ホンダ、新型MPV「エレメント」発表
2003.04.16 自動車ニュースホンダ、新型MPV「エレメント」発表
本田技研工業は、北米生産モデルである新型MPV「エレメント」を、2003年4月16日に発表した。発売は4月18日。
■いわば北米版「モビリオ・スパイク」
「エレメント」は、アメリカで「ジェネレーションY」と呼ばれる、20代前半の若者をターゲットにつくられた5人乗りのMPV(マルチパーパスヴィークル)。企画から開発、生産をアメリカで行った、いわゆる“逆輸入車”だ。
キャッチフレーズは、「GO OPEN!遊びの入り口、広げました」。タフなイメージのボクシーなデザインと高いユーティリティ性がセリングポイント、という若年層を狙ったコンセプトは、「モビリオ・スパイク」のそれと似ている。
ワールドプレミアは2002年3月のニューヨークショーで、北米では同年12月から販売されている。
センターピラーレス&左右観音開きの「サイドアクセスドア」がジマン。パワートレインは、北米版「アコード」にも積まれる2.4リッター直4 DOHC16バルブに、4段ATの組み合わせ。駆動方式は4WDのみで、トリムレベルのないモノグレード構成となる。価格は259.0万円。月の販売目標を1000台に設定する。
■濡れたままでもOK
外観は、海辺でライフガードが待機する「ライフガードステーション」をモチーフにデザイン。流れるようなボディラインをあえて使わず、ツートーンの面構成と骨太の構造物をイメージし、機能と個性の両立を目指したという。
ボディサイズは、全長×全幅×全高=4300×1815×1790mm、ホイールベースは2575mm。「オデッセイ」と較べると、全長で545mm、ホイールベースは255mm短いが、横幅は15mm広い。
特徴的な「サイドアクセスドア」は、前が最大78度、後は90度開口。高さ1140mm、幅1550mmの“大口”で、「心までもオープンにする開放感を実現しました」(広報資料)。リアゲートは上下2分割式の「クラムシェル・テールゲート」。荷物やひとの乗降がスムーズに行える「マルチアクセス」がポイントという。
インテリアは、気兼ねなく使えるよう、余分な装飾のないシンプルな空間にしたという。腕時計をイメージした独立3眼メーター、インストルメントパネル中央からニョキっと生えるシフターなどが目に飛び込む。
シート配置は前後2列の独立式。後席は280mmスライドできるほか、(定番の)フルフラットなどのシートアレンジが可能。リアシートを左右に跳ね上げれば、フラットなカーゴスペースが広がる。さらに助手席を倒せば、10フィート(約3m)のロングボードも収納できる、と説明される。
成形自由度の高い樹脂製燃料タンクなどを採用し、低床&フラット化を実現。汚れや水に強く、モップなどで拭き取れる「ワイパブルフロア」を採用し、濡れたままのサーフボードなどを載せても、簡単に拭き取ることができるという。シート表皮にも撥水加工が施されるので、海から上がってそのまま乗り込むこともできるなど、アウトドアユースを意識したつくりだ。
■160ps、22.2kgm
2.4リッター直4 DOHC16バルブ「i-VTEC」エンジンは、160ps/5500rpmの最高出力と22.2kgm/4500rpmの最大トルクを発生。エレメント用にチューニングされたという4段ATと組み合わされる。
駆動方式は、油圧多板クラッチを備えた4WD。通常はほぼFF(前輪駆動)状態で走り、雪道や泥濘地など走行状況に応じて後輪に駆動を伝える。
環境性能は、平成12年度基準排出ガス75%低減レベル「超-低排出ガス」認定に加え、平成22年燃費基準に適合。グリーン税制の優遇措置が受けられる。10・15モード燃費は、リッター10.6km。
サスペンションは、フロントがマクファーソンストラット、リアはダブルウィッシュボーン。リアサスペンションは、コンパクトなダンパーの採用やレイアウトを工夫し、荷室への張り出しを抑えたという。
装備品として、オートエアコンやキーレスエントリー、電動格納式リモコンドアミラーなどが備わるが、オーディオは付かない。安全装備は、EBD付きABSや、前席SRSエアバッグなどを標準装備する。
(webCGオオサワ)
本田技研工業「エレメント」:
http://www.honda.co.jp/auto-lineup/element/
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