BMW 120iスポーツ(FR/8AT)【試乗記】
すっかりオトナになりました 2011.11.15 試乗記 BMW 120iスポーツ(FR/8AT)……474万円
最もコンパクトなBMW「1シリーズ」が2代目に進化。新たなエンジンとトランスミッションを得て、その走りはどう変わったのか? スポーティーグレード「120iスポーツ」で試した。
さわやかコンパクト
新型「BMW 1シリーズ」は、「EfficientDynamics」というBMWが2008年から掲げはじめた標語を実感させた。あれから3年。もはや単なる「Freude am Fahren(駆けぬける歓び)」ならず。「Sheer Driving Pleasure」あるいは「the Ultimate Driving Machine」でもない、これらの理念、運転の楽しさと環境問題対応とのアウフヘーベン(発展的統合)たるEfficientDynamicsの姿が、ようやく見えてきたのだ。
「120iスポーツ」は、フツウに高速を流していると清流のようなクルマである。もともとBMWは「若々しい」とか「すがすがしい」とか、バイエルンの青い空と白い雲を想起させる、さわやかなクルマである。
今度の1シリーズは、筆者は120iスポーツしか乗ってないわけですけど、そのようなさわやかさを南ドイツのピュアウオーターでさらに割ったような小型車なのだった。
ふだんは混じりけのない天然水。でも、いざ鎌倉、ガスペダルを深々と踏み込むと、いずこかに散らばっていたBとMとWの元素が結合してBMWという分子となり、これら分子の集まりたる「BMW」となるのだ。
もちろん水のごとき、水はH2OなのでBもMもWもないわけですが、と理科は全然わからないくせにややこしいことを言ったりして、いやつまり、B、M、Wの元素状態にあってもBMWはBMWなのである。その味わいが薄くなったり濃くなったりする。濃淡自在。そういう二面性というか、可変性を持っている。私の言っていること、通じるでしょうか?