■【会場リポート】マツダ、大切なのは明日から使える低燃費技術
マツダは、最新のデザインスタディ「清(きよら)」とあわせ、今後マツダ車の主力となる新エンジンを発表した。
■SKYTECHで、燃費30%改善
マツダのブースはブルーが基調。イチオシ(というか唯一)のコンセプトカーとなる「きよら」のボディカラーもブルーだが、ブース全体のアクセントカラーがブルーで統一されるのは、今回のマツダ全体のテーマである「マツダSKYコンセプト」によるものだ。ここでいう「SKY」とは、なにかの頭文字の組み合わせや曖昧な意味ではなく、文字どおりの「空、大空、青空」であり、エコはもちろん明るい未来をアピールするためのもの。
昨年の経済危機まっただ中に就任した山内孝社長は、プレスブリーフィングで「2015年までにグローバル平均燃費を30%改善する」というマツダの長期目標をあらためて繰り返し、そのための現実回答が、今回の主役である次世代パワートレーン群「SKYTECH(スカイテック)」だと説明。そのどれもが試作レベルではすでに目標値を達成している……とつけ加えた。
マツダ以外の多くのメーカーがなんらかの電気動力を(どれくらい現実的かはともかく)主役に据えてきたのに対して、それに相当するマツダの出展は、「スカイテックが明日の技術なら、これはその先の未来技術」と位置づける水素ロータリーハイブリッドのみ。今回はそれをプレマシーに積んだ実験車(すでに路上試験もスタートしている)を持ち込んだものの、ショーカーとしての新鮮味はなく、「絵に描いたモチは要らない、大切なのは明日から使える低燃費技術」というマツダの主張は、ある意味で清々しくもあり、わかりやすい。
今回発表されたマツダ肝いりのスカイテックは3つ。燃費、トルクともに15%改善をうたう次世代2.0リッター直噴ガソリンエンジン「SKY-G」、排ガスの後処理だけに頼らず、理想燃焼で燃費向上と排ガス浄化を達成するという次世代ディーゼルエンジン「SKY-D」、そして、トルコンながらも駆動効率5%アップでツインクラッチ並みのレスポンスをうたう次世代6ATの「SKY-Drive」である。どれもが既存パワートレーン技術を極限まで追求したものだ。さらに山内社長は、SKY-Gを2011年に、SKY-D+SKY-Driveを2012年に、それぞれ現実の商品として国内発売することを発表した。
燃費向上技術はもちろんエンジンやトランスミッションだけでなく、アイドリングストップや減速エネルギー回生、軽量化、空力……と多岐にわたるが、それらを総動員した「究極のエンジン車」こそマツダの近未来。その姿勢をシンプルにまとめたのがコンセプトカーのきよらである。
(文=佐野弘宗)
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