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日産エクストレイル20X エクストリーマーX“エマージェンシーブレーキ パッケージ”2列車(4WD/CVT)

求む、セールスポイント 2014.06.02 試乗記 森 慶太 フルモデルチェンジにより、時流に合ったクロスオーバーモデルに形を変えた「日産エクストレイル」。3代目となる新型は、熱い支持を受けた初代、2代目を超えることができるのか?

このカタチを選んだ理由

イチニイ3代目というよりはパッと見ほとんど別のクルマになっちゃった感アリの新型エクストレイルに関して、乗る前からアタリの予感は、あったかなかったかでいうと、なかった。気に入ってた店(笑)が、ある日いってみたら。「アレッ!?」。看板も場所も変わってないけど……みたいな。経営者か営業方針のいずれかまたは両方が、変わっちゃった?

こんどのエクストレイルがなぜこのようにリニューアルされたのかに関して筆者にわかっている情報は、主に『webCG』がそのソースである。つまり、モリグチさんの試乗記×2を読んで知った。あ、そういうことですか。なるほどね。従来路線だと、商売上、少なくともグローバルには有利ではないと判断されたと。独自路線をいくよりはトレンドに素直にのっかるほうが得策だと。

あとそう、これは日産の人からきいた話。まだカタログ落ちしていない旧型つまりディーゼルのエクストレイルを、メーカーはどうやらエコカー要員であると位置づけている。新型エクストレイルのエコカー要員が導入されるまでの、いわばツナギとして、販売が継続中。でもって、新型エクストレイルのエコカー要員はハイブリッドだそうな。あらー。2代目ディーゼルさんの移籍先をきくわけにもいかず。ていうか、中古車市場へいかれるわけですね。現役新車でいてくれるのは、あと半年間ぐらい?

今回のテスト車は、専用の外装パーツを装備した「エクストリーマーX」。「ライダー」シリーズと同じく、オーテックジャパンのカスタマイズカーである。
今回のテスト車は、専用の外装パーツを装備した「エクストリーマーX」。「ライダー」シリーズと同じく、オーテックジャパンのカスタマイズカーである。
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インテリアについては「エクストリーマーX」と標準車は基本的に共通。テスト車にはディーラーオプションのスマートルームミラーとデュアルカーペット(フロアカーペット+ラバーマット)が装備されていた。
インテリアについては「エクストリーマーX」と標準車は基本的に共通。テスト車にはディーラーオプションのスマートルームミラーとデュアルカーペット(フロアカーペット+ラバーマット)が装備されていた。
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「エクストリーマーX」の特徴であるフロントのアンダーカバーとオーバーライダー。リアのアンダーカバーともども、標準車にも「エクストリームパッケージ」という名称でオプション設定されている。
「エクストリーマーX」の特徴であるフロントのアンダーカバーとオーバーライダー。リアのアンダーカバーともども、標準車にも「エクストリームパッケージ」という名称でオプション設定されている。
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サイドアンダーカバーとマッドガード、大型フロントフォグランプなどは「エクストリーマーX」の専用品。こちらは標準車にはオプションでも用意されない。
サイドアンダーカバーとマッドガード、大型フロントフォグランプなどは「エクストリーマーX」の専用品。こちらは標準車にはオプションでも用意されない。
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日産 エクストレイル の中古車

進化の跡が見て取れる

で、新型。乗ってみての第一印象は悪くなかった。具体的には後席の着座環境と乗り心地……のうち、特に後者が。「これはなんかやってあるぞ」と思ってあとで資料をあたったところ、「骨盤」とか「胸郭」とかの言葉がでていた。乗員の骨盤を、後ろからグッとサポート。胸郭を、こちらは下から持ち上げてやる感じでやはりサポート。なるほど。日本車のリアシートにしては、よくできている。

運転してみての第一印象は……フツー。ただし、「なにもかもフツーでイイですね!!」の「フツー」とはちょっと違うフツー。ま、フツーの日本車だわなあ。しいていうとしたら、乗り心地のフラット度はちょっと高いかもしれない。日本車の平均値と比べて。あと、旧型エクストレイルのガソリン車との比較でいうと、コーナリング中のロールはしっかり抑えられている感じ。ま、フツーになった。フツーの乗用車用よりもゴツいタイヤを履いていることは、振動の感じからかろうじてわかる。でもって、それはイヤじゃない。

それと、薄氷を踏む覚悟で右足の動きをコントロールしないといけない感じが減った。つまり、ホンのちょっとの加速要求に対してエンジン回転がだらしなく上昇しまくりな感じではなくなった。常用域では。従来比。あと、ブレーキがすごく扱いづらいということもなかった。少なくとも、そこでトクベツ苦労させられた記憶はない。

「エクストリーマーX」に装備される、はっ水加工が施された合成皮革とクロスのコンビシート。標準車にオプションで用意されている、スエード調クロスシートの設定はない。
「エクストリーマーX」に装備される、はっ水加工が施された合成皮革とクロスのコンビシート。標準車にオプションで用意されている、スエード調クロスシートの設定はない。 拡大
クラストップレベルの広さがうたわれる後席まわり。シートは6:4の分割可倒式で、中央にはドリンクホルダー付きのアームレストが備わる。
クラストップレベルの広さがうたわれる後席まわり。シートは6:4の分割可倒式で、中央にはドリンクホルダー付きのアームレストが備わる。
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「エクストリーマーX」専用デザインの17インチアルミホイール。テスト車はヨコハマのSUV用タイヤ「ジオランダーG91」を装着していた。
「エクストリーマーX」専用デザインの17インチアルミホイール。テスト車はヨコハマのSUV用タイヤ「ジオランダーG91」を装着していた。
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パワーユニットは今のところ2リッター直噴ガソリンエンジンとCVTの組み合わせのみだが、ハイブリッド車の追加がアナウンスされている。
パワーユニットは今のところ2リッター直噴ガソリンエンジンとCVTの組み合わせのみだが、ハイブリッド車の追加がアナウンスされている。
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いいクルマなんだろうけど……

苦労したというかイヤだったのはハンドル関係。取り回し重視で低速域ではカルい……のはまあいいとして、巡航モードになると、真ん中の手応えがギュッと固まる。「俺は動きたくないぞ!!」(ハンドル談)状態。直進中の微妙なライン修正の際には、そのギュッをヨイショと乗り越えてハンドルを動かさないといけない。これは確実に、減点要素。“違和感”ではなく、手応えとして間違っている。

その減点要素を別にしたら、新型エクストレイル、「ま、いいんじゃないすか?」。ちょっと棒読みで。車両感覚の把握が旧型比グッとしにくくなったというのはあるけれど、サラッと普段乗り用のSUV系物件として。街なかで見かける新型エクストレイル、そこはかとなくカネモチっぽくも見えるし。

でも。しかし。英語でいうと、Where is the beef? な感じ。あのカタチ。ディーゼルエンジンのトルク。MTまたはプラネタリーATの、つまりCVTではないトランスミッション。ガソリン車比大幅にハナ重だけど、ガツン!! と高い直進力。高速ツアラー力。そうしたモロモロがないエクストレイルは、語気を強めてオススメするだけの説得材料に欠ける。

それと、細かいところでウインカーのレバーの操作感。これがマズかった。ヨイショと押し込んでやらないと動かない。やす!! あと、エアコン関係だったかオーディオ関係だったか、ダイヤルの操作感もガッカリ。パッと見や乗った感じの表面的なプレミアム感はぬかりなくかそこそこか作り込まれているっぽい一方で、そうしたところはばっさりカット? 日本車ならではの美点が……。

(文=森 慶太/写真=高橋信宏)

標準車にはFFと4WDが用意されるが、「エクストリーマーX」の駆動方式は4WDのみとなる。
標準車にはFFと4WDが用意されるが、「エクストリーマーX」の駆動方式は4WDのみとなる。
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2分割のフロアボードによる多彩なアレンジが特徴のラゲッジルーム。「エクストリーマーX」では、テールゲートの内側に荷物をつり下げるのに使うインナーフックが装備される(リモコンオートバックドア非装着車のみ)。
2分割のフロアボードによる多彩なアレンジが特徴のラゲッジルーム。「エクストリーマーX」では、テールゲートの内側に荷物をつり下げるのに使うインナーフックが装備される(リモコンオートバックドア非装着車のみ)。
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緊急自動ブレーキをはじめとした安全に関するものを含め、先進の装備を積極的に取り入れているのも「エクストレイル」の特徴。オプションのメーカー純正ナビ装着車には、自動操舵(そうだ)技術によるパーキングアシスト機能も備わる。


    緊急自動ブレーキをはじめとした安全に関するものを含め、先進の装備を積極的に取り入れているのも「エクストレイル」の特徴。オプションのメーカー純正ナビ装着車には、自動操舵(そうだ)技術によるパーキングアシスト機能も備わる。
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テスト車のデータ

日産エクストレイル20X エクストリーマーX“エマージェンシーブレーキ パッケージ”2列車

ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4670×1820×1715mm
ホイールベース:2705mm
車重:1510kg
駆動方式:4WD
エンジン:2リッター直4 DOHC 16バルブ
トランスミッション:CVT
最高出力:147ps(108kW)/6000rpm
最大トルク:21.1kgm(207Nm)/4400rpm
タイヤ:(前)225/65R17 102H/(後)225/65R17 102H(ヨコハマ・ジオランダーG91)
燃費:--
価格:280万4760円/テスト車=329万4000円
オプション装備:LEDヘッドランプ<ハイ/ロービーム、オートレベライザー付き、フレンドリーライティング作動付き、シグネチャーLEDポジションランプ付き>(6万4800円)/NissanConnectナビゲーションシステム+アラウンドビューモニター<MOD〔移動物検知〕機能付き>+インテリジェントパーキングアシスト+ステアリングスイッチ<オーディオ、ナビ、ハンズフリーフォン、クルーズコントロール>+BSW<後側方車両検知警報>+ふらつき警報+クルーズコントロール(32万7240円)/スクラッチシールド・特別塗装色<チタニウムカーキ>(4万3200円)/ルーフレール(5万4000円)

テスト車の年式:2014年型
テスト車の走行距離:4148km
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(5)/高速道路(5)/山岳路(0)
テスト距離:277.9km
使用燃料:27.1リッター
参考燃費:10.2km/リッター(満タン法)/11.2km/リッター(車載燃費計計測値)
 

日産エクストレイル20X エクストリーマーX“エマージェンシーブレーキ パッケージ”2列車
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