ポルシェ「カイエン」【パリサロン02】
2002.09.27 自動車ニュース【パリサロン2002】ポルシェ「カイエン」
「パリ・モーターショー」(Paris Mondial de l'automobile)、通称「パリサロン」が、2002年9月26日のプレスディで幕を開けた。自動車ジャーナリストの河村康彦が、現地から話題のモデルをレポートする。
■ファーストカーとして使えるスポーツカー
今回のショーの目玉のひとつが、ポルシェ初のSUV「カイエン」だ。全長×全幅×全高=4782×1928×1699mmという大柄なスリーサイズを持つボディに、新開発のアルミ製4.5リッターV8エンジンを搭載。メインマーケットのアメリカを意識した内容だ。
このモデルは、初のSUVという点に注目が集まっているが、史上初の“4ドア・ポルシェ”でもある。パリサロン開催の前日に市内のホテルで行われたプレスカンファレンスで、独ポルシェAGのW・ヴィーデキング社長は、「このクルマは、ファーストカーとしても使えるモデルである」と強調した。ちなみに「911」「ボクスター」に次ぐ“ピュアポルシェ”第3弾のカイエンも、「紛れもないスポーツカー」であるという。もっとも、その言葉に対して複雑な思いの残る長年のポルシェ・ファンも少なくないだろうが・・・。前述のカンファレンスで首脳陣が語った言葉の端ばしに、そうした疑念を何とか払拭したいというニュアンスが感じられたのは、気のせいであろうか?
ドイツでは2002年12月7日に販売開始のカイエンのラインナップは、340psを発するNAユニット搭載の「S」と、450psという怒涛のパワーを誇るツインターボ付きエンジンモデル「ターボ」の2種類。ヨーロッパ市場では必ず設定されるといっていい、ディーゼルエンジンモデルについては、「台数的に割が合わない」「スポーツカーらしい、4000rpm付近からのパワーの盛り上がり感が期待できない」「排ガスのクリア度を高めることが困難」といった理由から、リリースされる可能性はないという。
筆者は、ドイツのニュルブルクリンクを猛烈な勢いで掛け抜けるテスト中のカイエンを、1年ほど前に目撃した。そのスーパーな走りを一刻も早く味わってみたい。
(河村康彦)
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