シトロエンC3 1.6(2ペダル5MT)【試乗記】
GTハッチ 2003.03.28 試乗記 シトロエンC3 1.6(2ペダル5MT) ……199.8万円 ヨーロッパ自動車市場の4割近くを占めるという「Bセグメント」(スーパーミニ)で、トップシェアを獲るべく開発されたシトロエンの意欲作「C3」。ベーシックな1.4に続いて導入された、1.6リッターに2ペダル式5段MT「センソドライブ」を組み合わせた「C3 1.6」に、webCG記者が乗った。 |
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カワイイは強い
シトロエンのコンパクトモデル、「C3」はカワイイ。ツルンと丸いボディ、特にオシリは愛嬌タップリ。両ドアをパタパタはばたかせて花畑を飛ぶC3の壁紙(シトロエンジャポン(http://www.citroen.jp)にあります)は、ローリングストーンズの「She's a rainbow」にノってクルクル踊る「iMac」のTVCM(覚えてます?)みたいに微笑ましい。
なんて思った人は、世間にも多いようだ。シトロエンジャポンの広報氏によれば、C3のキャッチーなデザインに惹かれてショールームに足を運ぶお客さんが増えたという。販売も好調で、2002年10月のデビューから年末までの間に、「クサラ」の1年分に当たる500台以上を販売した。いわゆる“新車効果”もあろうが、日本法人「シトロエンジャポン」が設立されて初の新型車、C3は成功しつつあるようだ。iMacもデザインがウケなかったら(値段も安かったですが)あんなに売れなかっただろうし、カワイイデザインは強い。
2002年10月から販売された1.4リッターモデル(4AT)に続き、同年12月中旬から、C3の上級グレード「C3 1.6」のデリバリーが始まった。1.4リッターより200cc大きいエンジンを積み、電子制御クラッチを用いて、シフトレバー、またはステアリングホイール裏のパドルでシフトできる「センソドライブ」を組み合わせたモデルである。機械におまかせのオートマチックモードを備え、AT大国ニッポンにも対応。価格は、1.4より17.8万円お高い199.8万円。同じ1.6リッターを積むプジョー「206XS」(4AT、197.0万円)や、フォード「フォーカス1600GHIA」(4AT、197.0万円)、MINI「One」(CVT、205.0万円)がライバルといえるだろう。
免許取り立てより上手
C3のトップグレードたる1.6だが、エクステリア、インテリアとも、1.4リッターモデルとの差異はほとんどない。外観は、1.4リッターに「スタイルパッケージ」というオプションを装着したものと同じ。すなわち、フロントフォグランプ、15インチアルミホイール、ボディ同色バンパーモールを装着する。内装は、シート生地に、細かい起毛があって手触りのよい「ベロア」が使われる。
1.4と明らかに違うのは、ツルっとした銀色のドームから生えるシフトレバーと、レバー手前の「AUTO」と書かれたスイッチ。さらに、ステアリングホイール裏にあるフェラーリ風のシフトパドルだ。パドルは、花畑を飛ぶクルマに似つかわしくない気もするが、金属パーツが用いられて質感は高い。
センソドライブは、エンジン始動直後はAUTOモードのニュートラルに設定され、シフトレバーを奥に倒すか、右パドルを引くとローギアにエンゲージされる。週末で混雑した都内を、まずはオートで走り出した。
電制クラッチは、概して低速でのクラッチワークが苦手だが、センソドライブはかなり洗練されている。半クラッチを長めにとってあるため発進はスムーズだし、丁寧なアクセルワークを心がければ、シフトアップ時のカックンとした減速ショックも少ない。オートでは「免許取り立ての人より上手」なレベル。一方、シフトモードを手動に切り替え、シフトアップに合わせてアクセルを抜くようにすれば、かなりスムーズ。パセンジャーから文句が出ることはないだろう。
抜群の安定性
日を改めて、千葉県は木更津で開催される試乗会まで足をのばした。1.4より10kg重いだけの1.6だが、エンジン出力は2.8kgmと35psも余裕がある。1.4のパワー・トゥ・ウェイトレシオ=14.4kg/psに対して、1.6は9.9kg/ps。街乗りから高速道路までをラクにこなす。
加速時には、まずギアを落とす左パドルをクリック。すると、自動で中ブカしを入れて綺麗にシフトダウンし、カワイイ見かけからは意外なほど、活発な“走り”を見せる。
背高ボディにも関わらず直進安定性は抜群。10mの横風が吹くアクアラインでビクともせず、風速15mのレインボーブリッジでちょっとフラつく程度。速度感応式電動パワステのフィーリングもよく、コンパクトカーであることを忘れさせる重厚感がある。
動力性能的には“ホット”な1.6なので、右へ左へキビキビ曲がる運動性能も期待したいところだが、ハンドリングは安定志向。タイトコーナーを攻め込んで振りまわすより、ドッシリ安定して曲がるのに向く。C3はもともと、普段使いからレジャーまで、街乗りからツアラーまでをカバーする「Versatile」(多様性)を追求したクルマ。「サクソ」やプジョー「106」とは違うのだ。広い室内、荷室を仕切る「モジュボード」、アームレストやオートワイパーなどの快適装備を備え、人と荷物を快適に運ぶ。「ホットハッチ」というよりは、「GTハッチ」の呼び名が似合っていると感じた。
大きな不満だったのが、ブレーキサーボがやたら強いこと。意識してそ〜っとペダルを踏まないと、思い切り前につんのめってしまう。踏み込みスピードがちょっとでも速いと、エマージェンシーと判断されてフルブレーキングするのがコマッタところ。
(文=webCGオオサワ/写真=郡大二郎/2003年3月)

大澤 俊博
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