「ホンダ・ステップワゴン」一新、イメチェン3代目は“低床ミニバン”
2005.05.26 自動車ニュース「ホンダ・ステップワゴン」一新、イメチェン3代目は“低床ミニバン”
本田技研工業は、3列シート8人乗りミニバン「ステップワゴン」をフルモデルチェンジし、2005年5月26日に発表、翌27日に発売する。
■自慢の低床・低重心プラットフォーム
1996年5月に初代がデビューした、5ナンバーサイズの3列シートミニバン「ステップワゴン」。ボクシー&シンプルなピープルムーバーは、その後ホンダのヒットモデルとして成長、2001年4月にはボディを若干広げ、シートアレンジを改良しつつも初代のコンセプトをキープした2代目にバトンが渡された。
3代目のステップワゴンは、これまで築いてきたイメージを大きく変えて登場した。
ホンダが「フィット」で先駆をつけた“低床化”を、新開発のプラットホームに適用。薄型燃料タンクやコンパクトというH型トーションビーム式リアサスペンション、薄型サイレンサーなどにより、車内の広さはそのまま、全高を75mm、フロアを60mmそれぞれ下げた。
またショートノーズとし全長を45mmダウンサイジング。低さがもたらす良好な乗降性のみならず、運転のしやすさの向上を図った。
リアのスライドドアは両側に設けられ、またワンアクションでアレンジ可能な2、3列目シート、ホンダが「乗用車初」と謳う自動車用「フローリングフロア」などを取り入れた。
パワーユニットは、先代同様2リッター(155ps)と2.4リッター(162ps)の直4「i-VTEC」エンジン。2リッターには今までどおり4段ATを、2.4リッターのFFモデルには7スピードモードの付いた無段変速機CVTを組み合わせる。なお2.4リッター+4WDは5段ATである。
価格は、199.5万円から281.4万円まで。月の販売計画台数を8000台に設定する。
■木目柄フロアで“リビングルーム感覚”
新しいプラットホームに載るボディは、FF仕様で全長×全幅×全高=4630×1695×1770mmで、サイズ的には全車5ナンバー枠に収まる。全長が45mm短くなる一方、ホイールベースは50mmも延長され2855mmとなった。
外側こそコンパクト化されたものの、車内の広さは先代と変わらず。高さ1350mm、長さ2800mmという数字は、成型自由度の高い樹脂を用いた薄型燃料タンク(FFで57リッター)や、ダブルウィッシュボーンから変更された、ダンパーとスプリングを別体にして床下に配置するH型トーションビーム式リアサスペンションなど、ホンダ自慢の低床技術の結実という。
地面からフロアまでの高さを390mmとし、子供やお年寄りでも乗り降りがしやすいようにした。さらに両側に設けられたリアスライドドアは開口幅を25mm拡大し、2、3列目へのアクセスも改良された。
挟み込み防止機能付きのパワースライドドアは一部に標準装備、他グレードではオプション設定。後ろのテールゲートの電動自動開閉機能は一部でオプションとして選べる。
ミニバンといえばシートアレンジだ。スライド量120mmの2列目は、ワンアクションでシートバックを前に倒し、シートクッションとともに前方へ跳ね上げることができるタンブルシートで、回転させ3列目と対座できる仕様も用意。190mmスライドする3列目は、5:5で分割し、左右へ跳ね上げるタイプを採用した。
ラゲッジスペース長は最大で1675mm、幅は830mm(跳ね上げた3列目の間)、容量は最大1541リッターになるという。
「乗用車初」をアピールするフローリング調フロアは、ライバルとの差別化を図る上でのひとつのセリングポイント。フラットな床面に本物の木からおこした木目柄をプリントした樹脂製で、「リビングルーム感覚の空間を演出」(プレスリリース)。表面は耐磨耗性に優れるという硬質クリア層のコーティングがされ、汚れを簡単にふき取ることも可能。滑りにくい工夫も凝らされているという。
エンジンは先代と型を同じとする2つの直4で、双方ともバルブタイミング・リフト機構こと「i-VTEC」を搭載。2リッターユニットは5ps、0.3kgmダウンされ155ps/6000rpm、2.4リッターの最高出力は発生回転が300rpm下がり162ps/5700rpm、最大トルクは0.2kgm細くなり22.2kgm/4000rpmとなった。
トランスミッションは4段ATがメインだが、2.4リッター+FF仕様では、トルコンを用いたCVTを採用。ステアリングホイールに備わるパドルでシフトできる7スピードモードが付く。
(webCG 有吉)
本田技研工業「ステップワゴン」:
http://www.honda.co.jp/auto-lineup/stepwgn/
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