スバル・レガシィB4RSタイプB(5MT)【ブリーフテスト】
スバル・レガシィB4 RSタイプB(5MT) 2001.02.15 試乗記 ……242.7万円 総合評価……★★★ちょっぴりやくざ
スバルといえば、ボクサーエンジンと4WD、ターボの3点セットが人気メニュー。レガシィB4でいえば「RSK」がそれに当たる。だが、懐具合と腹加減に応じて松竹梅のランクが用意されるのは世の習い。RSKから1品、ターボを抜いたのが竹定食ともいうべき「タイプB」だ。梅にはタイプBからビルシュタイン製ダンパー等を除いた素の「RS」があるものの、そもそもRS自体がかなりのハイグレードモデルとあってその差は小さい。
RSシリーズに共通するのは、旧型以来レガシィのセダンが美点としてきたボディ剛性の高さや素直なステアリングがもたらすスポーティな感覚。その点でタイプBは期待通りなのだが、反面、自然吸気の2リッターエンジンは、低速でトルク不足とスムーズさの欠如を露呈し、ガンガン回してようやく本領を発揮するキライがある。つまり、ちょっぴりやくざなクルマなのだ。
【概要】 どんなクルマ?
(シリーズ概要)
レガシィ「セダン」ではなく、敢えて独自の固有名詞を名乗る「B4」は、ワゴンに特化した感のあるレガシィだからこそ割り切ることができた特異な車種構成を持つ。グレードは下からRS、RSタイプB、RSKの3車種のみ。ランカスターシリーズと合わせて計13車種も用意されるワゴンとは対照的なナローレンジぶりだ。名前のとおり全車Boxerエンジン(2リッターNA/ターボ)と4WDで統一される。4WDシステムはグレードとギアボックスごとにそれぞれ異なった方式を採る懲りようだ。
(グレード概要)
タイプBは、RSを基本に以下の項目を追加した派生モデル。ターボモデル「RSK」同様の「ビルシュタイン製ダンパー」「スペシャルエンジンマウント」「100W/6スピーカー」を「120W/8スピーカー」にグレードアップしたオーディオ。5MTのほかに4ATが用意され、いずれの場合もベースのRSに対して10.7万円高となっている。
【車内&荷室空間】 乗ってみると?
インパネ+装備)……★★
黒一色のダッシュボードはスポーティムードを狙ったものだが、全体に陰鬱な印象でもはや古臭い。装備そのものは充分以上。寒い国(群馬)生まれで昔から定評のあったヒーターはよく効く。
(前席)……★★
ボディサイズの割に狭苦しい。お家芸としてきたサッシュレスのウィンドーも開放感を生み出すまでには至っていない。ボルスター(土手)付きのセミバケットシートは多分に見かけ倒しというべきで、クッションがブワついている。
(後席)……★★★
前席より居住性がいい。膝まわりの余裕と天井の高さはそれなりに確保される。4WDだけにフロアトンネルは大きめだが、4人乗りと割り切れば文句ない。オプションのレザーシートは平板なリアの場合、特に滑りやすい。
(荷室)……★★★
バンパーレベルから開き、開口部も大きい使いやすいトランク。ゴルフバッグを4つ収納できる。ボディ剛性に配慮してか、リアシートのバックレストは倒れないが、アームレスト(アームレストスルー)を通して長尺モノをのせることはできる。
【ドライブフィール】 運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★
雷鳴のようなビートを響かせつつ、小気味よく吹け上がるボクサーサウンドがなによりの魅力。ターボのような迫力はないが、ミドルレンジのスムーズさは痛快。リミット7000rpmのうち特に6000rpmまでがいい。ただし、低速は不得意。アイドリングでは踏み応えがペタリとしたクラッチを経てザラついた感触が伝わり、本来駆動系の剛性が高いはずの4WDなのにスナッチ(ギクシャク)も少なくない。エンジン回転数が2000rpm台に達するまではモワ?としていて、事実上加速しないも同然だ。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★★
スポーツモデルだけに低速での乗り心地は硬めだが、ハーシュネス(荒さ)は少なく、不快さとは無縁。しかも高速になればなるほどフラットになり、飛ばすとむしろ快適になる。ステアリングの素直さ、的確さとインフォメーションの豊かさは、この面で不評をかこっていた昔日のスバル各車とは大違い。踏んで弱アンダー、放して弱オーバーのコーナリングはスポーティングドライバーにとってほぼ理想形。ブレーキはまずまずの効きだが、強力無比とまではいえない。
(写真=河野敦樹)
【テストデータ】
報告者 :二玄社別冊単行本編集室 道田宣和
テスト日 :2001年1月23日から1月25日
テスト車の形態 :広報車
テスト車の年式 :2001年型
テスト車の走行距離 :4718km
タイヤ :(前)205/50R16 87V/(後)同じ(いずれもブリヂストンPotenza RE030)
オプション装備 :スペシャルレザーパッケージ(10.0万円)/スポーティパック(4.5万円=濃色ガラス+ハイマウントストップランプ内蔵リアスポイラー)
テスト形態 :ロードインプレッション
走行状態 :市街地(4):高速道路(5):山岳路(1)
テスト距離 :390.3km
使用燃料 :54.6リッター
参考燃費 :7.1km/リッター

河野 敦樹
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