日産モータースポーツ活動、メインは「Z」のJGTC
2004.02.11 自動車ニュース日産モータースポーツ活動、メインは「Z」のJGTC
2004年2月10日、日産自動車は、今シーズンのモータースポーツ活動報告会を都内ホテルで開いた。
■「『GT-R』で培った技術を」
日産のモータースポーツ活動の要となるのが、国内で人気を博している全日本GT選手権(JGTC)だ。
2003年はいわば“日産の年”だった。GT500クラスではザナヴィニスモGT-R(スカイラインGT-R)の本山哲/ミハエル・クルムが、またGT300クラスではハセミスポーツ・エンドレスZ(フェアレディZ)の木下みつひろ/柳田真孝がドライバーズタイトルを獲得。GT500ではチームズタイトルをも手中に収め、この年で姿を消すGT-Rの花道を飾った。
2004年、日産は“伝説のマシン”GT-Rに替わり、フェアレディZをGT500に昇格させる。現行生産車であり(GT-Rは生産を終えている)、グローバルに認められている“スポーティなアイコン的存在”を、活況を呈しているJGTCのトップクラスに投入することで、技術力とブランドイメージを高め広めていきたい考えだ。
「GT-Rで培った技術をZで活かしいく」というのは、今年よりGT500での日産の総監督を務める柿本邦彦。「目標は、トップ争いができること。いつものように強気でいえばチャンピオンを獲って2連覇したい」と同氏は語る。
GT500向けZは、昨年10月にシェイクダウンを終え、先週の時点まで計4回のテストを行ったという。「速さはめいっぱいのところまできている。耐久性、そしてレースでの速さは80%といったところ」(柿本)。
体制は、3チーム4台だ。NISMOチームは、柿元が総監督に就任したことで助監督だった出川洋が監督に昇格。ドライバーは、ディフェンディングチャンピオンの本山とリチャード・ライアンのペア、そして昨年本山とタイトルを獲ったクルムと影山正美の2組を擁する。マシン名は、本山/ライアン組がチャンピオンナンバー「1」を付ける「ザナヴィニスモZ」、クルム/影山組が「モチュールピットワークZ」となる。
昨年GT300でZをチャンピオンに導いたハセミモータースポーツは、GT500に返り咲き。長谷見昌弘監督が采配を振り、ホンダから“移籍”した金石年弘と、ベテランのエリック・コマスが「G'ZOX SSRハセミZ」のステアリングを握る。
もう1チームは、星野一義率いるチームインパル。ドライバーは井出有治とブノワ・トレルイエで、「カルソニックインパルZ」を駆る。
■「複雑な心境で……」
日本を飛び出し、F1レギュラーシート獲得のためルノーチームのテストなどにトライした本山哲。NISMOドライバーとしてJGTCに参戦することが明らかになったことで、今年GPデビューを果たすことは見送られた。
「交渉を続けていたF1チーム(ジョーダン)に不透明なところが多く収集がつかなくなってきてしまった」と苦悩を語るチャンピオン本山。「ズルズルと引きずるのは好きではなかったし……複雑な心境でこの冬を過ごしていた」。
時間は刻々とすぎていった。そんな折り、以前から話をもらっていたNISMOでのJGTC参戦が決まった。
いまのところJGTC以外の活動は未定だが、引き続きF1シートを狙いつつ、フォーミュラニッポンや海外シリーズ参戦の可能性を探っていきたいと語る本山だった。
■「残念ながら7位」
JGTCと並ぶ日産モータースポーツの重要カテゴリーが、“パリダカ”ことダカールラリーだ。
日産が「ピックアップ」でワークス参戦を始めたのは2003年大会から。4年計画の2年目の2004年、前年より上位(つまり5位以上)を目指し、アリ・バタネン、コリン・マクレー、ジニール・ドゥヴィリエ、イヴ・ルーベの4ドライバーが砂漠に挑戦したが、結果は「残念ながら7位」(佐々木健一NISMO社長)。信頼性がネックとなった今回の反省を踏まえ、次回大会に向けてマシン、体制の立て直しを図る。
日産にとっていいニュースは、若手育成「ルーキープログラム」から、元二輪ライダーの池町佳生、三橋淳が出場し、池町が日産「パトロール」(日本名:サファリ)でT1クラス優勝したこと。同プログラムは次回以降も引き継がれるという。
■サポート支援、海外での活動
その他、入門クラスのワンメイクレースシリーズ「マーチカップレース」も継続開催。JGTC GT300クラスをZで戦うチームダイシンのサポートや、ドイツ・ニュルブルクリンク24時間レースに参戦するファルケンGT-Rのエンジン開発などを手がける。
また、スペインを中心に開催される“ダッラーラ・ニッサン”ことワールドシリーズbyニッサン、アメリカのフォーミュラシリーズ、インフィニティプロシリーズへの協賛なども行うという。
(webCG 有吉)
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