レクサスRX200t“バージョンL”(FF/6AT)/RX450h“バージョンL”(FF/CVT)
着実な前進 2015.11.16 試乗記 7年ぶりに一新された、高級クロスオーバーの売れ筋モデル「レクサスRX」。パワーユニットの異なる2車種に試乗して、その実力を確かめた。連続ヒットの期待がかかる
レクサスRXがフルモデルチェンジを受け、4代目へと移行した。日本では初代と2代目が「トヨタ・ハリアー」として売られたから、4代目と言われてもピンとこないかもしれない。けれども1998年にデビューした初代レクサスRXは、プレミアム乗用車とタフなSUVの“いいとこ取り”をした高級クロスオーバーのさきがけとして、北米市場でヒットをかっ飛ばした。
レクサスRXの人気を見て「こんなところに金脈があったのか」と他メーカーも追随。以来、この手の“オシャレ四駆”のフォロワーが続いたのはご存じの通りだ。ちなみにいま、レクサスは世界で約56万台が売られるけれど、その4分の1から3分の1をRXが占める。ドル箱であり、稼ぎ頭である。
2009年に先代レクサスRXが登場した時から、このモデルを取り巻く状況は大きく変わった。2014年にひとクラス小さいSUVである「レクサスNX」がデビュー。2015年には日本でも巨大な「レクサスLX」が販売されるようになったのだ。
つまり、ひとりっ子だった日本のRXは、新型ではレクサスSUV三兄弟の次男という位置づけになった。
弟分のレクサスNXが生まれたことにより、レクサスRXは少し上級移行した。ボディーサイズが少し大型化したし、エントリーモデルの価格を比べると、先代の「レクサスRX270」が444万3429円だったのに対して、新型の「レクサスRX200t」は495万円。50万円ほど価格が上がったことになる。
新型RXに用意されるパワーユニットは、2リッター直列4気筒の直噴ターボと、3.5リッターV6エンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドの2種類。
2リッター直噴ターボは先代の2.7リッター直4エンジンに代わるエンジンで、最高出力は従来型の188psから238psにアップ、JC08モード燃費も10.4km/リッターから11.8km/リッターに向上している(燃費値はFFモデルのもの)。
ハイブリッドモデルの3.5リッターV6エンジン+モーターという構成は先代と変わらないものの、燃料の噴射システムが、筒内直噴と吸気ポート噴射を併用する「D-4S」にバージョンアップ。ボア×ストロークはそのままに、3.5リッターV6エンジンの中身は従来型から変更されている。エンジン単体の最高出力は249psから262psへとアップ、JC08モード燃費も16.4km/リッターから18.8km/リッターへと向上した。