スズキ・リカージョン:クルマ好きの心にササる
2013.11.22 コレはゼッタイ! ![]() |
スズキ・リカージョン:クルマ好きの心にササる
生活環境や生活コストのせいで、自動車の存在が「単なる道具」と「ぜいたく品」に二極化してきていると感じるのは、筆者だけではないだろう。
免許を持ちながらも二輪に疎い自分だけれど、「だから、バイクをシティーコミューターとして積極的に使うのもアリだ」などと思ってしまう今日このごろ。そうした目で今回の東京モーターショーを見てみると、魅力的なバイクがいくつか見受けられた。
■わくわくする“回帰”
中でも気になったのは、スズキの「Recursion(リカージョン)」。これは588ccの水冷直列2気筒エンジンに、インタークーラー付きのターボを組み合わせたバイクである。
過去、1980年代にも“ターボ付きバイク”の例はあったが、結局は「自然吸気+キャブレター」の組み合わせに落ち着いた経緯がある。今回、あらためてスズキがこの形式を提案する理由は、高効率化。すなわち、小さな排気量から豊かなパワーと使いやすいトルク特性を得るため。自動車業界でいうところの「ダウンサイジング」である。
筆者としては、どうせなら、250ccエンジンにターボを付けてほしかった。ただスズキには、「100psをターボで実現する目標」があったという。仮にこの100psを250ccの排気量で達成するとなると、通常のドライバビリティーは保(たも)てなくなるらしい。つまり588ccの排気量は、ショーモデルとしての魅力と現実的な実用性を踏まえた上で選ばれたというわけだ。燃費性能も、同じ100psを発生するリッターバイクに比べ、約50%も向上するという。
カーボン製モノコックフレームや片持ちスイングアームからなる車体の総重量は、174kgと軽量。それが「懐かしさと近未来性」を融合したデザインでまとめられる。ちなみに車名のリカージョンには「回帰」という意味が込められている。
趣味性の高いスポーツカーに比べ、スポーツバイクの価格は安い。しかし操縦性は、前者に劣らずダイレクト。立場によって評価は変わるだろうが、少なくともクルマ好きにとって、今のバイクはとっても魅力的なはずだ。
(文=山田弘樹/写真=峰 昌宏)
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