トヨタ・ブレビスAi250(5AT)【ブリーフテスト】
トヨタ・ブレビスAi250(5AT) 2001.06.23 試乗記 ……391.8万円 総合評価……★★★★守旧派の仮面
「低く小さなキャビンがカッコいい」をテーゼにするマークII路線からの脱却を図るパイロットモデル第2弾。FRセダンながら高く広い居住空間がジマンのプログレを、もうちょっとわかりやすいスタイリングで解釈しなおした。トレードオフは、3ナンバーサイズに広がった横幅。マークII3兄弟より上位のモデルとされる。
押し出しのきく大きなグリル、ふんだんに使われたウッドパネル、手の込んだシート地と、説明不要の豪華さ満載。背面から柔らかい光で照らすオプティトロンメーター、クロック、オーディオ類を、ほんのり半透明に光らせる新趣向にトライ。新たな「贅沢」を模索する。また、世のオジサン方にコンプレックスなくラグジュアリーサルーンを楽しんでいただくため、ペダル類を電動で前後に動かす「パーソナルドライビングポジションシステム」も新しい。
ナビゲーションシステムと連動してシフトする「NAVI AI-SHIFT」、操作系を集中した「エレクトロマルチビジョン」、縦列駐車をガイドする「バックガイドモニター」、車間距離を保持する「レーザークルズコントロール」、緊急連絡システム「ヘルプネット」ほか、前席ダブル&サイドエアバッグ、前後席カーテンエアバッグなど、装備満載、オプション豊富。ブレビスは、守旧派の仮面をかぶった新技術検証・浸透モデルである。
【概要】 どんなクルマ?
(シリーズ概要)
ブレビスは、2001年6月4日に発表されたオーソドクスな4ドアセダン。マークII、プログレと同じプラットフォームを用いる「トヨタ店」対策車。ブレビスの名は、英語の「brave(勇敢な)」に由来する。なぜ「ブレヴィス」でないのか? 車体寸法を5ナンバー枠に収めたプログレに対し、こちらは全幅1720mmの3ナンバーサイズ。3リッター、2.5リッター、2種類のストレート6をラインナップし、FRのほか、2.5リッター搭載車には4WDモデル「i-Four」が用意される(2001年10月発売予定)。トランスミッションは、FR車が5段AT、四駆が4段ATとなる。
(グレード概要)
ブレビスのグレード構成はシンプルで、「Ai300」「Ai250」「Ai250 Four」の3種類。価格は、377.0万円、337.0万円、367.0万円。Ai300とAi250の装備面での違いは、前者には標準の、ペダル位置まで調整できる「パーソナルドライビングポジションシステム」、サイドエアバッグ(前席)、カーテンエアバッグ(前後席)、クルーズコントロールなどが、テスト車のAi250ではオプションとなること。オーディオ類も同じCD/MD一体型ラジオながら、3リッターモデルはCD6連奏である。
【車内&荷室空間】 乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★★
ふんだんに使ったウッドパネルで、“高そう”をわかりやすく演出。インパネまわりは、デザインに拘泥することなく、機能を前面に押し出すトヨタ流のひとつの典型だ。センターコンソールの高い位置に置かれたディスプレイ左右下には、大きめのボタンがズラリと配置される。メーターナセル内のオプティトロンメーター、時計、オーディオ類のフェイス(!)は、「グラスグリーン」と呼ばれる「クリスタル照明」が当てられ、半透明に浮かび上がる。独特のセンス!?
(前席)……★★★★
ソファー然とした見かけよりよほど硬めの座り心地。運転席は、座面だけでなく、バックレストも含めたシートそのものの角度を動かす電動調整機能をもつ。もちろん、スライドも電動だ。ドメスティックテイストの、凝った織りのトリム類が、これまたわかりやすい“高そう”。「高性能脱臭効果」付き。
(後席)……★★★
FRセダンゆえ、太いセンタートンネルがシャシーを縦断するが、リアシート左右のスペースに不満はない。安楽な空間だ。ただし、3点式シートベルトが備わるセンターの席は、大人が座ると頭が天井につく。ヘッドレストの長さも足りないので、成人向きではない。
(荷室)……★★★
床面最大幅155cm、奥行き94cm、高さ50cmのラゲッジルーム。ブレビスは4輪ダブルウィッシュボーンのサスペンションをもつため、ホイールハウスの張り出しは大きめ。ホイールハウス間の幅は80cmとなる。リアセンターを貫通するトランクスルーが可能だ。
【ドライブフィール】 運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★★
強まる一方の「エミッション」「燃費」規制に対応すべく、急速に搭載モデルを拡大する「D-4」直噴ユニット。ストレート6というシリンダー配列に、なんら記号性も感じさせない静かな動力源。1520kgのボディに「200ps」「22.5kgm」で、十分至極。滑らかな5段ATは、モード、シフトパターンを変化させるだけでなく、ナビゲーションシステムからの情報を活かしてギアを選択する「NAVI AI-SHIFT」を備える。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★
トヨタ車特有のトロッとした乗り心地。タイヤ、サスペンション、ステアリングコラムなどを通して、ドライバーが直接的な入力を得ることはない。ハイスピードクルージングが求められない日本の交通事情にあって、最大公約数の「乗り心地のよさ」。山道でも「D」レンジのままでかなり活発に走る。が、一定のレベルを超えると、たちまちトラクションコントロール、VSCが慇懃無礼に介入して、“トヨタライド”の破綻を許さない。
(写真=河野敦樹)
【テストデータ】
報告者:webCG青木禎之
テスト日:2001年6月15日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2001年型
テスト車の走行距離:1417km
タイヤ:(前)205/55R16 89V/(後)同じ(いずれもヨコハマ Advan A-460)
オプション装備:レーザークルーズコントロール(10.6万円)/サイド&カーテンエアバッグ(8.0万円)/DVD+MD付きラジオ+音声ガイド付きカラーバックモニター+DVDナビゲーションシステム+NAVI AIシフト(33.2万円)/ホワイトパールクリスタルシャイン(3.0万円)
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(3):高速道路(6):山岳路(1)
テスト距離:402.6km
使用燃料:55.0リッター
参考燃費:7.3km/リッター

青木 禎之
15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。
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