トヨタ・プリウス プロトタイプ
2009.03.31 画像・写真今年イチバンの注目モデル! 新型「プリウス プロトタイプ」に初試乗! トヨタのお膝元、富士スピードウェイで、その走りと燃費をチェック。現行プリウスに10万キロ乗ったリポーターが、写真で(ブリーフテスト風に)紹介する。(文=webCG 近藤俊)

(総合評価)★★★★★
代を重ねる毎に着実に進化を遂げる。新しい「プリウス」は、これまでハイブリッド車に乗ったことのない人にも、違和感なく受け入れられるだろう。いやむしろ「これからのクルマはこうだ」という新たな基準点となるかもしれない。しかも、どうやら価格も相当安く提供されそう。もしそうなったら……いろんなハードルが一気に上がって……メーカー再編が加速する! それくらいのインパクトあり。
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(総合評価)★★★★★ 代を重ねる毎に着実に進化を遂げる。新しい「プリウス」は、これまでハイブリッド車に乗ったことのない人にも、違和感なく受け入れられるだろう。いやむしろ「これからのクルマはこうだ」という新たな基準点となるかもしれない。しかも、どうやら価格も相当安く提供されそう。もしそうなったら……いろんなハードルが一気に上がって……メーカー再編が加速する! それくらいのインパクトあり。
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(インパネ+装備)★★★ 現行「プリウス」初期型比だと、素材の質感は大幅向上。後期型とはほぼ同等か……。ディスプレー表示も多彩になった。表示が細かくなったぶん、やや見づらくなったかもしれない。シフトレバーはインパネから、より手元へと移動。操作性の向上とひきかえに、助手席側へのウォークスルーができなくなったのは残念。
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(前席)★★★ ゆったり座ることができるし、今回のような短時間での試乗においては何も気になるところはなかった。シート素材はレザー1種、ファブリック2種の計3種。それぞれにミディアムグレーと、薄いブルーグレーの2色が用意される。写真はファブリック上級グレードのブルーグレー。現行モデルでいう「G」グレードのインテリア。
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(後席)★★★ 居住性は大きく改善された。特に大柄な人でなければ、髪が天井に触れるなんてことはないと思う。ひざ周りの空間にも余裕がある。前席のシートバックを30mm薄くしたことも効いているのだろう。これって「iQ」効果なんでしょうか? 乗り心地については、今回は未確認。
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(荷室)★★★ バッテリーの小型化などで荷室幅を拡大。5名フル乗車時にもゴルフバッグ3個が積めるようになった。6:4分割可倒式のシートを倒せば、奥行きが最大1830mmに延長。もはやハイブリッドを言い訳にする必要もなく、ごく普通に使える荷室を備える。
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(エンジン+トランスミッション)★★★★★ これはもう、現時点では最高だと思います。まともに比較する対象もないですし……。排気量を1.5リッターから1.8リッターに拡大した結果、静かになり、スムーズになり、パワーにも余裕がでた。電気アシストのレスポンスの良さは、ホントくせになる。体がこれに馴染むと、もう後戻り(?)はできないかと……。
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(乗り心地+ハンドリング)★★★ 15インチ車と、17インチ車でフィーリングが違う。後者のほうがシャキッとした感覚で好印象。乗り心地については、プロトタイプということもあってか、まだ煮詰めが足りないようだ。細かい凹凸のいなしや、どっしりとした安定感が不足気味。デビューまでにより良くなることを期待したい。17インチモデルのハンドリングは予想以上に良好。
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新型プリウスに用意される、新色をまとった2台。左が17インチ(ツーリングセレクション)、右が15インチのソーラーパネル付ムーンルーフ装着モデル。前後バンパーのエッジの立ちかたが、「空力やってる」感じを強調する。Cd値0.25なんで、もちろん目いっぱいやってるわけですが……。
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青く輝くトヨタのマーク。これがトヨタ流「ハイブリッドの証」だ。ますますハイブリッドがウケル状況になれば、“青バッジ”チューンなんてのもハヤルかも? プリクラッシュセーフティシステム搭載車の場合は、ここにミリ派レーダーが据えられる。
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ソーラーベンチレーションシステムとリモートエアコンシステム。屋根に取り付けられたソーラーパネルで発電し、駐車中に室内換気ができる。つまり、バッテリー電力を消費することなく室温の上昇を抑える仕組みだ。さらに、乗り込む前にエアコン操作をすることで、真夏でも劣悪な車内環境を避けられるとのこと。こりゃ、うれしい。
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基本のイメージとプロポーションは現行モデルを踏襲しながらも、デザイン的な魅力は大幅に向上した。平板だったボディサイドにはキャラクターラインがくっきりと浮かび上がり、フロントの異形ヘッドランプとも相まって、ボディ全体に新しさやスポーティさを感じさせる。簡単にいうと、カッコよくなった。
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ボディカラーにかかわらず、ブラックアウトされたデザインが印象的なリアスポイラー。空力性能向上に一役買っている。リアビューは一見、現行モデルとの違いがわかりづらいけれど、サイドから見たときの、この楔形の切り欠きは新型の特徴のひとつ。
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室内の各所に多彩な収納スペースが設けられている。助手席アッパーボックス、グローブボックスはもちろん、センターコンソール部分の下にも小物が置ける空間が。また、シフトノブ後部のフタを開けるとカップホルダーが現れる。
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ミディアムグレーのインテリア。室内が完全にツートーンになるブルーグレーと比べると落ち着いた印象。というか、ちょっと地味。シートに対してダッシュボード位置が遠くて高いためか、左折時などに歩道やガードレールまでの距離感が掴みづらい(死角が多い)ことが少し気になった。
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パワーモード、エコモード、EVモードのスイッチはここに。地方の幹線道路といったイメージのサーキット外周コース(1周7km)を走ったときの燃費は、ノーマルで27.8km/リッター、エコモードで29.5km/リッター、パワーモードで24.5km/リッターだった。走り方に違いがあっても、いずれもリッター20kmを下回らないのは驚き。
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タッチトレーサーディスプレイ表示中の図。ステアリングに設定されたスイッチと、操作状況が一目でわかる、トヨタいうところの“世界初のシステム”だ。今どこのスイッチを操作しているのかをセンターメーター内に自動表示することで、手元を見る回数が減少。視線移動が少なくてすむため、安全なドライビングに貢献するという。
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ハイグレードHDDナビゲーション装着車のディスプレイ。センターメーター内に配置されたエコドライブサポート機能「エコドライブモニター」と連動し、エコドライブの持続度やワンポイントアドバイスが表示される。クルマの進化だけでなく、運転者も習熟することで、より燃費向上を図りましょうという仕組み。
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15インチアルミホイール装着車。装着されているタイヤは、専用開発の「ブリヂストン エコピアEP25」。サイズは前後とも195/65R15。中間グレードの「S」、上級グレードの「G」がこの組み合わせになる。ベースグレードには、ワンサイズ細い185/65R15のタイヤが装着される。
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「S」と「G」にそれぞれ用意される「ツーリングセレクション」の足下は17インチ。現行モデルの同グレードから1インチアップとなる。装着のタイヤは「ミシュラン プライマシーHP」。サイズは前後とも215/45R17。ショートサーキットを走行しても簡単にはネをあげない、剛性感のあるしっかりしたタイヤとの印象を受けた。
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新型プリウスの開発を担当した、大塚明彦チーフエンジニア。「燃費をどれだけ上げられるかがポイント」で、「ハイブリッドシステムの進化と車両サイドの進化を徹底的にやった」とのこと。 これからのトヨタのブランドイメージを牽引していくクルマが大きく進化した。値上げが予想された価格も、インサイト効果のため(?)か、大幅値下げになるようだ。新型プリウスは、自動車マーケット活性化の起爆剤となるに違いない。