メルセデス・ベンツGLA200d 4MATICアーバンスターズ(4WD/8AT)
最終型マニアのあなたに 2025.12.22 試乗記 メルセデス・ベンツ のコンパクトSUV「GLA」に、充実装備の「アーバンスターズ」が登場。現行GLAとしは、恐らくこれが最終型。まさに集大成となるのだろうが、その仕上がりはどれほどのものか? ディーゼル四駆の「GLA200d 4MATIC」で確かめた。気がつけば「アーバンスターズ」だけに
webCG編集部から「GLA200d 4MATICアーバンスターズの試乗をお願いします」という連絡を受け、まずは予習しようとメルセデス・ベンツ日本の公式サイトを見ると、GLAのラインナップがかなり絞られていることに気づく。メルセデスAMGを除けば、ガソリンエンジンの「GLA180アーバンスターズ」と今回試乗するディーゼルエンジンのGLA200d 4MATICアーバンスターズの2グレードだけなのだ。
現行型のGLAは2代目にあたり、2020年6月に日本に上陸し(参照)、その後、2023年9月にはマイナーチェンジした仕様が導入されている(参照)。ウワサでは、2026年には電気自動車(BEV)版の新型GLAが登場するというから、現在のGLAはまさに熟成されたモデル末期の段階で、これに魅力的な装備をてんこ盛りにしたのがアーバンスターズということになる。
昔から「ドイツ車はモデルチェンジ直前の最終型が狙い目」といわれてきた。ドイツ車の場合、モデルサイクルの途中に、マイナーチェンジだけでなく、年が変わるごとにカタログスペックに表れないようなさまざまな改良が加えられ、最終型はそのモデルの集大成となる完成度に達するからだ。
そのうえ装備も充実したGLA200d 4MATICアーバンスターズということになると、“最終型マニア”にとって、これは見逃せない存在だろう。
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主張の強いデザイン
そういえばマイナーチェンジ後にGLAに乗るのは初めて……ということで、まずはクルマをひとまわりしてみる。全長×全幅×全高=4445×1850×1605mmという比較的コンパクトなボディーにもかかわらず、数字以上に大きく立派に見えるのは相変わらずだ。
そのうえ、「AMGライン」が標準装着されるこのGLA200d 4MATICアーバンスターズでは、フロントグリルを彩るクロームのダイヤモンドパターンや、縁取りで強調されたフロントバンパー左右のエアインテークのおかげで、以前よりも押しが強くなった印象。いっぽう、ホイールアーチがボディー同色になり、都会的な雰囲気を強めたのは“アーバンスターズ”の名前どおりだ。
室内に目を移すと、ダッシュボード中央に輝く丸型3連エアベントや、その奥を照らすアンビエントライトに「そうそう、こんな感じだった」と記憶がよみがえる。それでも、ブラックの本革シートが装着されたこのクルマは落ち着いた雰囲気にまとめられていて、以前ほどギラギラした感じがしないのが、個人的にはうれしいところ。さらに、ステッチが施されたソフト素材で覆われたダッシュボードや、カーボン(調)のインテリアトリム、グロスブラックのパネルなど、スポーティーで高級感のあるコックピットは、ドライバーの視界に常に入る部分だけに、運転するたびにオーナーの心をくすぐってくれるに違いない。
頼りになる2リッターディーゼルエンジン
GLA200d 4MATICアーバンスターズに搭載されるのは、2リッターの直列4気筒直噴ディーゼルターボエンジン。モデル名の数字とエンジンの排気量が一致しないことが多い昨今だが、このクルマはわかりやすくていい。諸元表を見ると、最高出力は150PS/3400-4400rpmと控えめだが、最大トルクは320N・m/1400-3200rpmに達し、ディーゼルターボらしい力強い加速が期待できる。
さっそく走らせると、「マイナーチェンジ前より静かになった?」というのが第一印象。加速時のノイズや振動は十分快適に過ごせるレベルに収まっているのだ。
走りのほうも期待どおりで、低回転からトルクがあり、軽くアクセルペダルを踏むだけで、余裕の加速をみせてくれる。ふつうに運転するなら1500rpm以下でこと足りてしまうし、高速道路でもアクセルペダルを奥まで踏み込む必要などめったにない。
それでもたまにアクセルペダルを大きく踏み込む場面に遭遇するが、そんなときにはこの2リッターディーゼルターボは2000rpm手前あたりから力強さを増し、レブリミットの4600rpmまで勢いよく加速する力強さを備えている。この扱いやすさと力強さこそディーゼルエンジンの魅力であり、GLA200dのエンジンも期待どおりだった。
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乗り心地がよくなっている!
AMGのパーツ満載のGLA200d 4MATICアーバンスターズには、20インチのAMGホイールと235/45R20サイズのタイヤが標準で装着される。もともと大きくて重たいSUVのタイヤとホイールがインチアップされて乗り心地が心配だったが、実際に走りだしてみると、「マイナーチェンジ前よりも乗り心地がよくなってる!」と確信するほど、洗練されている。
これには、これまた標準で搭載されるアダプティブダンピングシステム付きサスペンションがかなり効いているようで、20インチのタイヤとホイールが多少路面のショックを拾うこともあるが、おおむねマイルドな乗り心地をもたらし、目地段差を越えたときのショックも軽くいなしてくれる。そして、高速走行時はボディーの揺れを抑え、落ち着きある挙動を示すのが実に心地よい。
比較的コンパクトなボディーサイズのおかげで、気軽に運転できるのもこのクルマの魅力で、それでいて見栄えもよく、メルセデスオーナーであることを誇れるGLAが人気を集めてきたのには納得がいく。
そのうえ、最終型ならではの熟成度も期待を裏切らず、誰にでも安心して薦められる一台に仕上がっているGLA200d 4MATICアーバンスターズ。もうしばらく、純内燃機関のGLAに乗りたいという“最終型マニア”には、まさに打ってつけだろう。
(文=生方 聡/写真=向後一宏/編集=堀田剛資)
テスト車のデータ
メルセデス・ベンツGLA200d 4MATICアーバンスターズ
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4445×1850×1605mm
ホイールベース:2730mm
車重:1760kg
駆動方式:4WD
エンジン:2リッター直4 DOHC 16バルブ ディーゼル ターボ
トランスミッション:8段AT
最高出力:150PS(110kW)/3400-4400rpm
最大トルク:320N・m(32.6kgf・m)/1400-3200rpm
タイヤ:(前)235/45R20 96W/(後)235/45R20 96W(ブリヂストン・アレンザ001)
燃費:16.3km/リッター(WLTCモード)
価格:701万円/テスト車=722万5000円
オプション装備:パノラミックスライディングルーフ(21万5000円)
テスト車の年式:2025年型
テスト開始時の走行距離:2816km
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(--)/高速道路(--)/山岳路(--)
テスト距離:--km
使用燃料:--リッター(軽油)
参考燃費:--km/リッター
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生方 聡
モータージャーナリスト。1964年生まれ。大学卒業後、外資系IT企業に就職したが、クルマに携わる仕事に就く夢が諦めきれず、1992年から『CAR GRAPHIC』記者として、あたらしいキャリアをスタート。現在はフリーのライターとして試乗記やレースリポートなどを寄稿。愛車は「フォルクスワーゲンID.4」。
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