スズキ・ツイン ガソリンB(3AT)【ブリーフテスト】
スズキ・ツイン ガソリンB(3AT) 2003.05.14 試乗記 ……84.0万円 総合評価……★★★★
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社会福祉的
五反田駅の前にスマートが2台。「オヤ、珍しい」と思って観察したら、どちらも品のいい白髪のご婦人がステアリングホイールを握っていて、1台はご主人を、もう1台はお孫さんとおぼしき女子学生を送りに来ていた。
「なるほどなぁ……」
スマートは、クルマ社会を構造的に見直す意図も含めて開発されたシティコミューターだが、東洋の島国では、もうすこし“ライトな”捉え方をされているようだ。気を遣わない小さなボディ、小回りが利いて、洒落た外観で、都会にピッタリ、と。
「スズキ・ツイン」は、いわば“スマートの和風解釈”。スマートの電磁クラッチに不満をもっていた向きには、待望のトルコンAT車。
ポワンと丸基調の外観はユーモアたっぷり(ただし、ホイールカバーがカマトトに過ぎる?)。リーズナブルな価格。ドコにでも置けそうな専有面積の小ささ。エンジンは0.66リッターなれど、600kgと軽いボディゆえ、動力性能もあなどれない。駐車場確保を迫られる都会より、むしろ地方での活躍が期待される軽2シーターだ。
最小回転半径3.6m。振り向けばそこにリアガラスがあるバックのしやすさ。違和感ない運転感覚。ドライバーに優しい、気の置けないクルマ。ツインは、お手軽なコミューターであると同時に、お年寄りの行動範囲を広げる手段となる社会福祉的側面も見逃せない。「市場調査の意味合いもあり、月産200台」(スズキ)なんて言わないで!
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【概要】どんなクルマ?
(シリーズ概要)
ツインは、「アルト」のプラットフォームを切りつめてつくられた2人乗り軽自動車。2003年1月22日に発表された。0.66リッター直3ツインカムと、そのエンジンにモーター、鉛電池を組み合わせたハイブリッドモデルがラインナップされる。駆動方式は、すべてFF(前輪駆動)となる。
(グレード概要)
ツインは、「ガソリン」と「ハイブリッド」に大別される。エアコン、パワステ、パワーウィンドウなどを省略した「ガソリンA」(5MT/49.0万円)、それらを装備した「ガソリンB」(3AT/84.0万円)、同じく装備を簡略化した「ハイブリッドA」(4AT/129.0万円/受注生産)、搭載した「ハイブリッドB」(4AT/139.0万円)がカタログに載る。メインモデルは、いうまでもなくテスト車の「ガソリンB」だ。
【車内&荷室空間】乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★
“プラスチッキー”という言葉が久々に使えるインパネまわり。ステアリングホイール、コラム、センターコンソール、ダッシュパネルなど、パーツごとの樹脂の色合いが異なるのも気になるところだが、だがしかし、「それがどうした」という割り切りが、ツインにはある。フロントガラスのまわりのスポット跡が丸見えなのも、潔くてよろしい。とはいえ、多少は“剥き出し”を逆手にとった工夫があっても……。
大きく見やすい速度計、エアコン、オーディオと、日常使うのに不足ない装備。ただし、助手席側に窓の開閉スイッチがないのはいかがなものか。まあ、助手席からでも、手を伸ばせばすぐに運転席側ドアには届くけれど。
なお、テスト車に装着される「ラジオ+CDプレイヤー」は、2万6200円のディーラーオプション。
(前席)……★★★
明らかにスマートを意識したシート形状が、残念といえば残念。座りごこちが(軽自動車としては)なかなかイイだけに。一体型になった背もたれはしっかりしていて、短い全長を忘れさせる(?)安心感がある。助手席の背は、背面の帯を引くと倒れ、荷室を合わせて140cm程度の長尺モノを収納できる。
なお、ドライバーズシートから振り返ると、すぐそこにリアガラス。バックのときに楽だ。ボディサイド後部にクオーターガラスが設置されるが、ドライバーからは助手席バックレストが視界を遮るため、荷室を明るくする役にしか立たない。
(荷室)……★★
ツインにハッチゲイトは切られず、かわりにキーによってリアガラスを開閉、荷物を出し入れする。隣の奥様と買い物に出かけて、助手席を荷物置きに使えないときに有効。
床面最大幅105cm、奥行き50cm、天井までは75cm。フロア全面が、深さ約6cmの「ラゲッジボックス」のフタになっている。荷室は基本的に外から丸見えなので、多少なりとも人目をはばかるモノは、ラゲッジボックスに。
【ドライブフィール】運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★
アルトと同じ0.66リッター直3DOHC12バルブ(44ps、5.8kgm)を搭載。「K6A」型と呼ばれるオールアルミユニットで、「ビーン!」と独特のフィールをもって元気に回る。「超−低排出ガス(☆☆☆)」認定を受けるエコユニットで、自動車取得税が9000円減額になる(平成15年3月31日まで)。ちなみに、カタログ燃費は、「10・15モード」で22.0km/リッターを謳う。
トランスミッションは、ハイブリッドモデルは4段ATが奢られるが、こちらは3段。街乗りに徹するならこれで十分だ。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★
アルトより560mmも縮められたホイールベースゆえ、ゆったりとした乗り心地は期待できない(期待するヒトもいまい!?)。路面によっては、細かい突き上げが気になることも。
一方、ツインを運転していて楽しいのは、2輪馬車もかくやの軽快感。驚くのは、ファニーな外観からは想像できない快速ぶりで、それもそのはず、ツインのウェイトは、アルトより100kg以上軽いのだ。なお、「ハンドリング」とは次元の違うハナシだが、回転半径の小ささは特筆モノ。「その場で」といいたくなるほど、クルリと回る。Uターンをしたときなど、ボディの短さとあわせ、キツネにつままれたよう。
(写真=清水健太)
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【テストデータ】
報告者:webCG青木禎之
テスト日:2003年2月6日から10日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2003年型
テスト車の走行距離:−−
タイヤ:(前)135/80R12 68S(後)同じ
オプション装備:--
形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(8):高速道路(2)
テスト距離:−−
使用燃料:−−
参考燃費:−−

青木 禎之
15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。
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