アウディが「A1スポーツバック」を発売
2012.06.04 自動車ニュースアウディ、5ドアの「A1スポーツバック」を発売
アウディジャパンは2012年6月4日、プレミアムコンパクトの「アウディA1」に5ドアボディーの「A1スポーツバック」を追加し、同日販売を開始した。
■右肩上がりの市場
3970mmの全長に、アウディが誇る高い品質とスタイリッシュなデザインを凝縮したプレミアムコンパクトカー、「アウディA1」。このモデルによりサブコンパクト・カテゴリーに進出したアウディジャパンは、導入した2011年だけでも4200台のセールスを達成。そのうちの約8割近くが新規顧客で、また購入者の6割以上が40代以下だったという。これは販売ボリュームの拡大を図るだけでなく、若い世代や新規顧客を取り込みたいアウディの思惑どおりとなった。
同社によれば、ダウンサイジングの流れに後押しされるプレミアムコンパクト市場は、今後も右肩上がりの成長が期待され、特に5ドアのニーズが高まるという。そこで、さらに幅広いユーザーを獲得すべく市場に投入したのが「アウディA1スポーツバック」だ。
■ルーフパネルも別色に
A1スポーツバックのボディーサイズは、全長×全幅×全高=3970×1745×1440mm。全長と全高は3ドアと同じであり、全幅が5mm大きくなっただけ。このコンパクトなボディーに、アウディのアイデンティティーといえる「シングルフレームグリル」とLEDポジショニングランプ付きのヘッドライト(オプション)が与えられ、3ドアのA1と同様にサイズ以上の存在感を放っている。
クーペのようなスポーティーなスタイルは、A1スポーツバックでも健在だ。遠くから見ると3ドアと見紛(まが)うほどだが、その一方で、リアドアの後方にクオーターウィンドウを設けた6ライトのデザインにより、3ドアとの違いを明確にしている。5ドア化により、後席の乗降性が向上するとともに、フロントドアが240mm短い1062mmとなったことで、前席のアクセスも改善されている。
ボディーカラーは全部で9色用意される。また、ルーフ部分を別色で塗装するコントラストルーフをオプションで選ぶことができる(アマルフィーホワイトを除く)。3ドアではルーフアーチ部だけが別色とされたが、このA1スポーツバックではルーフとルーフスポイラーも別色となる。
■内装もカラーコーディネートが可能
インテリアは、基本的には3ドアと同じデザインを採用。高い質感を誇り、上級モデルに引けを取らない精緻な仕上がりは、このA1スポーツバックにも受け継がれている。また、インテリアカラーやエアコン吹き出し口のカラーコーディネートが可能で、さらに、スポーツシートが装着される“スポーツパッケージ”や、ミラノレザーがおごられる“レザーパッケージ”を選ぶことができるのも、こだわりのオーナーにとってはうれしいところだろう。
後席には3人分のシートが用意され、ルーフを後方に伸ばすことでヘッドルームを拡大している。3点式シートベルトとヘッドレストが全席に装備されるのはいうまでもない。
プレミアムコンパクトを名乗るA1スポーツバックには、さまざまな音楽ソースをシンプルなインターフェイスで扱うことのできる“MMIベーシック”が標準装備される。MMIベーシックには携帯音楽プレーヤーが接続可能なほか、DVD/CD、SD、FM/AMラジオ、Bluetoothハンズフリーなどにも対応する。これにナビゲーション機能や地デジ、ETCなどが追加される「MMI 3Gプラス」はオプション。また、BOSEがこのA1スポーツバック専用に開発した「BOSEサラウンドサウンドシステム」もオプションで用意される。
■ファミリー層がターゲット
パワートレインは、3ドアと同じ1.4リッター直噴ガソリンターボエンジン(122ps/5000rpm、20.4kgm/1500-4000rpm)と7段Sトロニック(デュアルクラッチ・ギアボックス)の組み合わせ。アイドリングストップ機構やブレーキエネルギー回生システムなどの採用により、JC08モード燃費は17.8km/リッターを達成し、エコカー減税(50%減税)およびエコカー補助金の対象となった。
ラインナップはA1スポーツバックの1グレードのみで、価格は293万円と、3ドアのちょうど20万円高となる。オプションのスポーツパッケージはプラス15万円。
これまで、独身や若いカップル、あるいは子離れ世代に支持されてきた3ドアに対し、ファミリーをメインターゲットに据えるA1スポーツバックの投入により、「プレミアムコンパクト市場の5割のシェアを狙う」と語るのはアウディジャパンの大喜多寛社長。2012年の販売目標台数は2200台というが、通年販売となる2013年以降は同社の販売に大きく貢献するのは確実だろう。
(文と写真=生方聡)