文と写真=沼田 亨)
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1/50ズラリと並んだ、初代S30から新型のプロトスペックまで7世代8台の「フェアレディZ」。イエローが7台のなかに1台、3代目Z31だけがシルバー。不思議に思っていたが、日産関係者によれば「Z31は純正色にイエローの設定がなかったからでは?」とのこと。
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2/50リア側から眺めた歴代「フェアレディZ」。
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3/50初代S30のコンペティション用ベース車両である「Z432R」と、東京オートサロンの日産ブースに展示され話題となった新型「Zカスタマイズド プロト」。
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4/50「Z432R」と新型Z「カスタマイズド プロト」のリアビュー。新型がS30をモチーフにしたことがよくわかる。
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5/501966年「トヨタ2000GT」ボンドカーなど、雑誌『ノスタルジックヒーロー』の表紙を飾った車両。
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6/50ネオヒストリックカー専門誌『ハチマルヒーロー』の表紙を飾った1984年「トヨタ・セリカ リフトバック1600GT-R」。リトラクタブルライトを採用した3代目セリカの後期型。
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7/50特別展示車両の1975年「ランボルギーニ・エスパーダ」。ベルトーネ(スタイリストはガンディーニ)の手になるフル4シーターGT。
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8/50チューンド旧車専門誌『ノスタルジックスピード』の表紙を飾った「ダットサン・サニー エクセレント クーペ」。初代サニー エクセレント(PB110)は、2代目B110サニーのノーズを延ばしてL14型エンジンを搭載したモデル。この個体は岡山のOS技研が1970年代に開発したDOHC 16バルブヘッドを持つTC16を搭載している。
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9/50特別展示された2台の「F/F(フライングフェザー)」。1955年に発売された極めて簡素な2人乗りの軽自動車で、戦前に日産で自動車エンジニア/デザイナーとしてのキャリアをスタートさせ、自動車以外の分野でもマルチな才能を発揮した富谷龍一氏が設計/デザインに携わった。
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10/50「F/F(フライングフェザー)」の超シンプルなインテリア。シートは「シトロエン2CV」に影響を受けたとおぼしきハンモック式(表皮はノンオリジナル)。純パイプ製(?)のステアリングホイールにも注目。
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11/50一般公募から選出されたオーナー車両を展示する恒例企画である「選ばれし10台」。1台ずつ会場内を走行して登場し、オーナーはメインステージでインタビューを受ける。これは1959年「ルノー・カラヴェル コンバーチブル」。
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12/50「選ばれし10台」より、1998年「マツダスピード・ロードスター Cスペック」。NAロードスターをベースに由良拓也氏がデザインしたボディーをまとい、2リッターエンジンを積んだモデル。解説プレートによれば、限定30台の予定だったが、正式販売されたのはわずか3台だったとか。
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13/50これも「選ばれし10台」より、1998年「トヨタテクノクラフトMRスパイダー」。2代目「トヨタMR2」(SW20)ベースの特装車。生産92台、販売89台のうち、8台しかないVVT-iエンジン搭載の最終型とのこと。
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14/50右端の1966年「ランボルギーニ400GT」をはじめ希少車が並んだオートショップ タキーズの出展車両。
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15/501966年「ランボルギーニ400GT」はランボの市販1号車である「350GT」の改良版で、後に「ミウラ」などにも積まれた4リッターV12 DOHCエンジンをフロントに搭載。
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16/50手前は「フェラーリ・ディーノ196S」、奥は「マセラティ450S」のリクリエイションモデル(レプリカ)。レプリカとはいえ、いずれも本社公認モデルとか。
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17/50「ランボルギーニ・ミウラ」、3台の「トヨタ2000GT」などをそろえたビンテージカー ヨシノのブース。これは開場直後の光景だが、すぐに人だかりができて、とてもこんなカットは撮れなくなった。
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18/50いすゞスポーツが展示した「いすゞ・ベレット1600GT」。見たところ超ショートストロークOHVのG160型エンジン搭載で、ホイール/タイヤが14インチから13インチになった1966年モデル。
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19/50同じくいすゞスポーツの通称ハンドメイドこと2台の初期型「いすゞ117クーペ」。俗に「草ヒロ」(草むらのヒーロー)などと呼ばれる放置車両(右)と、バッチリ仕上げられた車両(左)との対比が見もの。
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20/50エムクラフトが展示していた1980年代のエッジの効いたカクカク、パキパキなデザインの日本車3台。右から3代目「スバル・レオーネ クーペ」、初代「スバル・アルシオーネ」、2代目「トヨタ・セリカXX」。
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21/50これもエムクラフトが展示した1991年「日産マーチR」。スーパーチャージャーとターボチャージャーの双方を備えた、国産初にしてこれまでのところ唯一となるツインチャージドユニットを積んだ競技用ベース車。同じエンジンを積んだロードバージョンの「スーパーターボ」は時折イベントで見かけるが、Rは非常に珍しい。
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22/50「日産マーチR」のツインチャージドユニット。過給係数1.7をかけて1600cc以下のクラスに収まるようノーマルの987ccから930ccに縮小した直4 SOHCエンジンに複合過給機を備えて最高出力110PS、最大トルク13.3kgf·mを発生する。
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23/50フジツボが展示していた初代「マツダ・サバンナRX-7」(SA22C)。フェンダーミラーにオムスビ(ロータリーエンジンのローター)をかたどった純正アルミホイールがイカしてる。
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24/50ヴィンテージ宮田自動車が展示した1990年「三菱スタリオンGSR-VR」。ブリスターフェンダーを備えたワイドボディーに2.6リッター直4 SOHCターボユニットを積んだスタリオンの最終発展型。
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25/50オートサークルが展示した1957年「日野ルノー・デラックス」。ライセンス生産された「ルノー4CV」だが、ノックダウン生産から完全国産化への過渡期の仕様で、鍵穴が左前ドアにしかないなどの特徴が見られる。ほぼオリジナルという希少車。
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26/50これもオートサークルの1971年「トヨペット・コロナ マークⅡハードトップ1900GSS」。結果的にこのモデル専用となった1.9リッター直4 DOHCの10R(8R-G)型エンジンを積んだ初代マークⅡのホットグレードで、イーグルマスクと称した顔つきを持つ最終型。専用スチールホイールを含めオリジナルの姿を保っている。
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27/50レストア事業を手がけている神奈川トヨタが仕上げた1959年「トヨペット・スタウト」。初代「クラウン」などと共通の1.5リッター直4 OHVエンジンを積んだ1.75t積みの小型ボンネットトラック。後処理装置を備えてNOx規制をクリアし、「神 4」(神は神奈川)のシングルナンバーを生かしているというから驚いた。
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28/50神奈川トヨタはレストア作業が進行中の2000年「トヨタ・チェイサー ツアラーV」のバラしたエンジンパーツ(写真)やボディーなども展示していた。
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29/50TH SERVICEが展示した1976年登録という「トヨタ・カローラ レビン」(TE37)。2ドアハードトップボディーに2T-G型エンジンを積んだ、歴代レビンでもっともおとなしい見た目を持つ2代目。
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30/50MISHA by Carbellの1988年「トヨタMR2 Gリミテッド」。スーパーチャジャー付きエンジンにTバールーフを備えた初代MR2のトップグレードで程度もすばらしいが、それだけに価格も588万円と立派。
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31/50Garage Funは得意とする「トヨタ・スープラ」(A70)を2台展示。左は北米仕様の1988年「3.0GT」、右は1991年「2.5GTツインターボ リミテッド」。
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32/50レッドメガフォンが展示した1977年「日産ブルーバード2000G6E・L」。810こと5代目ブルーバードの、L20E型エンジンを積んだセダンの最上級グレード。新車以来の「練馬56」ナンバーが付いた実走行2万5000kmのワンオーナー車で、程度もすばらしい。
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33/50プリンスガレージかとりが出展した「日産240RS」。3代目「シルビア」のハードトップボディーに240PSを発生する2.4リッター直4 DOHC 16バルブエンジンを積んだ、グループB規定のラリー用ホモロゲーションモデル。グループB公認に必要な200台+αがつくられたといわれている。
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34/50旧プリンスを含む日産系クラシック商用車のエキスパートであるバラクーダは、3世代の「ダットサン・トラック」のダブルピックアップを展示。手前からD21(1985年〜)、720(1979年〜)、D22(1997年〜)で、いずれもベースは国内モデルだが、エクステリアは輸出仕様、それも中東向け風に仕上げてある。そのこだわり具合は一見に値する。
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35/50Active Garageの「日産スカイラインGT-R」(BNR32)。カーボン製ワイドボディーキットをまとい、RB30改RB31、つまり自然吸気ユニットを搭載。エアサスも装着して「新世代のR32 GT-R」をうたう。
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36/50日産のL型エンジン(直6のL6)にこだわり、S14「シルビア」やR31「スカイライン」などにもL6を搭載している谷島自動車の2代目「フェアレディZ」(S130)。詳細不明だが、美しく仕上げられたL6ターボユニットが印象的。
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37/50同じく谷島自動車の、こちらはメカチューンのL6を積んだ2代目「フェアレディZ」(S130)。
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38/50カーボン調のカムカバーやメッキされたソレックスの3連キャブ、ワイヤータック(配管、配線を隠す)風の仕上げなどでクールにキメた通称ハコスカこと「スカイライン2000GT」のエンジンルーム。出展者名は失念した。
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39/50Number7 Racing Productsの初代「日産フェアレディZ」(S30)は、L6用ブロックにDOHC 24バルブのヘッドを載せたOS技研のTC24を搭載。ボディーカラーに合わせたカムカバーがシックな印象。
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40/50SP-TECが開発中という「LRB32」エンジン。その名のとおりシリンダーブロックはL28、ヘッドはRB25をベースにした3.2リッター直6 DOHC 24バルブユニット。カム駆動はギア、ドライサンプ仕様で想定出力は380PS/7600rpm以上とのことだが、クラシックな雰囲気の狭角カムカバーがカッコイイ。
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41/50クラシックなロールス・ロイスとベントレーのスペシャリストであるワクイミュージアム。正直言って戦前車はよくわからないが、手前の1955年「ベントレーRタイプ コンチネンタル」は実に優美だ。
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42/50ART RACINGが展示した「ジャガーXKSS」のレプリカ。XKSSはルマン優勝車である「Dタイプ」の公道バージョンで、25台生産される予定が工場の火災により16台のみで打ち切られたモデル。数年前にジャガーが残りの9台を追加生産すると発表したことは、まだ記憶に新しい。
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43/50遠目に見て角目4灯の顔つきから3代目「トヨタ・カリーナ」(A60)かと思いきや、1988年「フォルクスワーゲン・シロッコGTX-16V」だった。何年ぶりかで見た2代目シロッコのトップグレードである。アウトラインの出展。
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44/50Auto Romanが展示した1981年「ポルシェ924カレラGTR」。エアロパーツで武装したボディーに375PSを絞り出す2リッター直4 SOHCユニットを搭載、わずか17台のみつくられたという超希少車。
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45/50ル・ガラージュが展示していた1973年「アウトビアンキA112エレガンテ」。イタリアで女性オーナーが新車から乗り続けていたという個体で、内外装ともにとてもキレイだった。
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46/502021年12月に発表され話題となった、「ダイハツ・コペン」をベースに「ポルシェ356」をオマージュした、ラダーインターナショナルの「660スピードスター」。フィニッシュは非常に良好だった。
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47/50これもラダーインターナショナルが展示していた、オーバーフェンダーを装着してマルティニカラーをまとった「デロリアンDMC-12」。
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48/50リスキービジネス(すごい社名)が出展していた「デ・トマソ・パンテーラ」。オバフェン装着などでモディファイされ、グロスとマットのブラックで塗り分けたボディーが独特の魅力を放っていた。
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49/50AUTO STATES officialが展示していた3台の「フォード・マスタング」。手前から1970年「BOSS 302」、映画『バニシング in 60』に出てくる「マッハ1」風の1973年「スポーツルーフ」、そして正規輸入車という1973年マッハ1。
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50/50BINGO(BHオークション)は3台を展示。左の1989年「ポルシェ911ターボ」と右の2006年「フェラーリ・スーパーアメリカ」のスタート価格が3500万円以上というのは「お高いけど、そんなもんですか」という感じだったが、衝撃的だったのは真ん中の通称ケンメリこと1976年「日産スカイライン ハードトップ2000GT」(GC111)。程度極上のオリジナルに近い個体とはいえ、「GT-R」どころか「GT-X」でもないただの「GT」、それも排ガス対策済みの後期型のスタート価格が、なんと2176万円! 国産旧車の価格高騰もついにここまで、の感あり。