三菱の“オールラウンド4WD”「パジェロ」フルモデルチェンジ
2006.10.04 自動車ニュース三菱の“オールラウンド4WD”「パジェロ」フルモデルチェンジ
三菱自動車は、オフロードもこなせる本格4WD「パジェロ」をフルモデルチェンジし、2006年10月4日に発売した。
■25年、250万台が世界へ
別物とはいえ、過酷なラリーレイド、パリダカで連勝しているように、「パジェロ」は今でも本格的なオフロード4WDというポジションにいる。
1982年にまずは商用バンとして初代がデビュー、1983年に乗用車登録可能となり、以降、1991年、1999年とフルモデルチェンジを繰り返してきたから、今回が4代目となる。これまでの生産台数は250万台。岐阜にある子会社、パジェロ製造から、世界170以上の国と地域へ旅立っていった。
三菱いわく、「オールラウンド4WD=多目的本格4WD」の新型は、基本的に、オンロードにも配慮し近代化を進めた先代の進化版。すなわち、モノコックボディ構造や四輪独立サスペンション、セレクティブ4WD「スーパーセレクト4WD II」、3.8&3リッターV6エンジンなど踏襲しつつ、各所に改良を加えた。
ボディを「ロング」「ショート」2種類用意する点も変わらない。価格は、ロングが262.5万円から436.8万円まで、ショートは241.5万円から348.6万円まで。月の目標販売台数は700台という。
■4つのモードを選択できる4WD
従来どおり“いかにもオフローダー”といったデザインの新型パジェロ。フロントグリルなどに先代との差異を確認できる。広くとったアプローチ/ディパーチャーアングル(ロングで36.6度/25度)や高めの地上高など、悪路走破への対応は一目瞭然だ。
ラダーフレームを捨てモノコック+ラダーとしたシャシーは踏襲されたが、軽量化のためのフードのアルミ化、耐久性・信頼性を高めるボディ接合部の剛性向上、メッキ鋼板の採用拡大など各所にリファインが施された。
また前後ダブルウィッシュボーンの四輪独立懸架も同じくキープされたが、スプリング、ショックアブソーバー、スタビライザー、ゴムブッシュの特性が改良されるなどした。
2種類のエンジンのうち、3.8リッターV6 SOHC「MIVEC」では、低速と中高速、2つのモードを持つ可変動弁機構と可変吸気機構を、低、中、高回転域の3ステージで最適制御。低から高までのフラットなトルクと高出力性能を実現したと謳う。
3リッターSOHC「ECI-MULTI」エンジンは、電子制御スロットルやステンレス板金製エキゾーストマニホルドの採用により、燃費、排出ガス性能の改善を図った。
トランスミッションは、3.8リッターに5段、3リッターに4段のオートマチックを与えた。
自慢のヨンク機構だが、引き続き、4つのモードの切換えが可能な「スーパーセレクト4WD-II(SS4-II)」を採用した。
低燃費走行向けの2WD(後輪駆動)走行モード「2H」、すべてのオンロードと幅広いオフロードに対応する「4H」、センターデフをロックし積雪路や砂地、ダート路など走行抵抗の大きな路面で駆動力を確実に路面に伝える「4HLc」、 ローギア+センターデフをロックし、岩場や泥濘地など大きな駆動力を必要な場合に使用する「4LLc」を選ぶことができる。
さらに、エンジン出力や各輪の制動力を制御、操安性と走破性をバランスさせるという「ASTC(Active Stability & Traction Control)」を改良。リアデフロック作動状態を検出する機能を新たに追加することで、リアデフロックとの同時装着を可能とし、オフロード走破性の幅を広げたという。
装備面では、ロングボディに従来からあった床下収納式のサードシートを継続採用。今回はヘッドレストも床下に収納可能となった。
さらにバックドア部分への収納追加や、高品質な迫力ある音場を実現するという「ロックフォードアコースティックデザイン・プレミアムサウンドシステム」、30GBのハードディスクナビ、後席天井に付くDVD内蔵9インチワイド液晶ディスプレイなどを用意した。
(webCG 有吉)
三菱自動車:
http://www.mitsubishi-motors.co.jp/
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