【F1 2005】第7戦ヨーロッパGP、最終ラップで大逆転、アロンソ今年4回目のV!
2005.05.30 自動車ニュース【F1 2005】第7戦ヨーロッパGP、最終ラップで大逆転、アロンソ今年4回目のV!
F1世界選手権第7戦ヨーロッパGP決勝が、2005年5月29日、ドイツのニュルブルクリンク・サーキット(5.148km)を59周して行われた。
前戦に続き鍵を握っていたのはレース中換えられないタイヤだった。最終ラップに入った瞬間、それまでトップを走っていたキミ・ライコネンのマクラーレン・メルセデスは、タイヤからの震動でサスペンションが壊れクラッシュ、2位のフェルナンド・アロンソに、今シーズン4回目の勝利が転がり込んだ。
2位は自身初ポールポジションから健闘し今年3度目のポディウムにのぼったニック・ハイドフェルド(ウィリアムズBMW)、3位は開幕戦2位以来の表彰台となったルーベンス・バリケロ(フェラーリ)だった。
一時首位を走行したデイヴィッド・クルタード(レッドブル・レーシング)が4位、ミハエル・シューマッハーは5位、スタートを中断させピットレーンからレースに臨んだジャンカルロ・フィジケラが6位、スタート後の1コーナーでマーク・ウェバー(ウィリアムズBMW)と接触したファン・パブロ・モントーヤが7位。そして8位には、フォーメーションラップ前にクルーの退去が遅れペナルティが科されたヤルノ・トゥルーリが入り、最後の1点を手に入れた。
2レース出場停止後の初レース、BARホンダ勢はあがらぬペースに苦戦。ジェンソン・バトン10位、佐藤琢磨12位と下位に沈んだ。
■タイヤ無交換ルールの是非
ライコネンの3連勝が目前と迫った59周目、タイトな1コーナー手前で、マクラーレンの右フロントサスペンションから火花が飛び散り、タイヤが宙に跳ね上げられた。マシンとタイヤを繋ぐホイール・テザーのおかげて、高速で回転する大きな黒いゴムの塊がドライバーをヒットすることは何とか避けられた。マシンはバランスを崩し、幸いにも前方のジェンソン・バトンと接触することなく、タイヤバリアまで滑り止った。
レース終盤、ライコネンがタイヤに問題を抱えていたのは傍目にも明らだった。フラットスポットができた右前タイヤは、激しいバイブレーションを生み出し、いつ粉々になるかわからないほどまで悪化していた。
しかし、2位アロンソが猛追を始め、ライコネンはペースを落とせない。無理をとおそうとする満身創痍のマクラーレンには、あまりに異常な状態にあるタイヤを換えるという選択肢もあったはずだが、勝利を目の前にしてはその決断はあまりにも酷だった。あと1周という時点で、ライコネン/マクラーレンの賭けは凶と出てしまった。
今年から導入されたレース中のタイヤ無交換ルールが、レースをおもしろくすることも多々あったが、同時に危険をもたらすこともある。今回、フェリッペ・マッサのザウバーにもタイヤによるトラブルが起きた。
今回のレースから予選方式が1回へと変更された。ライコネンの衝撃的な事故により、このタイヤ・ルールを巡る論議にも火がつきそうである。
(webCG 有吉)
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