第213回:ホンダが描くジドーシャの未来を体感!
「ホンダミーティング2013」を動画で紹介
2013.11.28
エディターから一言
実はホンダが世界初
ホンダが目下研究中の次世代技術を、乗って、走らせて体感できる「ホンダミーティング」。今年の注目は、桃田健史さんのエッセイにもある通り、走る姿を初披露……どころか、試乗までさせてもらった新型「シビック タイプR」なのですが、今回はそれ以外にも、クルマの未来を感じさせるさまざまな技術が披露されました。ここでは写真と動画を交えて、それらを紹介していきたいと思います。
まずはデイリーユースに寄与する次世代技術を紹介するコーナーから。
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■「ホンダミーティング2013」の会場から(その1)
こちらは一般ユーザーの間でもおなじみとなりつつある「ぶつからないクルマ」の技術。こうした自動ブレーキは、一昔前まで「プリクラッシュブレーキ」などと呼ばれていましたが、実は最初に実用化したのはホンダで、2003年のことでした。当時は完全停止までするのではなく、車速を落とすことで衝突被害を軽減することが目的のものでした。
動画で紹介しているのは、間もなく実用化予定の最新版。突然前方の出現した人影もしっかり認知し、雨の中、50km/hの車速から衝突を回避していました。
もうひとつ楽しませていただいたのが、ウワサの新型軽自動車「N-WGN」の試乗! 2013年11月20日発表の新型車であり、開発に関係のない外部の人間が試乗するのは、これが初ではないでしょうか?
コースは、長い直線を往復するだけのシンプルなもの。路面もきれいだったので乗り心地までは分かりませんでしたが、コーナーでぐらりとロールしない、昨今の軽乗用車らしいしっかりとした乗り味でした。加速力は自然吸気エンジン車でも不足なしですが、エンジン音がにぎやかになるのは3気筒660ccの宿命でしょうか。それが気になる人、モアパワーを欲する人はターボをどうぞ。
後輪操舵(そうだ)とSH-AWD、どちらがお好き?
次に体験したのは、コーナリングに寄与する最新技術。具体的にはハイブリッド4WDの「SPORT HYBRID SH-AWD」と後輪操舵技術「P-AWS(Precision All-Wheel Steer)」です。
■「ホンダミーティング2013」の会場から(その2)
動画はSPORT HYBRID SH-AWDを搭載した「アキュラRLX」の車内の様子。まずは日本仕様のラインナップから消滅して久しい、ホンダ製V6エンジンのサウンドをお楽しみください。
感想としては、結構なスピードでコーナーに進入しても、アンダーステアに陥らず、安定した姿勢でコーナーの出口を目指すのは両車とも一緒。ただ、タイヤの向きを制御してそれを実現するP-AWSと、駆動力配分で行うSPORT HYBRID SH-AWDでは、フィーリングが全然違います。当然ですが、スタビリティーは後輪用モーターによるトルクベクタリング機能を備えたSPORT HYBRID SH-AWDの方が一枚上手。「どちらの方が安心してアクセルを踏めますか?」という点では、こちらに軍配でした。
さて、SPORT HYBRID SH-AWDといえば、皆さん気になるのが新型「NSX」でしょう。国内一番人気のモータースポーツことSUPER GTでは、市販モデルのデビューに先駆け、2014年シーズンから「NSX CONCEPT-GT」が出走する予定となっています。
この日はサプライズとして、そのNSX CONCEPT-GTの走行シーンが披露されました。
2013年シーズンでランキング2位を獲得したKEIHIN REAL RACINGの「HSV-10」とともに、その姿をご堪能あれ!
■「ホンダミーティング2013」の会場から(その3)
……派手なターンを披露したHSV-10に、いささかNSXが「食われがち」な動画となってしまいましたが、何はともあれ、来シーズンのホンダ勢の活躍には期待が高まります。
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着々と進む自動運転技術の進化
続いて紹介するのは、最近話題の自動運転技術。「CEATEC JAPAN」や「ITS国際会議」などで各社が自慢の技術を披露していましたね。まずはこちらの動画をご覧ください。
■「ホンダミーティング2013」の会場から(その4)
こちらは「協調型自動運転システム」の動画です。車載のステレオカメラやミリ波レーダーが、前方歩行者や後側方のスクーターを検知。さらにDSRC(Dedicated Short Range Communication)によって車載センサーでは確認できない場所のバイクを確認したり、Wi-Fi通信で電動カートから「歩道を渡らせてください」という信号を受信したり……。ITSや車車間通信を駆使した、ホンダの自動運転技術の一端がうかがえます。
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■「ホンダミーティング2013」の会場から(その5)
こちらは「自動バレーパーキング」のコーナー。監視カメラなどの駐車場インフラと車載のシステムを協調させることで、駐車場内での自動運転を実現しています。
車寄せでドライバーが降りた後、2台のクルマが自動で駐車スペースへ向かう様子、また自動で車寄せへと戻る際に、障害物(飛び出してきたボール)を認知して車両が自動停止する様子をご覧ください。
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このほかにも、会場では電動シティーコミューターによる自動駐車と出庫、ナンバープレートを認識しての前車追従走行の実演も披露されました。
独立メーカーとしてホンダが生き残るために
最後に、「走り」にまつわる次世代技術についても紹介します。
注目はなんといってもVTECターボ。高速オーバルコースを使った試乗コーナーの目玉は、2リッター直噴ターボエンジンの次期型「シビック タイプR」でしたが、会場にはこのほかにも、1リッター3気筒、1.5リッター4気筒のターボエンジン搭載車が用意されていました。ホンダの低燃費化技術=ハイブリッドというイメージですが、ダウンサイジングターボの研究にも注力していたんですね。
こうした姿勢はトランスミッションも同じ。現在、ホンダ車のトランスミッションの主力はCVTですが、今回は自主開発を進めている8段デュアルクラッチ式ATの搭載車も披露されました。さらに、パワートレイン以外の次世代技術として、ステアリング・バイ・ワイヤ機構を搭載した「アコード」と、カーボンモノコックフレームと樹脂製のボディーパネルを組み合わせた「CR-Z」にも試乗できました。
特定の技術にリソースを集中して、その分野のアドバンテージを取る。そうしたよそのメーカーの戦略から見ると、こうした「全部やる」というホンダの姿勢は危うく感じられるかもしれません。そうしたリスクをどう考えているのかという疑問に対し、本田技研工業常務執行役員の野中俊彦さんは、今回「今は次世代の中核となる技術がどれになるかが読めない時代。ホンダが生き残るためには、すべての技術を手にしておかないといけない」と説明していました。
「400万台クラブ」という言葉が飛び交った1990年代にも、合従連衡に加わらず、自主独立の姿勢を堅持してきたホンダ。これからもそれを貫いていけるのか、注目したいと思います。
(文=webCG 堀田/写真=webCG 堀田、本田技研工業)

堀田 剛資
猫とバイクと文庫本、そして東京多摩地区をこよなく愛するwebCG編集者。好きな言葉は反骨、嫌いな言葉は権威主義。今日もダッジとトライアンフで、奥多摩かいわいをお散歩する。
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