日産ブルーバードシルフィ20XJ Gパッケージ(CVT)【ブリーフテスト】
日産ブルーバードシルフィ20XJ Gパッケージ(CVT) 2000.10.11 試乗記 ……245.3万円 総合評価……★★★「名」を残して……
省燃費や排ガスのクリーンさが特徴の1.8リッターモデルに較べると、ブルーバードシルフィの2リッター版は少々インパクトに欠ける。
なにせ「2リッターセダン」は冬の時代。トヨタでさえ、コロナとビスタを合わせて月間販売台数4000台をなんとか超えることができる程度。モデルチェンジが近いとはいえ、あのプリメーラが2000台に届かず、アコードも1000台売れれば上々という惨憺たる有り様。シルフィでも、1.8リッターモデルが販売上の主力だろう。
とはいえ、トップモデルの役割を果たすのが2リッターバージョン。そのため、「高級感」をウリとするシルフィに、わざわざ6段マニュアルシフト付きCVTを設定。また、日産の1.8、2リッター直4ユニットとして長年働き続けた「SR」型に代えて、新設計のQRエンジンを搭載したことも要注目だ。
ブルーバードシルフィ。名前はブルーバードでも、足まわりを含めたフロアパンはサニーと共通。では、現時点で併売されるブルーバードはどうなる?
ラインナップ縮小を掲げる日産の思惑はいわずと知れる。
名前は残るが、かつて日産車の中核を担った「ブル」のイメージは、シルフィには見あたらない。
【概要】 どんなクルマ?
(シリーズ概要)
サニーのプラットフォームに、「ラウンドルーフフォルム」と呼ばれる柔らかいルーフラインのボディを載せた4ドアセダン。「細部にわたって上質」をキャチフレーズに、40?50代の「こだわり派」団塊世代を狙う。2000年8月30日デビュー。1.5、1.8、2リッター、3種類のエンジンに、順に、CVT、4AT、5MTか4ATのトランスミッションが組み合わされる。1.8リッターに4WDあり。シルフィのサブネームは、風の精シルフィードから。
(グレード概要)
20XJ Gパッケージは、新開発2リッター「QR」エンジンを積むシルフィの最上級グレード。革巻きステアリングホイール、シフトノブほか、スーパーサウンドシステムなど装備を充実した「Gパッケージ」のみの設定となる。なお、QRユニットは、今後の2、2.5リッターレンジを担う、コンパクトかつ低燃費を狙ったエンジンだ。筒内直噴型も用意される。
【車内&荷室空間】 乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★★
スイッチ類の大きさ/配置などは使いやすい。普段の足として使われるのにふさわしい。50から60代の購買層を云々するまでもなく、実用的なデザインは評価に値する。
一方、インストルメントパネルやドアトリムなどに、ウッド調パネルがこれほど必要なのだろうか。目にうるさい感じさえする。高級感を演出する術はほかにもあるのでは?
(前席)……★★★
レザーシートの仕立てはクラスを考えれば上々の出来。上質な革が生み出す、包み込むような感触には乏しいが、カフェラテ色の室内の雰囲気にはよく馴染む。グレーの暗い色調がのさばる日本車の中では貴重。頭上高など、前席空間の余裕は充分。
(後席)……★★★
子育てから解放された年輩の夫婦でも、後席に人を乗せる機会は少なからずあるはず。ルーフラインの滑らかさなどスタイリングを重視した影響か、サイドウィンドーがルーフに向かって絞り込まれているので、リラックスして過ごすには横方向に余裕がなさすぎる。
(荷室)……★★★
大きめのボストンバッグを4、5個積む、2泊3日、夫婦2組の小旅行という条件なら、充分にこなす容量をもつ。奥行きの深さが効いている。左右幅にも余裕がある。
【ドライブフィール】 運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★
日産自慢の6段シーケンシャルシフトが可能な「ハイパーCVT M-6」は、街なかをゆったりと走るには過剰装備。山道などでしか使い道がない。
確かにアイドリングの低さは停止時の静粛性や燃費に好影響を与えるだろう。CVTならではの、3000rpm付近のトルクバンドを使い切るセッティングも理解できる。それでも、パワーを求めて3500rpmあたりまで一気にスロットルを踏み込むと、CVT特有の金属質の唸りが盛大に室内に響く。エンジンからの振動は巧みに遮断されているので、かえってCVTをウルサク感じる。
QRユニットは、低回転域から太いトルクを発生するので、低速での扱いやすさに不満はない。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★★
やんわりとした当たりの純日本的セッティング。目地段差で「ドスン」と強めの衝撃を喰らうのも、この足まわりなら当然か?とはいえ、ブリヂストンB391という省燃費タイアを履いているのに、山道を走らせてもロールの量/速度とも適度に抑えられ、しっかりとグリップする感覚があるのはサスペンションの基本設計が確かな証拠だ。
(写真=荒川正幸)
【テストデータ】
報告者:CG編集部 岩尾信哉
テスト日:2000年9月13日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2000年型
テスト車の走行距離:--
タイヤ:(前)185/65R15 88S/(後)同じ(いずれもブリヂストンB391)
オプション装備:ナビゲーションシステム(20.0万円)/サイドエアバッグ(5.1万円)/本革シート(14.0万円)
テスト形態:ロードインプレッション(プレス向け試乗会)
走行状態:市街地(7):山岳路(3)
走行距離:--
使用燃料:--
参考燃費:--

岩尾 信哉
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