レクサスが新型「IS」を発表
2013.05.16 自動車ニュースレクサスが新型「IS」を発表
トヨタ自動車は2013年5月16日、新型「レクサスIS」を発表した。ISとしては初となるハイブリッドモデル「IS300h」を加えたほか、走行性能を高めたスポーティーな仕様「Fスポーツ」を幅広く設定し、環境性能の高さだけでなく走りの楽しさも強く押し出した。
■初のハイブリッドモデルが登場
今回新たに設定されたハイブリッドモデル「IS300h」は、FR用縦置き2.5リッター直4エンジン(最高出力178ps、最大トルク22.5kgm)とモーター(143ps、30.6kgm)を組み合わせたシステムを搭載する。アトキンソンサイクルとされたエンジンには、燃料の筒内直噴とポート噴射を併用する技術「D-4S」が採用されており、JC08モード燃費23.2km/リッターを実現した。
「IS350」の3.5リッターV6エンジン(318ps、38.7kgm)については主な諸元に変更はないが、ATが8段とされた(従来は6段)。ノーマルモードでは多段ATらしい滑らかな変速に徹する一方、SPORTモードでは制動Gを検知して最適なギア段へシフトダウンする制御がなされる。またマニュアルモードでは変速スピードが0.2秒まで短縮され、スポーツ性がさらに高められる。JC08モード燃費は10.0km/リッター。
「IS250」の2.5リッターV6(215ps、26.5kgm)についても大きな変更はない。こちらはATが6段にとどまる。JC08モード燃費はFR仕様が11.6km/リッターで、AWD(4WD)仕様が10.6km/リッター。
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■スポーティーな“Fスポーツ”を広く設定
走りの性能を高めたスポーティーグレード“Fスポーツ”が、IS300hやIS250の4WD仕様を含めたすべてのモデルに設定された。専用の内外装デザインのほか、「LFA」のイメージを受け継ぐ可動式メーターや、ホールド性を高めた新型スポーツシートなどを採用した。
また、前後サスペンションのスプリングやショックアブソーバー、EPS(電動パワーステアリング)などに専用チューニングを施し、ショックアブソーバーの減衰力を電子制御する「NAVI・AI-AVS」を標準装備とした。
さらに「IS350“Fスポーツ”」グレードについては、EPSやVGRS(ギア比可変ステアリング)、DRS(後輪切れ角制御)、NAVI・AI-AVSを統合制御して、クルマを操る楽しさと安全を両立させるLDH(レクサス・ダイナミック・ハンドリング・システム)も標準装備とした。
■後席の居住性を改善
外装については、レクサスのデザインアイコン「スピンドルグリル」と、ヘッドランプユニットから独立したL字型クリアランスランプの採用が目を引く。これに加えて、ボディーサイドには前輪の後方からリアエンドまで一気に跳ね上がるロッカーラインが描かれ、アグレッシブな印象を強めた。
ボディーサイズは全長4665×全幅1810×全高1430mm。従来型と比べて、全長が80mm、全幅が15mm拡大された(全高は変わらず)。また、ホイールベースが70mm延長の2800mmとされた。これと併せて薄型のフロントシートバックの採用により、後席の膝前スペースを85mm広げ、不満が出やすかった後席の居住性を改善した。
ハイブリッドのIS300hについては、駆動用バッテリー(ニッケル水素)をラゲッジルーム下に収めることによって、ガソリンモデルと同等のトランク容量を確保した。さらにリアシートに6:4の分割可倒機構を与えることにより、トランクの実用性を高めた。
■充実した安全装備
安全装備も充実している。道路上の先行車や障害物などをミリ波レーダーで検出して衝突回避や被害軽減を支援する「プリクラッシュセーフティシステム」や、見えにくい並走車の存在を知らせる「ブラインドスポットモニター」、車線逸脱を警告する「レーンディパーチャーアラート」、ロー/ハイビームを自動で切り替える「オートマチックハイビーム」などが設定される(いずれもオプション。一部モデルでは設定なし)。
さらに、万一の事故の際、エンジンフード後方を瞬時に持ちあげて、歩行者頭部への衝撃を緩和する「ポップアップフード」が、全モデルで標準装備とされた。
各モデルの価格帯は、IS250が420万円~550万円、IS300hが480万円~538万円、IS350が520万円~595万円。月販目標台数は800台。トヨタの田原工場で生産される。
(webCG)
新型「レクサスIS」の詳しい写真はこちら
→新型「レクサスIS」(前編)
→新型「レクサスIS」(後編)