トヨタ・カローラアクシオ ラグゼール“αエディション”(FF/CVT)【ブリーフテスト】
トヨタ・カローラアクシオ ラグゼール“αエディション”(FF/CVT) 2006.12.08 試乗記 ……263万8650円 総合評価……★★★ トヨタのロングセラー「カローラ」が10世代目にフルモデルチェンジした。140以上の国・地域で販売されるグローバルモデルは、日本の代表モデルでもあるのだろうか?
|
もう少し操る手応えが欲しい
カローラは誕生以来、今年で40周年を迎え、モデルは10世代目にあたる。ベストセラーカーの地位を維持してきた実績は、多数のユーザーに支持されてきた結果ともいえ、日本車を代表する存在ではある。とはいえコレをもって、すべての評価項目において満点とは言いがたい。
価格納得度という観点から見ると、お買い得と感じるのは売れ筋の廉価版のほうだろう。テスト車のような高価格版は、装備品の内容にもよるが、価格で同種の欧州車などと比較してしまうと魅力は薄まってしまう。
もちろんクルマに何を求めるかで納得度合いは異なる。そんな目的限定型ながら「カローラアクシオ」を選ぶ基準は、スタイリングや内装外観の見てくれ的要素が多くを占めると思われる。日本的事情を鑑みると、この方面でのリサーチはうまくいっているように見える。たりないものがあるとすれば、操る手応えであろうか。マニアを唸らせるほどではないにせよ、この部分がもう少しあっても邪魔ではない。
|
【概要】どんなクルマ?
(シリーズ概要)
10世代目の「カローラ」は、セダンの「カローラアクシオ」、ワゴンの「カローラフィールダー」と別々の名前を授かった。エンジンラインナップは1.5と1.8リッターで、どちらもCVT(1.8は7段のマニュアルモード付き)が組み合わせられる。なお、1.5には5MTモデルも用意される。5.8インチ液晶ディスプレイ付きのバックモニターが全グレードに標準装備されるのは、広範なターゲットユーザーを見越してのことだろう。
(グレード概要)
テスト車は1.8リッターの最上級グレードである「ラグゼール」に、各種安全装備を追加した「αエディション」。アンチスピンデバイスのVSC、衝突不可避な場合に被害低減を図るレーダー式プリクラッシュセーフティシステム、先行車との車間距離を測り追従走行するレーダークルーズコントロールに加え、SRSサイドエアバッグまで備わる。内装は木目調パネルが施され、スエード調のシート表皮も奢られる。
【車内&荷室空間】乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★
トヨタラインナップでの序列から考えるに、過不足をもたせず中庸ねらいのデザインを強いられた、と思われる。正統こそベストとされたのであろう、すっきり見やすい厭味のないデザインである。最廉価版だけタコメーターを省略するところはトヨタ商法。膨大なグレード構成とオプションの完備により、クラウン並みの高級装備も可能となる。そうした日本的装備レベルでは世界の大衆車ゴルフを超える。
(前席)……★★★
座面前後長がやや短めなところを除けば、サイズ形状ともにまずまず。シートクッションは柔らかめでコシがたりない感じだが、座り心地は良好。寸法の絶対値はそれほど違わないのに、このクラスの欧州車に比べ広々とした開放感がない。圧迫感のある大ぶりなセンターコンソールはもう古いのではないだろうか? 他の多くのトヨタ車と違い、レバー式サイドブレーキを採用したことは見識だ。
(後席)……★★
後席も座面前後長は少なめ。足元の空間を考えるとやむなしとも思うが、ノーズを詰めても室内前後長の拡大は世界の流行である。高さも確保できるのだから、踏襲継続的な新旧交代だけではなく世代交代を機に発想を転換しないと、進化は望めないだろう。しかし正統派3ボックスの後席という、昔ながらの居場所に座る落ちついたたたずまいを感じる。
(荷室)……★★★
フロアは低く奥行きも深さもある。リッドはほぼバンパー高から開くので、重量物の出し入れなど作業性もまずまず。内張りもきちんとしている。セダンの開口部が狭く感じるのはハッチバックに馴染んだせいだろうか? セダンボディの独立したトランクは、開閉に伴い室内外の温度差を一気に縮めることはないし、臭気などからも隔絶できるという利点がある。
【ドライブフィール】運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★★
特徴のあるエンジンではないが、静粛でスムーズ、高回転までストレスなく回せる。1.8リッターのトルク感としてはやや弱いほうだが、効率のいいCVTゆえに燃費指向のセッティングをとる。ギア比を固定してマニュアルシフトした時には、もう少し1.5との排気量的な優位差がほしいところだが、それだけ1.5がよくできているということか。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★
まったくトヨタ的で、可も不可もなく平穏。このぬるま湯につかっていると、これ以上なにをや望まんという気持ちになってしまう。他との比較では足元の華奢な造りが気になる。ガシッと強固に路面と交渉する感覚は薄い。適正サイズのタイヤにしても限界付近での腰砕けは早め。しかしクルマに何をどこまで要求するかと考えると、コーナリングの限界値より燃費であるとか、耐久強度をクリアすれば操作感覚などどうでもいい……というユーザー側の要求レベルのような考え方もあり、一概に全面否定はできない。
(写真=高橋信宏)
|
【テストデータ】
報告者:笹目二朗
テスト日:2006年11月17日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2006年式
テスト車の走行距離:2533km
タイヤ:(前)195/65R15 91S(後)同じ(いずれもダンロップ SP31)
オプション装備:195/65R15 91Sタイヤ&15x6Jアルミホイール=6万3000円/HDDナビゲーションシステム=24万4650円
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(3):高速道路(5):山岳路(2)
テスト距離:283.9km
使用燃料:22リッター
参考燃費:12.9km/リッター

笹目 二朗
-
MINIクーパーSEポール・スミスエディション(FWD)【試乗記】 2026.8.3 人気のプレミアムコンパクト「MINI」に、特別なデザインが魅力の「ポール・スミスエディション」が登場。著名なファッションブランドがコーディネートしたMINIは、クルマに疎い人も、ブランドに疎い人も魅了する、説得力のある装いの一台に仕上がっていた。
-
トヨタRAV4アドベンチャー(4WD/CVT)【試乗記】 2026.8.1 いまやトヨタの最量販モデルへと上り詰めた「RAV4」の6代目モデルが登場。もちろんトヨタにとっては自信作のはずだが、後を追うライバル勢も着々と進化しており、カスタマーのチェックの目は厳しくなるばかりだ。国内向けでは最廉価の「アドベンチャー」でその仕上がりを試した。
-
ビモータKB998リミニ(6MT)【レビュー】 2026.7.31 ビモータのスーパースポーツ「KB998リミニ」にサーキットで試乗! イタリア職人の手によるフレームに、カワサキの強心臓を搭載した一台は、いかなる走りを見せてくれるのか? クローズドコースだからこそ体験できたマシンの真価に迫る。
-
ポルシェ・マカンGTS(4WD)【試乗記】 2026.7.29 ポルシェの擁する電動のハイパフォーマンスSUV「マカン エレクトリック」に、さらに走りを磨いた「GTS」が登場。エンジンを積まない電気自動車でも、ポルシェならでは、GTSシリーズならではの走りは楽しめるものなのか? 雨のなかの試乗を通して確かめた。
-
シトロエンë-C3マックス(FWD)【試乗記】 2026.7.28 シトロエンのコンパクトハッチバック「C3」に電気自動車版の「ë-C3」が登場。さすがはシトロエンらしく、操作系やスペック、装備の設定、さらには乗り心地にいたるまで、普通のBEVとはひと味違う。誰にでも勧められるクルマではないが、そもそもシトロエンとはそういうポジションだ。
-
NEW
「売れるクルマ」と「いいクルマ」にズレがあるとき、開発者がつくりたいのはどっち?
2026.8.4あの多田哲哉のクルマQ&A「いいクルマが売れるとは限らない」などといわれるが、「売れるクルマ」と「いいクルマ」が一致しないとき、エンジニアが目指したいと思うのはどちらなのか? 元トヨタの車両開発者である多田哲哉さんに聞いてみた。 -
NEW
ホンダ・スーパーONE(FWD)【試乗記】
2026.8.4試乗記ホンダのスポーツハッチバック電気自動車「スーパーONE」がいよいよ公道を走り始めた。その愛らしいスタイリングと走りの楽しさはすでに各所で報告されているが、多くの方が不安に感じているのは“距離”に関してに違いない。幾度かの経路充電を挟みつつ300km余りをドライブした。 -
第341回:「スカイアクティブZ」は大丈夫か
2026.8.3カーマニア人間国宝への道清水草一の話題の連載。夜の首都高に新型「マツダCX-5」で出撃した。マイルドハイブリッドのパワートレインと進化したシャシーが織りなす走りを確かめつつ、ディーゼルエンジンがラインナップから消えた3代目CX-5について考えた。 -
MINIクーパーSEポール・スミスエディション(FWD)【試乗記】
2026.8.3試乗記人気のプレミアムコンパクト「MINI」に、特別なデザインが魅力の「ポール・スミスエディション」が登場。著名なファッションブランドがコーディネートしたMINIは、クルマに疎い人も、ブランドに疎い人も魅了する、説得力のある装いの一台に仕上がっていた。 -
「フェラーリ12チリンドリ マヌアーレ」の“MTごっこ”は、スーパーカーの新スタンダードになるか?
2026.8.3デイリーコラムフェラーリひさびさの3ペダルMT車として注目される「12チリンドリ マヌアーレ」は、実はDCTがベースの“なんちゃってMT車”だ。やはり、超ハイパワー車と伝統的なMTのコンビは無理なのか? 事情に詳しい西川 淳はこう考える。 -
マツダCX-5 G(後編)
2026.8.2思考するドライバー 山野哲也の“目”レーシングドライバー山野哲也が新型「マツダCX-5」に試乗。後編ではマイルドハイブリッド化された2.5リッターエンジンやホイールベースが拡大されたシャシーが織りなす走りをチェック。気になる「スカイアクティブZ」についても聞いてみた。







































