第255回:凍結路は恐るるに足らず!?
トーヨータイヤの新作「オブザーブ ガリットGIZ」を試す
2014.09.09
エディターから一言
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トーヨータイヤからスタッドレスタイヤ「オブザーブ ガリットGIZ」が発売された。2009年発売の「ガリットG5」も継続販売されるが、実質的な後継モデルだ。「GIZ」のGはグリップ、Iはアイス、Zはアルファベット最後の文字=究極を意味する。アイスのグリップが究極のスタッドレスタイヤを目指したということかー。北海道のトーヨータイヤサロマテストコースなどでテストする機会を得たので、報告したい。
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吸水性能の向上が見どころ
1990年代の初めからスタッドレスタイヤをラインナップしてきた同社にとって、ガリットGIZは8世代目の製品となる。スタッドレスタイヤはサマータイヤに比べてモデルチェンジによる性能向上を体感しやすい。新製品をテストする度、数値的にも体感的にも目覚ましい進化を感じるが、さて今回はどうだろう。
トーヨータイヤのスタッドレスといえば、昔からスパイク効果を狙ったクルミの配合が最大の特徴。当然、最新作のガリットGIZにも採用されている。ちなみに、数あるクルミの種類の中でも鬼クルミの殻が一番いいらしい。さらに、前作ガリットG5で初めて採用した低温でも硬化しにくい素材「ナノゲル」も引き続き配合し、凹凸のある路面にしっかりとゴムが密着する効果をもたせた。
それらに加えて、ガリットGIZでは、新しい特徴を盛り込むことで、吸水性能が大幅にアップしたという。まず、センターブロックに、制動時や旋回時にブロックがたわんでもサイプがつぶれてしまわず、一定の空間が保たれる「新吸着3Dサイプ」を採用した。いっぽうで「NEO吸水カーボニックセル」という素材を配合することで、タイヤのゴム自体にスポンジのように水を吸う機能をもたせた(吸い込みっぱなしではなく遠心力で排出される)。
凍った路面でタイヤをグリップさせるうえで最大の難点が、タイヤが路面に接地した際に表面が溶けてできる水膜。だからこそスタッドレスタイヤには吸水性能が不可欠で、ガリットGIZでは、ゴムそのものにミクロレベルの吸水をさせ、形状にマクロレベルの吸水をさせる機能を併せもたせたという。
また、クルミ殻によるスパイク効果に加え、新たにセンターブロック脇のメディエイトブロックに、ブレーキング時やコーナリング時にたわんでも互いが支え合って剛性を保つ「コンビネーションブロック」を採用。それぞれのブロックの角が路面をひっかくエッジ効果などがしっかり保たれるという。
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