-
1/24
-
2/24「MT-09 Y-AMT」のベースとなるのは、2024年4月に発売された「MT-09」のマイナーチェンジモデル。デザインの変更に加え、ライディングポジションおよび車体剛性の見直し、電子制御の拡充……と、大幅な改良が施された。
-
3/24「MT-09」は、ヤマハの大排気量モデルの中核にあたるネイキッドスポーツだ。車重は「Y-AMT」仕様でも196kg。そこに最高出力120PSを発生する排気量888ccの3気筒エンジンを搭載する。
-
4/24「MT-09 Y-AMT」の左ハンドルまわり。クラッチレバーが装備されない同車は、AT限定大型二輪免許でも運転が可能となっている。
-
5/24パワーユニットのカットモデル。トランスミッションの上部に、クラッチ操作とギアチェンジを担うアクチュエーター(筒状のモーター)が見える。
-
6/24シフトロッドにはスプリングが内蔵されており、変速時にはその弾性力で素早くギアを抜くことが可能。トランスミッションのドッグギアの形状も、瞬時にギアが入るよう改良されている。
-
7/24MTモードでも変速は手で行うので、左ステップのシフトペダルも廃止。変速中も、がっしりと下肢をペダルやボディーに固定していられる。
-
8/24「Y-AMT」の操作方法を確認する筆者。なおY-AMT搭載車では、停車時にギアが自動で1速に入る。その状態でエンジンをオフにするとクラッチがつながり、坂道などでバイクが動いてしまうのを防ぐ。ニュートラルの状態でバイクを止めたい場合は、停車時に手動でギアを「N」に入れればよい。
-
9/24「Y-AMT」搭載車にはリモコンキーが標準で装備されており、車両の起動やエンジンの始動は、ダイヤル式のスタートスイッチで行う。
-
10/24液晶ディスプレイはマイナーチェンジによって3.5インチから5インチに大型化。画面の左端に「AT/MTモード」のインジケーターが追加されている。
-
11/24左スイッチボックスに備わるシーソー式のシフトレバー。人さし指で「+」レバーを押してシフトアップ、親指で「-」レバーを押してシフトダウンできるほか、「+」レバーを人さし指で前にはじく(前側に押す)ことでもシフトダウンができる。
-
12/24現状では「Y-AMT」仕様が設定されるのは「MT-09」のベースグレードのみ。ヤマハではマーケットの反応を見つつ、上級グレードの「SP」や他のモデルにも設定を広げたいとしている。
-
13/24ヤマハでは「Y-AMT」をイージーライディングのための道具というより、「よりライディングに集中してもらうためのデバイス」として訴求している。
-
14/24「ATモード」のシフトプログラムには、市街地や高速道路などでの走行に好適な「D」と、レスポンスのよい加減速を重視した「D+」の2種類が用意される。
-
15/24右スイッチボックスに備わる「MODE」ボタン。「ATモード」時には「D/D+」というシフトプログラムの切り替え、「MTモード」時には「SPORT」「STREET」「RAIN」「CUSTOM」というライディングモードの切り替えに使用する。
-
16/24パイロンで仕切られた特設エリアにて、低速走行やUターンを試す筆者。クラッチレバーがないので“半クラ”などの操作はできないが、バイクのほうが自動でトラクションを制御してくれるので、「バイクがふらついて怖い」といったことはなかった。
-
17/24低速時に不安な場合は、スクーターなどのようにリアブレーキを引きずってトラクションをかけることも可能だが、今回の試乗ではそこまでする必要も感じなかった。
-
18/24「MT-09」には6軸IMUなども搭載されるが、今のところ「Y-AMT」が変速の判断基準としているのは、車速とエンジントルクのみだ。
-
19/242024年4月のマイナーチェンジで走りも進化した「MT-09」。フレームは新しい鋳造技術によって、最も薄い部分の肉厚を1.7mmにまで抑えて軽量化。同時に車両剛性の最適化も実現している。
-
20/24シート高は825mm。リアオーバーハングの縮小によってマスの分散を抑えたほか、シートレールの絞り込みや締結ボルトの低頭化などにより、足つき性も改善している。
-
21/24これほどのスポーツモデルを、自動変速で操れるのかと驚かされた「MT-09 Y-AMT」の試乗。Y-AMTはただの便利装備ではなく、AT免許のライダーにスポーツライディングの門戸を開くデバイスともなるかもしれない。
-
22/24ヤマハMT-09 Y-AMT
-
23/24
-
24/24

宮崎 正行
1971年生まれのライター/エディター。『MOTO NAVI』『NAVI CARS』『BICYCLE NAVI』編集部を経てフリーランスに。いろんな国のいろんな娘とお付き合いしたくて2〜3年に1回のペースでクルマを乗り換えるも、バイクはなぜかずーっと同じ空冷4発ナナハンと単気筒250に乗り続ける。本音を言えば雑誌は原稿を書くよりも編集する方が好き。あとシングルスピードの自転車とスティールパンと大盛りが好き。
試乗記の新着記事
-
BMW M235 xDriveグランクーペ(4WD/7AT)【試乗記】 2025.9.15 フルモデルチェンジによってF74の開発コードを得た新型「BMW 2シリーズ グランクーペ」。ラインナップのなかでハイパフォーマンスモデルに位置づけられる「M235 xDrive」を郊外に連れ出し、アップデートされた第2世代の仕上がりと、その走りを確かめた。
-
スズキ・アルト ハイブリッドX(FF/CVT)【試乗記】 2025.9.13 「スズキ・アルト」のマイナーチェンジモデルが登場。前後のバンパーデザインなどの目に見える部分はもちろんのこと、見えないところも大きく変えてくるのが最新のスズキ流アップデートだ。最上級グレード「ハイブリッドX」の仕上がりをリポートする。
-
トヨタGRヤリスRZ“ハイパフォーマンス”【試乗記】 2025.9.12 レースやラリーで鍛えられた4WDスポーツ「トヨタGRヤリス」が、2025年モデルに進化。強化されたシャシーや新しいパワートレイン制御、新設定のエアロパーツは、その走りにどのような変化をもたらしたのか? クローズドコースで遠慮なく確かめた。
-
トヨタ・カローラ クロスZ(4WD/CVT)【試乗記】 2025.9.10 「トヨタ・カローラ クロス」のマイナーチェンジモデルが登場。一目で分かるのはデザイン変更だが、真に注目すべきはその乗り味の進化だ。特に初期型オーナーは「まさかここまで」と驚くに違いない。最上級グレード「Z」の4WDモデルを試す。
-
ホンダ・レブル250 SエディションE-Clutch(6MT)【レビュー】 2025.9.9 クラッチ操作はバイクにお任せ! ホンダ自慢の「E-Clutch」を搭載した「レブル250」に試乗。和製クルーザーの不動の人気モデルは、先進の自動クラッチシステムを得て、どんなマシンに進化したのか? まさに「鬼に金棒」な一台の走りを報告する。
新着記事
-
NEW
スズキeビターラ
2025.9.17画像・写真スズキの電動化戦略の嚆矢(こうし)となる、新型電気自動車(BEV)「eビターラ」。小柄でありながら力強いデザインが特徴で、またBセグメントのBEVとしては貴重な4WDの設定もポイントだ。日本発表会の会場から、その詳細な姿を写真で紹介する。 -
NEW
第844回:「ホンダらしさ」はここで生まれる ホンダの四輪開発拠点を見学
2025.9.17エディターから一言栃木県にあるホンダの四輪開発センターに潜入。屋内全天候型全方位衝突実験施設と四輪ダイナミクス性能評価用のドライビングシミュレーターで、現代の自動車開発の最先端と、ホンダらしいクルマが生まれる現場を体験した。 -
NEW
アウディSQ6 e-tron(4WD)【試乗記】
2025.9.17試乗記最高出力517PSの、電気で走るハイパフォーマンスSUV「アウディSQ6 e-tron」に試乗。電気自動車(BEV)版のアウディSモデルは、どのようなマシンに仕上がっており、また既存のSとはどう違うのか? 電動時代の高性能スポーツモデルの在り方に思いをはせた。 -
NEW
第85回:ステランティスの3兄弟を総括する(その3) ―「ジープ・アベンジャー」にただよう“コレジャナイ感”の正体―
2025.9.17カーデザイン曼荼羅ステランティスの将来を占う、コンパクトSUV 3兄弟のデザインを大考察! 最終回のお題は「ジープ・アベンジャー」だ。3兄弟のなかでもとくに影が薄いと言わざるを得ない一台だが、それはなぜか? ただよう“コレジャナイ感”の正体とは? 有識者と考えた。 -
NEW
トランプも真っ青の最高税率40% 日本に輸入車関税があった時代
2025.9.17デイリーコラムトランプ大統領の就任以来、世間を騒がせている関税だが、かつては日本も輸入車に関税を課していた。しかも小型車では最高40%という高い税率だったのだ。当時の具体的な車両価格や輸入車関税撤廃(1978年)までの一連を紹介する。 -
内燃機関を持たないEVに必要な「冷やす技術」とは何か?
2025.9.16あの多田哲哉のクルマQ&Aエンジンが搭載されていない電気自動車でも、冷却のメカニズムが必要なのはなぜか? どんなところをどのような仕組みで冷やすのか、元トヨタのエンジニアである多田哲哉さんに聞いた。