レクサスIS300h“バージョンL”(FR/CVT)
会心のマイナーチェンジ 2021.02.24 試乗記 “フルモデルチェンジ並み”の改良が行われた「レクサスIS300h」に試乗。開発陣が主張する全面改良を選ばなかった理由や、こだわりの変更点をひとつずつ確かめていくと、そこには期待や予想を大きく超えた進化がみえてきた。あえて「TNGA」を使わずに
「メルセデス・ベンツCクラス」のセダンや「BMW 3シリーズ」のセダンと同様のカテゴリーに属するのが、レクサスブランドの最もコンパクトなセダンであるIS。3代目となる現行型は2013年春の登場で、そこからカウントすると間もなく丸8年。しかし、現在販売されているのは2020年11月にマイナーチェンジが行われたばかりの、誕生してまだ間もない最新型ということになる。
実はISは、2016年にもマイナーチェンジを行っている。すなわちこの最新バージョンは、2度目のマイナーチェンジを受けたモデルだ。前述のように現行型のライフは、間もなく8年。「えっ? この期に及んでフルモデルチェンジではなかったの?」という疑問も、当然過ぎるほどに当然であろう。
もっともクラスやマーケットを問うことなく、「SUVが全盛」という今の時代。そんなご時勢ゆえに、むしろISに対しては「ディスコンされなかっただけ幸い」という見方さえあるかもしれない。実際レクサスでもブランド立ち上げの早い段階から用意され、日本ではかつて「トヨタ・アリスト」を名乗っていたことでもなじみのある4ドアセダン「GS」が、昨2020年にカタログ上から姿を消してしまったという例もある。
そうした中で、再度大がかりなリファインが行われたこのモデル。マイナーチェンジという言葉では収まり切れないほど手が加えられて登場したことが、まずはトピックなのである。
「取りあえずの延命だから、フルモデルチェンジではないんでしょ?」と、誕生から8年近く経てのマイナーチェンジに対しては、どうしてもそんなうがった見方をしたくもなってしまうが、どうやらそれは正しい理解ではない。なんとなれば、「あえて『TNGA』を使いたくなかった」というのが、ISがフルモデルチェンジではなくマイナーチェンジを選択した理由のひとつだからだ。
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