「ブレーキの遊びが大きくなった」
2003.02.14 クルマ生活Q&A ブレーキ「ブレーキの遊びが大きくなった」
毎月、楽しく『NAVI』と『CG』を読んでます。今回うかがいたいのは、ブレーキの“遊び”についてです。私は1995年型の「スバル・レガシィ」を中古で購入したのですが、最近ブレーキの遊びが大きく、かなり深くまでブレーキペダルを踏み込まないと必要な制動力が得られません。これは経年劣化によるものなのでしょうか? ブレーキパッドの消耗等も考えたのですが、パッド消耗時の「キー」という音は聞こえないので、もしかしたらほかに原因があるのではないかと考えております。どうして、私のクルマは、すぐにブレーキが利かないのでしょうか。(MTさん)
お答えします。「キー」という警告音が鳴ってからブレーキパッドを交換するようでは遅すぎるといったほうがよいでしょう。ボンネットを開けて、ブレーキフルードの入った容器を確認してください。ブレーキフルードの量が、容器に刻まれたミニマムに近づいていたらパッドの点検をしなければなりません。
ディスクブレーキは、ディスクローターとパッドのクリアランスが自動調整されますから、ブレーキペダルの遊びは変わらないように思われます。しかし実際には、ブレーキパッドが減ってくると、キャリパーのピストンの飛び出しが大きくなり、またフローティング側のキャリパーを固定しているピンの剛性が落ちるので、ブレーキキャリパー自身の剛性が低下します。そのため、ペダルをより強く、深く踏まなければ、本来の制動力が得られなくなるのです。
これからは警告音に頼らず、ブレーキフィールに注意したり、フルードの量をチェックして、早めのメンテナンスを心がけて下さい。

松本 英雄
自動車テクノロジーライター。1992年~97年に当時のチームいすゞ(いすゞ自動車のワークスラリーチーム)テクニカル部門のアドバイザーとして、パリ・ダカール参加用車両の開発、製作にたずさわる。著書に『カー機能障害は治る』『通のツール箱』『クルマが長持ちする7つの習慣』(二玄社)がある。